楽毅(1) の商品レビュー
楽毅という中山の将の話。キングダム以前なので、キングダムを読んでいると話が結構つながったりと面白い。
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同作者の「孟嘗君」を読み終えたので、次はこれを読み始めました。 本作は「孟嘗君」と同じ戦国時代の話で、序盤に孟嘗君その人も出てきます。 孟嘗君は作中において、主人公である青年楽毅の心の支えといえるくらいの重要な人物なので、「孟嘗君」を読んでいると感慨もひとしおと思います。 「孟...
同作者の「孟嘗君」を読み終えたので、次はこれを読み始めました。 本作は「孟嘗君」と同じ戦国時代の話で、序盤に孟嘗君その人も出てきます。 孟嘗君は作中において、主人公である青年楽毅の心の支えといえるくらいの重要な人物なので、「孟嘗君」を読んでいると感慨もひとしおと思います。 「孟嘗君」は戦国時代の話のわりに人間ドラマ的な色合いが濃かったのですが、本作はまさに戦国という感じ。 「孟嘗君」も優れた作品であることは間違いないですが、個人的にはこっちのほうがわかりやすくて好きですね。 主人公の楽毅ですが、第1巻ではまだ二十代の青年です。 にもかかわらず、人格がすでに完成されています。 昔の人でそれも名家の生まれなので、当然といえば当然なんですが、二十代にしてすでに人望を集めながらも、決して奢らない。 常に冷静に戦況を見るさまは、とても若者とは思えません。すごいです。 ならば主人公の成長物語はないんじゃないか? そんなふうに思われる方もおられるでしょうが、そんなことはありません。 実は、楽毅は生まれが中山という弱小国で、さらに君主がとんでもないくそやろうなため、自分の身の振り方に悩んでいたのでした。 上司に恵まれなかったというわけですね。 そこで彼は常に自分自身に対して、人が立派に生きるとはどういうことかと問い続けるのです。 ところで、楽毅のほかに、武霊王という登場人物も出てきます。 この人は楽毅の祖国を攻め取ろうとする趙という大国の王。 いわば楽毅の最大の敵なのですが、その強敵っぷりが凄まじい。 そんな少年漫画のような興奮を味わえるのも、この作品の面白いところだと思います。
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見事に生きるとはどのようなことか。キーワードは「臣」と「君」。現代の私たちも、個人事業主でもない限りは、臣か君かのどちらかであると言えるのではないでしょうか。すべての臣へ。すべての君へ。
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楽毅の周囲にいる様々な人物の性格や個性、あるいは人間関係を、自分自身の周りにいる人たちに置き換えて想像しながら読んでしまう。この人と仕事したい、と思わせてくれるような人、ダメダメな上司、刺激し合える友人などなど、いつの世も変わらないなと思う。 私自身、中国史の知識も馴染みも全く...
楽毅の周囲にいる様々な人物の性格や個性、あるいは人間関係を、自分自身の周りにいる人たちに置き換えて想像しながら読んでしまう。この人と仕事したい、と思わせてくれるような人、ダメダメな上司、刺激し合える友人などなど、いつの世も変わらないなと思う。 私自身、中国史の知識も馴染みも全くない状態で読み始めているので、登場人物や国の名前の多さに時々チンプンカンプンになりながら、それでもがんばって読み進めている。
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心の蒙(くら)い部分が啓(ひら)いた。希望や願望の危うさがここにあるのだ。一身の上であれ、権力の上であれ志向を支えるのは欲望だ。欲と望の字は横に位置するのだろう。 http://sessendo.blogspot.jp/2014/06/blog-post_13.html
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中国 戦国時代中期の名将・楽毅の小説。 生き方自体が哲学であり、その言動が彼の生き方そのものを映している。 そんな一本筋の通った潔さ・清々しさに胸を打たれる逸品である。 宮城谷小説には珍しく、物語の冒頭から青年の楽毅が登場する。 序盤の彼は、孫子の兵法を学び、過去の歴史を学ぶ...
