冷静と情熱のあいだ Rosso の商品レビュー
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あおいが昔の彼氏を忘れられずにいるお話し。 マーヴがひたすら優しいし、あおいへの愛が深いのを感じる。あおいも満足していたはずなのに。。。これはなかなか難しい問題すぎる。 10年前の約束をお互い忘れないでいるというのはロマンチック。お互いを忘れずにいるのも素敵だと思うが、前に進めてないまだ終わってない愛の辛さを思うとそれもちょっとどうしようもないのかな。 お話とわかっていながら気持ちが持っていかれてしまった。
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みなさんは、よく歌詞などで耳にする「燃えるような恋」をしたことはありますか? この物語では、冷静な部分ではこのまま今の恋人と結婚したほうが良い人生を送れると分かっていながら、自分の情熱はずっと10年前からたった1人だけを求め続けている、そんな女性が主人公です。 イタリアでマーヴ...
みなさんは、よく歌詞などで耳にする「燃えるような恋」をしたことはありますか? この物語では、冷静な部分ではこのまま今の恋人と結婚したほうが良い人生を送れると分かっていながら、自分の情熱はずっと10年前からたった1人だけを求め続けている、そんな女性が主人公です。 イタリアでマーヴというアメリカ人の恋人と暮らしている・アオイ。パートタイムで働いて、大好きなお風呂と本と共に静かな日常を送っている、今の生活。ただ、ふとした時に、忘れようとしても思い出してしまうのは、今の恋人ではなく、学生時代の恋人・阿形順正。 自分の年齢や友人の結婚式なども相まって、マーヴと結婚することを仄めかされる毎日。本当に自分はこれでいいのかと思ったところに順正からの手紙...。 いつも「冷静と情熱のあいだ」に取り残されたような気分に陥ってしまうアオイ。最後の最後まで彼女がどの選択をするのかわからず、ドキドキしました。 対になっている物語(順正視点)があるみたいなので、そちらも読むのが楽しみです。
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忘れられない人がいて、だけど今愛してくれる人がいる。今も大事だけれど、過去から離れられない。正直さ故に、どちらも大事でどちらも選べないアオイの芯の強さと、弱さ。居場所をどこに求めるのか。愛する人、友人、故郷、仕事…。 二冊を読み終えて、改めてパラパラとページを捲ると、時代を経ても変わらない女性的な気持ちの移ろいを感じられる。最後、アオイは変わらない順正を愛したことを想い、自分のいる場所で人生を歩んでいこうとする。これから時間をかけてアオイは自分の人生を、未来を生きていくのだと、Rossoの終わり方は強くしなやかに生きていくアオイの未来を想像できてスッキリした。
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言うまでもありません、自分の感情は順正に引きずられても、状況や感情表現、そして主人公たちが彩る世界の中で、行間を感じながら読める本、である江國さんの小説は、何十年かぶりだけれど、本当にワクワクしながら読みました。残念なのは、本文中に”冷静と情熱”に関する記述がなかったこと、最後の...
言うまでもありません、自分の感情は順正に引きずられても、状況や感情表現、そして主人公たちが彩る世界の中で、行間を感じながら読める本、である江國さんの小説は、何十年かぶりだけれど、本当にワクワクしながら読みました。残念なのは、本文中に”冷静と情熱”に関する記述がなかったこと、最後のベッドの後に、表現があったらよかったのに、と、ちょっと思いました。自分が愛した、ひきとめてくれない正しさと誠実さを兼ね備えた順正がミラノで出迎えてくれた時、あおいは今度こそ、顔を歪ませることなく素直に順正を受け入れてくれることを願って。
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すごく好きな人を忘れるため、自分のことをすごく好いてくれる人に寄りかかる。でも、それに甘えてたせいで、いつまでも前に進めなかったんじゃないかって思ってしまった。 高級なアパートメントに住まわせてもらい、高価な服を買ってもらい、そんなんしてたら、思考は止まるわ!って感じです。 でも...
すごく好きな人を忘れるため、自分のことをすごく好いてくれる人に寄りかかる。でも、それに甘えてたせいで、いつまでも前に進めなかったんじゃないかって思ってしまった。 高級なアパートメントに住まわせてもらい、高価な服を買ってもらい、そんなんしてたら、思考は止まるわ!って感じです。 でも、江國さんの文章は美しいので、好きです。
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あおい。 淡々としたように 生きてみせてる、語られると そんな無理しなくても、という想いもあり なんでそんな怠惰なの、ちゅー想いもあり、 そうしちゃうよなぁー、て想いもあり。 ½ずつ読んでしまったけど 交互だったら どんな想いにいたったんだろ。 「まだ空気に...
