太公望(上) の商品レビュー
「生きるということは…
「生きるということは、すべて途中である」。この本の中で一番好きな言葉です。商王の放った炎の矢によって、わずかな幼子をのぞいてすべてを失った望。その胸に宿した激烈な誓い-「商王を殺す」。それは、あまりに過酷な望み。しかし、生きることは目的達成までの途中が大切なのであり、願望や目的の...
「生きるということは、すべて途中である」。この本の中で一番好きな言葉です。商王の放った炎の矢によって、わずかな幼子をのぞいてすべてを失った望。その胸に宿した激烈な誓い-「商王を殺す」。それは、あまりに過酷な望み。しかし、生きることは目的達成までの途中が大切なのであり、願望や目的の向こうに何かを見て生きてゆかなければならないと気づいてから、望の眼光に鋭さが加わります。望とは、のちの太公望。周の文王に見出され、商周革命を成功へと導く周の名軍師です。この上巻では、まだ周は出てきませんが、鬼公、土公、箕子といった
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太公望の生い立ちが分…
太公望の生い立ちが分かります。中国古代の戦い、漢字が出来てきたのが呪詛からだというのが驚きでした。はまります。上巻を読んだら次は中巻です。
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幼い時に民族を滅ぼさ…
幼い時に民族を滅ぼされた主人公、望。その復讐を誓い、生き残った少年たちと繰り広げるドラマが描かれている。これはオススメの一冊。
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太公望というとファン…
太公望というとファンタジーっぽい作風が多いですが、これは普通(?)の人間しかでてきません。史実に基づいた小説です。
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伝説の(?)名君、周…
伝説の(?)名君、周の太公望。日本はまだ縄文時代だった時の話だから、史実からは離れているのかもしれないが、普通の物語としてでも十分面白かった。
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しかし甲骨文字しかな…
しかし甲骨文字しかなかった時代から想像して書いたという著者はスーパーマンなのでは。
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三国志や春秋戦国時代をさらに遡り、時代は殷。暴君紂王が悪虐の限りを尽くし、天も人も新たな風を求めた世において、後世にも不滅の光芒をはなつ人物があらわれる。王朝の殺戮から逃れた羌族の少年、太公望がそのひとである。 中国史においては、三国時代や春秋戦国時代が有名で多くの書物やゲーム...
三国志や春秋戦国時代をさらに遡り、時代は殷。暴君紂王が悪虐の限りを尽くし、天も人も新たな風を求めた世において、後世にも不滅の光芒をはなつ人物があらわれる。王朝の殺戮から逃れた羌族の少年、太公望がそのひとである。 中国史においては、三国時代や春秋戦国時代が有名で多くの書物やゲームでも題材にされているように思います。実際、私もこれらの時代はいろんな媒体を通じて楽しませてもらっているところですが、私にとってのはじめての中国史は藤崎竜氏の漫画「封神演技」でした。基本はバトルものですが、緻密な構成にギャグ要素もあり、週刊誌に掲載されていたこともあって、子供だった当時は毎週ワクワクしながら読んでいた覚えがあります。主人公の太公望は、策士として時には汚い手も使いますが、とても魅力たっぷり。私にとって太公望とは、この漫画のイメージが強くあるのですが、宮城谷昌光が描く太公望も、これまた素敵な人物。族長として、軍師として、様々な立場で人を導いていく太公望。彼が投げかける言葉はときに物語を飛び越えて、読者の心をうつことがあります。宮城谷昌光の特徴なのかもしれませんが、本書では太公望に限らず、多くの信念を持った人物が登場し、彼ら彼女らの言葉にとても心を揺さぶられました。信念を持って、苦難に立ち向かいながらも正しいことを行うことの大切さを勉強させられました。 個人的に感じている宮城谷昌光のもう一つの特徴は、終盤が尻窄み傾向にあること。本書でもその印象があり、それまでの盛り上げが素晴らしかっただけあり、牧野の戦いも含めた終盤は、もっと膨らませて欲しかったなぁというのが率直な思い。 とはいえ、非常に楽しめた全3巻。引き続き宮城谷昌光の中国史を読んでいこう。
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匡救する(きょうきゅう)- ただしすくう。 紊乱を匡す。 匹夫な男に嫁すものが 輿望があるもの、尊崇されているもの 謙譲の中に剛毅がある人間。
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太公望の青年時代を書いた上巻。商に父と一族を殺され復讐を誓う。父の遺言に従い生き残った子供達5人と狐竹へ向かう途中で馬羌族や鬼方、土方などに助けられたり時には騙されたりし目的地を目指す。その後商王の一族と思われる老人から剣と文字を伝授される。自然や人をよく観察する事で兵法の原型を...
太公望の青年時代を書いた上巻。商に父と一族を殺され復讐を誓う。父の遺言に従い生き残った子供達5人と狐竹へ向かう途中で馬羌族や鬼方、土方などに助けられたり時には騙されたりし目的地を目指す。その後商王の一族と思われる老人から剣と文字を伝授される。自然や人をよく観察する事で兵法の原型を少しずつ現してゆく。
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※このレビューにはネタバレを含みます
のちに「太公望」と呼ばれることなる主人公「望」は羌族の族長の息子として生を受けます。 殷王朝の宗教的儀式の狩りの対象とされ、しかし平和なときは短く、少年とも言える年齢で同じ族の小さな子供5人を連れて襲撃を受けた自分の村から逃げ出すところから物語は始まります。 中国で商(殷)王朝の末期のこの物語は、「望」に様々な試練を与え、成長する様が描かれています。その過程での考え方・物事の捉え方はとても考えさせられます。またそこに魅力を感じずにはいられません。「天」「地」「人」のありかた、「信念」「父母への情と接する思い」「友人とは」・・・とにかく様々なことを自分に置き換え考える。そしてその中で「望」という人物に惹かれてしまう。 読み進める程に「人とはかくありたい」と思えてくる、中国史でありながら自己啓発本の要素も併せ持つ1冊です。
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