中国 戦国時代中期の名将・楽毅の小説。 生き方自体が哲学であり、その言動が彼の生き方そのものを映している。 そんな一本筋の通った潔さ・清々しさに胸を打たれる逸品である。 宮城谷小説には珍しく、物語の冒頭から青年の楽毅が登場する。 序盤の彼は、孫子の兵法を学び、過去の歴史を学ぶ、小国の宰相の子として登場する。暗愚な君主に率いられた中山国でいかに生きるか、悶々と悩む彼の行動にはまだ迷いが多く、正直この時点ではこの小説の魅力に疑問を感じた。 しかし、読み進めるほどに楽毅が成長し、いつしか孫濱兵法を戦場だけでなく外交・内政でも発揮する、実践する哲学者とでも言いたくなる楽毅像が出来上がってくる。 もうこうなると、彼の生き方・進退の鮮やかさ・人間的魅力にただただ魅了されるばかり。 魅了されるばかりではない。組織の№2としての組織への殉じ方、あるいは前線部隊の長としての部下育成のあり方など、今の世でも活かせるような哲理を言動で表している、実に得るところの多い書物である。 面従腹背・朝令暮改の世の中を、「人」に視点を据えて清々しく見事に生き切った楽毅の姿を、ここまで鮮やかに想像した宮城谷氏の筆力に、ただただ感嘆。
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「孟嘗君」からの続きで読み始めた「楽毅」。 最初に孟嘗君が出てきたりするあたり、本を読む順番としてはバッチリだった。 全4巻だけど、どんどん読んでしまいそうだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
学毅は諸葛亮孔明を思わせる軍事の天才ということで三国志を読むような楽しい本でした。久しぶりに楽しみました。第1巻では没落しつつある中山国と趙の争い、小国中山軍を率いて立てこもる砦。第2巻では天下を目指す趙の英雄・武霊王の活躍と中山国の滅亡へ、戦国4君である孟掌君に続き趙の平原君の登場。第3巻では恐ろしい予言と、その成就へ向けた緊張感。そして新たな楽毅への出発への動き。
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かれこれ10年ぶりくらいに読む歴史長編~。 氏の沢山の著作のなかで、どれから読むかとても迷いました。 楽毅といえば三国志の孔明のアイドルであったということしか知らなかったので まずはこれから。 滅びゆく小国、中山国の宰相の嫡子であった楽毅の人生は 冒頭から不安に充ちていますが、ま...
かれこれ10年ぶりくらいに読む歴史長編~。 氏の沢山の著作のなかで、どれから読むかとても迷いました。 楽毅といえば三国志の孔明のアイドルであったということしか知らなかったので まずはこれから。 滅びゆく小国、中山国の宰相の嫡子であった楽毅の人生は 冒頭から不安に充ちていますが、まれにみる天分の才とひらかれた思考、 孟嘗君やさまざまの人物との出会いなどから翼を得て、気を穿いていく― 生き延びることすら難しいような戦国時代のなかでおのれの生きざまを貫いていく登場人物たちがすごく魅力的です。それも孟嘗君といい楽毅といい、信念は貫きながらも仕える国は変わったりしていくので柔剛を併せもち、亡国や愚王に殉じたりはしないのがとても現代的な感覚も感じます。 最終巻で一気に才覚が飛翔するかのような、さいごまで息をつかせぬ展開なのですが、 後書きで著者がとても長期連載で、いつ書き始めたのかわすれたと仰っているので意外な気がしました。 宮城谷作品といえば、漢字の遣いかたが独特で、とても古い字がでてきたりと細部まで心が配られています。白川静先生の辞書をめくったりしながら楽しみました。 他作品もぜひ読みたいと思います。
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人が見事に生きるとはどういうことか― 小生初の宮城谷作品。三国時代の諸葛孔明が自らを管仲・楽毅になぞらえていた、という話を聞いて拝読。 清々しく颯爽とした楽毅の生き方に感じ入り、通読することふた度。洗練された戦闘描写に釘づけ。それにしても、逆恨みのなんと醜く愚かで恐ろしいことか。
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