あおい。 淡々としたように 生きてみせてる、語られると そんな無理しなくても、という想いもあり なんでそんな怠惰なの、ちゅー想いもあり、 そうしちゃうよなぁー、て想いもあり。 ½ずつ読んでしまったけど 交互だったら どんな想いにいたったんだろ。 「まだ空気にあかるさの残っている時間。」(11p) こんな表現する江國さんを ボクはちょっと好きになりそうな気がした。
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アズールの方ではしっくりくる結末が用意されているので、この本でもやもやした人にはそちらを勧める。 ただ私はこちらの主人公の気持ちの方がよくわかる。なぜか現状を最後に行ってしまうと嘘になってしまうような気がして、きっと言えなかったんだなぁ。
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冷静と情熱のあいだにあるもの、またそのあいだが何なのかを知りたくて読んでみようと思った。 RossoとBluどちらから読むかと考えたけれど、同じ女性として感じるものがあるかもしれないとRossoを先に手にとった。 どんな恋も1人の持ち分は2/1である…あとがきではあるけれど、こ...
冷静と情熱のあいだにあるもの、またそのあいだが何なのかを知りたくて読んでみようと思った。 RossoとBluどちらから読むかと考えたけれど、同じ女性として感じるものがあるかもしれないとRossoを先に手にとった。 どんな恋も1人の持ち分は2/1である…あとがきではあるけれど、この言葉がとてもしっくりくるものだった。 恋愛とは、人生とは、視点がどこにあるかで全く色が変わると思う。 これを読んで穏やかにではあるけれど熱く共感した私は、きっと常に視点が自分にあると感じた。 まず恋愛の2/1を読み終えて感じた冷静と情熱のあいだ…。 その両極端に思える2つのものは実はいつも自分の片方ずつの手の中にあるのかもしれないと思った。 あいだに自分がいるのではなくその2つを持つ自分が、そのあいだに何を、誰を、置くのかということ。 時として冷静なり情熱なりを握り潰してしまった時に自分を見失うことがあったり、意図的に握り潰そうと決意したり…。 誰もがそのどちらもを常に同じ分だけ手にしている。 そんな気がした。 残りの恋愛の2/1を読み終えたら、また違う答えを見つけることが出来るのだろうか。 ひとつ。 純粋な読み終えた感想…。 読みながら、 恋しい人が過ぎり、胸を熱くした。 愛しい人が過ぎり、何故か胸を締め付けた。 自分はわがままなヤツだと、思った。 自分の恋愛のもう半分を見たら、あたしはどう感じるのだろう…。
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女性側の物語。想いの深さや激しさがすごいなーと思いながら読破。私は大切に思う人に対して、ここまでの想いをもてるだろうかと考え込んでしまいそうでした。男性側からの物語も楽しみに読みたいと思います。
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大好きな本を15年ぶりくらいに再読。当時中学生だった私がついにあおいと順正より一つ年上になってしまっていて時の流れの速さにびっくり。 大人になってから読むと、本当に二人の葛藤や愛情を感じる。 今回、RossoとBluを一章ごとに読んでいった。あおいsideのRossoは江國香織さ...
大好きな本を15年ぶりくらいに再読。当時中学生だった私がついにあおいと順正より一つ年上になってしまっていて時の流れの速さにびっくり。 大人になってから読むと、本当に二人の葛藤や愛情を感じる。 今回、RossoとBluを一章ごとに読んでいった。あおいsideのRossoは江國香織さんということで静かで淡々と綺麗に物語が進んでいくけど、章が進む事にあおいの心の動きがわかり易く面白くなってくる。 親友や職場仲間、同棲している恋人にさえ本当に大切な過去の話をできないくらい押し殺して生きてきた8年はそれはもう辛かっただろう。結末を知っていながらも、早く二人が出逢って欲しいと願わずにはいられない。 Rossoの終わり方は切なくてもどかしくてすごく苦しくて、えーーー!!ってなるけど、始まり方が美しくて大好き。 また再読すると思う。
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