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山尾悠子作品集成 の商品レビュー

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15件のお客様レビュー

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2009/10/04

二十年の眠りから目覚める幻の傑作群。 “伝説の作家”山尾悠子が残した幻想文学の極北ともいうべき32篇の小説を一巻に集大成。 ずっと読んでみたかった《夢の棲む街》 硬くて軟らかく、そして深い幻想的な世界を描ける日本人作家は多くはないと思う。脆くも優しくもあるけれど、不思議なベ...

二十年の眠りから目覚める幻の傑作群。 “伝説の作家”山尾悠子が残した幻想文学の極北ともいうべき32篇の小説を一巻に集大成。 ずっと読んでみたかった《夢の棲む街》 硬くて軟らかく、そして深い幻想的な世界を描ける日本人作家は多くはないと思う。脆くも優しくもあるけれど、不思議なベールに包まれた硬さのある軟らかさというのはこういう文を言うんじゃないだろうか、と思ってしまった。そしてそれに加えて思ったことは、文章の持つ力の凄さというのはここにあるのではないかと思う。イメージを言葉に。そしてその言葉をイメージに。繰り返して読むほどに鮮明に、そしてその言葉により近付いて行くあの感触。 現実の存在を揺るがしてしまえるほどの言葉の力をあたしは今まで知らなかったし、山尾悠子という作家に出会わなければ出会うことさえもなかったのだろう、と思う。 重たい。集成という重みがじっくりとこちらへ語りかけているように思う。 ああ、にしても、 川上弘美が書評で「私などこの半分も書けない」と書いていたことがとても衝撃でした。 読む人それぞれに色々な思いがあるけれど、じっくりと一つ一つを噛み締めて読んで行きたいな、と思いました。 (2009.01.23)

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2009/10/07

二十年の眠りから目覚める幻の傑作群。“伝説の作家”山尾悠子が残した幻想文学の極北ともいうべき32篇の小説を一巻に集大成。

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2009/10/04

ずっしりと重い。ただそれだけのことで涙が出そうになる。なぜなら山尾悠子の作品集だからだ。ファンとしては、寡作であることは確かに心寂しい。しかし実際に作品を読むと納得せざるを得ない。「これだけの水準のものを、ホイホイ書けるわきゃあないよなぁ」そう思うと、「集成」のこの重みに感動して...

ずっしりと重い。ただそれだけのことで涙が出そうになる。なぜなら山尾悠子の作品集だからだ。ファンとしては、寡作であることは確かに心寂しい。しかし実際に作品を読むと納得せざるを得ない。「これだけの水準のものを、ホイホイ書けるわきゃあないよなぁ」そう思うと、「集成」のこの重みに感動してしまう。勿体なくて一気に読めるわけがない。ひとつひとつのイマージュを、じっくりと味わって読みたい。「夢の棲む街」だって何度も読み返したことがあるけれど、もう一度、ゆっくりと読んでみたい。「読む」ことの快楽、「読む」ことが受動でなく、「読む」ことによってアタマの中になにものかが生まれてくる。山尾悠子の作品は、「etwasを棲まわせる書物」だ。

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2009/10/04

ぼちぼち読んでいることは読んでいるんですが、何せ、ず〜っと同じトーンのものを読んでいると食傷気味になるっちゃぁなる。

Posted byブクログ

2009/10/04

豊潤なイメージ、というよりは潤沢なイメージの奔流と言いたい。山尾悠子にはさんずいの形容詞がよく似合う。どの話も流れるような液体のイメージ。 私のお気に入りは「夢の棲む街」「ムーンゲイト」「遠近法」「黒金」「破壊王」

Posted byブクログ