1,800円以上の注文で送料無料

ペンキや の商品レビュー

4.4

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2012/01/26

「ペンキや」という、たったひとつの仕事に真摯に取り組むことで、 大勢の人と出会い、たくさんの世界と出会う。 ついたくさんのことをしたがってしまう私にとっては、 うらやましい生き様でした。 物語のイメージをふくらませてくれる絵もすてき。

Posted byブクログ

2011/12/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人生はペンキ塗りだと考えるなら、、 人はさまざまな色を自分自身の壁に塗りつけている。 色は重ねれば重ねるほど黒に近づいていくものだと思っていたが、 そうではない。 ユトリロの白がある。 あたたかさ、さみしさ、かなしみ、うれしさ、さまざまな想いを含んだ白。 それがユトリロの白。 真っ白ではないけれど、白と呼ぶ色。 いろいろなものを見て感じ、愛し愛され、齢を重ねていく。 同じ色は作られない。同じ白はできない。 出久根育さんの絵も味わい深い。

Posted byブクログ

2011/12/18

短編小説に絵をつけたような大人向きの絵本です。 お話の内容と絵が相まって独特な世界が醸し出されます。

Posted byブクログ

2011/11/13

こういう仕事ができるのを才能って言うんだろう。 言葉にとらわれていると見えなくなるものってあるよなあって最近思ってて。 言葉の後ろの自分には知りようのないあれやこれやを わからないなりに「あるんだな」と感じることはできるかなあって。 その「あるんだな」をくみ上げられるっていい...

こういう仕事ができるのを才能って言うんだろう。 言葉にとらわれていると見えなくなるものってあるよなあって最近思ってて。 言葉の後ろの自分には知りようのないあれやこれやを わからないなりに「あるんだな」と感じることはできるかなあって。 その「あるんだな」をくみ上げられるっていいなあ。 (11.11.13) 近い方の図書館 (11.11.13)

Posted byブクログ

2011/10/22

梨木香歩さんが文章を書き、出久根育さんが絵を描いている。 ペンキやのしんやを主人公として、職業の尊さ、夫婦の愛、家族愛、人間の夢を追う気持ち、普通の生活の素晴らしさ…。 あらゆる観点から、読者それぞれが、さまざまな主題を捉えられる、優れた作品で、梨木さんの並外れた才能をあらためて...

梨木香歩さんが文章を書き、出久根育さんが絵を描いている。 ペンキやのしんやを主人公として、職業の尊さ、夫婦の愛、家族愛、人間の夢を追う気持ち、普通の生活の素晴らしさ…。 あらゆる観点から、読者それぞれが、さまざまな主題を捉えられる、優れた作品で、梨木さんの並外れた才能をあらためて認識させられた。 もちろん出久根さんの絵のグレードの高さはいうまでもない。 しんやが描くペンキやの微妙な色合いが、文章で表現される以上に正確に美しく描かれ、素晴らしいのひとこと。 時代を越えて読み継がれていく絵本の一冊だと思う。 もう十年くらい前に初版が出されたようだが、このころの児童文学、特にYAに近い作品を書く作家さん、特に女性作家さんに、素晴らしい才能を持つ方が大量に輩出された時期だったと思う。 梨木さん以外にも、江國香織さん、森絵都さん、角田光代さん、あさのあつこさんなどなど…。 梨木さんもそうだが、これらの方々のほとんどが大人の小説の世界に創作の比重を移されてしまった。 それだけが原因でもないんだろうけど、最近の児童文学に心惹かれるものがほとんどない。 まあ、私が年を取ったってことなんだろうけど…。

Posted byブクログ

2011/07/19

ユトリロの白!かぁ。どんな色なのか実際に見てみたいなあ。 それにしてもこれも大人向けの絵本ですね。

Posted byブクログ

2011/06/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

やさしい絵本。 「生活の場所や道具を生き生きと生まれ変わらせることも」 「街を蘇らせることだって」「可能な」ペンキやさんのお話。 そんなペンキやさんの亡くなったおとうさんもペンキやさん。 おとうさんが街を塗ると「歩いている人の顔つきがね、 とげとげしたところがなくなって、みんなちょっと ほかのひとに親切になる」「すみませんとかありがとうとか どういたしましてとかいうことばがあちこちできかれるようになって、えおがふえるんだ はなうたやくちぶえもね」 仕事ってどうあるべきかが分かる本。

