NHKにようこそ! の商品レビュー
オススメ!
現実と妄想の折り合いをつけられず、苦悩しつつ青春を駆け抜ける主人公たち。読む人を選ぶ内容でありながら、重さを感じさせない爽快さが◎。それにしても、『NHK』が××の略とは……!ネーミングセンス最高。
TKS
ひとりで生きていけるって信じてたころも僕にはあったけど、それでもやっぱり誰かに愛して欲しくて、愛してもらえなくて、そうして世界を嫌いになっていくんだよな。救いとは、つまり誰かなのだ。
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引きこもり当事者のものとして、昔話題になっていたことを思い出した。NHKだかの特集で、筆者の執筆している様子が流れていた。宇宙空間のような、引きこもっているような場所で、色白のスキンヘッドの男性が中空に浮かんだディスプレイに向かってタイピングしているものだった。分かりやすい生きる...
引きこもり当事者のものとして、昔話題になっていたことを思い出した。NHKだかの特集で、筆者の執筆している様子が流れていた。宇宙空間のような、引きこもっているような場所で、色白のスキンヘッドの男性が中空に浮かんだディスプレイに向かってタイピングしているものだった。分かりやすい生きる目標は無い。NHKみたいな分かりやすい敵なんていない。敵を倒す為になんて目標なんて無い。生きていても、どうしようもない。苦しいだけだ。実体験による生きることの閉塞感が感じられ、底が抜けたように自分の足下が崩れるような感じがした。
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とても面白く読めました。ただのロリコンひきこもりニートのギャグ小説というわけではなく、ひきこもりの実態や家庭環境の悩み、自殺など社会的な問題も含まれていて、少しほっこりする部分もあり、良かったです。佐藤に対する山崎の対応が段々と雑になっていく様子が特に笑いました。
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結局のところオタクってみんな中原岬ちゃんに出会いたいだけだから。空から翼の生えた女の子が降りてきてほしいだけだから。
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人生のある時期にはめちゃくちゃ刺さるけど、いつしかそれが刺さった時間のことすら忘れてしまうような、通り過ぎる作品があると思っていて、それはたとえば、滝本竜彦や西尾維新だったりする。 10数年ぶりに読んだ、NHKにようこそ。 痛みも、どうしようもなさも、いたたまれなさも、なんと...
人生のある時期にはめちゃくちゃ刺さるけど、いつしかそれが刺さった時間のことすら忘れてしまうような、通り過ぎる作品があると思っていて、それはたとえば、滝本竜彦や西尾維新だったりする。 10数年ぶりに読んだ、NHKにようこそ。 痛みも、どうしようもなさも、いたたまれなさも、なんとも言えないあの読後感も、やっぱり昔ほど迫っては来なかった。 でも、作家自身が、これを読むと書いていたときの自分を思い出すと記していたように、読んでいたときの自分を思い出す。そんな本はきっと、世の中にそう何冊もない。 通り過ぎて忘れるけれど、またそのうち何年かしたら、読んで思い出す。ちょっと歪な青春時代のアルバムのような本。 あとがきまでは本編だと思います。
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☆4.5 実在する生なましさ 『鬱の本』を読んだら、『NHKにようこそ!』に共感した、救はれたといふ人がをり、また作者の滝本氏もすごい文章を書いてゐたので、読んでみた。 饒舌なモノローグ文体がつづくが、テンポとリズムがよくて読みやすい。展開もご都合主義だけど、気にならない。...
☆4.5 実在する生なましさ 『鬱の本』を読んだら、『NHKにようこそ!』に共感した、救はれたといふ人がをり、また作者の滝本氏もすごい文章を書いてゐたので、読んでみた。 饒舌なモノローグ文体がつづくが、テンポとリズムがよくて読みやすい。展開もご都合主義だけど、気にならない。主人公はお先真っ暗と思うてるんやけど、文体が陽気。 隣の部屋のアニソンがおジャ魔女どれみだったり、主人公がナディア世代だったり、滝本の実体験だらう。だからこそ、ひきこもりを自虐的におもしろ可笑しく書けるのだらう。 主人公も山崎もみんな表現に生なましさがある。私も大学時代の人間関係を思ひ出した。 なにより凄みがある。トリップ描写も、岬ちゃんの真実も、おおと思った。最後の契約書もおれは好きである。 おなじモノローグ系の『イリヤの空、UFOの夏』は饒舌が長すぎて挫折した。森見登美彦の『四畳半神話大系』も原作は淡泊で、アニメの方がおもしろい。 しかし『NHKにようこそ!』は短くて読みやすく(原作はアニメより短い)、見てみたらアニメも演出がうまくかなりおもしろかった。
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確か新聞で紹介されてて知った本。2002年発行と意外と古い本だった。なので、表紙が違ってて残念。確かにこの頃引きこもりは流行っていた。私が勤めたとこでも引きこもり対策をやっていたのに、3年後にはもう下火だったもんな。移り変わりの早さよ。しかし、今や私も立派な引きこもり。夢がかなったわ。すごいポップな口語で書かれてて、奇しくもちょうど前に読んでた「嫌いなら呼ぶなよ」と一緒の感じ。なら、これも純文学なのか。全然聞いたことない初読みの作家さんだったのと、あとがきで自分のことのようで恥ずかしいと書いてあったので、生きてるか心配になって珍しく調べちゃった。生きてて良かった。しかし、今も苦しんで引きこもってる人もいるんだろうなぁ。人生に意味なんか考えちゃならんよ。薬物をやってる間のことがすごい書かれてて、本当にやってたんじゃあるまいな、と思う。合法ならいいのか。
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アニメを視聴した後に原作を読むと、内容は意外とあっさりしてると思った。そのため、単純に話の内容だけを見ると、アニメ版の方が圧倒的に多く、その分、この物語を楽しめる。その一方、アニメ版では厳しい描写(例.薬物使用)や、アニメでは詳細に語られなかった内面の描写を小説版では味わえる。したがって、どちらか一方を既に触れた人でも、楽しめるように工夫されている。 本作は筆者の実体験をもとにしたひきこもりを主人公とした話である。そのため、ひきこもり特有の悩みや葛藤を追体験できるのが本作の良さである。
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引きこもりの引きこもりによる引きこもりのための傑作小説。引きこもりの体験者ならではの描写がすさまじくリアルだ。
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