Posted byブクログ

2011/01/25

本を閉じた時の満足感、余韻がたまらなくいとしい絵本です。ユトリロの白。『白』がこんなにも暖かな色だったとは。表紙は少し怖いですが、是非大人の方にも読んでほしいです。

Posted byブクログ

2010/10/18

しんやは塗装店でペンキや見習いとして働いている。 お客の注文の色をつくり出すのがけっこうむずかしく、 注文の通りに塗ったつもりでも、なんだかちがうと言われてしまうことがある。 親方には、 「たとえばブルーグレイと ひとことでいったって そう呼べる色合いは数限りなくある お客様...

しんやは塗装店でペンキや見習いとして働いている。 お客の注文の色をつくり出すのがけっこうむずかしく、 注文の通りに塗ったつもりでも、なんだかちがうと言われてしまうことがある。 親方には、 「たとえばブルーグレイと ひとことでいったって そう呼べる色合いは数限りなくある お客様が本当に好きな色を感じとるのさ 感じとったらそれをペンキで表すんだ」 というのだが・・・。 しんやのおとうさんもペンキやだったが、 おとうさんは、しんやが生まれる前にフランスへ渡り しんやには一度も会わずに向こうで亡くなっている。 おかあさんによれば、おとうさんのお墓は フランスの芝生のきれいな公園の中にあって 「ふせいしゅつのペンキや ここにねむる」 と書いてあるのだそうだ。 おかあさんは、しんやにおとうさんを「発見」したときの話をする。 彼らの出会いは運命的で、そして、彼女は彼の一番の理解者だ。 「おとうさんがフランスに行きたがっていることは 知っていた それで向こうの塗装会社で日本人の塗装屋を ほしがっているって話があったとき 行ってらっしゃいっていったのよ だってあの人の才能を 一番良く知っているのは私なんだからね」 なんという自信だろう。 そして、彼女は子供を身ごもっていることを彼に告げていない。 そのことは後悔はしていないけれど、しんやには悪いことをしたとあやまる。 自分にペンキ塗りの才能がないのではとなやんだしんやは、 おとうさんの墓をたずねに行きたくなり、フランスに渡ることを決意する。 船が渡っている海の青いこと。どこまでもどこまでも青い。 そして、空。 見開きいっぱいの海と空を眺めるしんや。 朝焼けに、夕凪に、夜の海。 見開き一面に海と朝焼け。 文字は、「朝焼け」だけ。 次のページも同様に、「夕凪」だけ。 夜の海の描写は、少し文字が多い。 印象的なのは、「漆黒の闇の中にいろんな色を含んでいる」という表現。 しんやは、この渡航経験で、「色」を吸収していったのだと思う。 ここで表現できる色が増えていったのだろう。 一言で何色と言っても、人によって、それは違う色なのだ。 その言葉が描写するのは単なる色ではなくて、 その人が見た記憶の中のその色なのだから。 ある日の午後、甲板まで這ってきた霧の中で、 しんやは一人の女の人に出会う。 彼女は、しんやにこの船を塗ってくれないかと頼むのだ。 「ユトリロの白で おねがいね」と。 帰りの船でもしんやはその女の人に出会い、 おとうさんが使ったハケを託される。 それで「ユトリロの白」を塗ってくれというのだ。 その後のしんやの人生は? そして、「ユトリロの白」とは? ペンキやでなくとも、人はみな、 自分の人生という名の彩色を施しているのかもしれない。 生きている間に起こる悲しいこともつらいことも、 楽しいことも嬉しいことも、 「すべての色を含んだ色」になっていくのだ。 すべての色を含んだ色は、黒だと思っていだ。 だが、「すべての色を含んだ白」があることを本書を読んではじめて知った。

Posted byブクログ

2009/10/04

この「絵本」は同じ色のグラデーションでみせるシーンがあり その淡い変化がいいなぁと思った。 「不世出のペンキやここに眠る」 その愛をくれた奥さんにとって見ればその人こそが「不世出」なんだ だからそれが見えるのは奥さんだけでいい。

Posted byブクログ