ハツカネズミと人間 の商品レビュー
思っていた以上のおもしろさでした。 主人公の二人組のキャラが立っていて、どちらも好感が持てました。 しかし、最後はせつなく悲しかったです。 いつこうなるとは予感していましたが、それが現実になるのが辛かったです。
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夢を語る時ですら絶対に叶わないだろうなと思わせる不幸フラグが立っていて落ち着かせず、短いながらも人物それぞれに愛着が湧くからこそ哀しさだけが残る。責任能力と悪意について考えさせられる。誰も悪くないのかも知れない、ただ一切は時の巡り合わせ。
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夢と現実 生きるとは 人との繋がりとは 孤独とは 友情とは ものすっごく短いお話なのにいろんな事を教わりました。 戯曲用に書かれた作品らしく、リズムよく、間延び感もなく読みやすい。 読書初心者にもおすすめできる名作。
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ジョージとレニー。 「そして、土地のくれるいちばんいいものを食って、暮らす」 レニーだけでなく、キャンディ老人と黒人の厩番クルックスのように、弱いもの、差別され虐げられているものが、ジョージの話を聞いて、頭の中で自分たちの楽園を思い浮かべ、一時、それぞれが幸せな気持ちになる。 ...
ジョージとレニー。 「そして、土地のくれるいちばんいいものを食って、暮らす」 レニーだけでなく、キャンディ老人と黒人の厩番クルックスのように、弱いもの、差別され虐げられているものが、ジョージの話を聞いて、頭の中で自分たちの楽園を思い浮かべ、一時、それぞれが幸せな気持ちになる。 自分が有名になる夢を果たせなかったカーリーの妻も同じように虐げられた人なのだろう。 ジョージやスリムたちが酒を飲みに出かけた晩、残された4人のクルックスの小屋での場面が印象的。
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あー、アメリカ文学ってやっぱりこうだな、暗いな、、、と読後にまず思った。 学校ではいろいろ習ったが、実際の私は、フォークナーもスタインベックも読んだことがなかった。 ヘミングウェイ、ジョンアーヴィング、アップダイク、サリンジャー、このへんでもうギブアップしてきたわけ。※トウェイ...
あー、アメリカ文学ってやっぱりこうだな、暗いな、、、と読後にまず思った。 学校ではいろいろ習ったが、実際の私は、フォークナーもスタインベックも読んだことがなかった。 ヘミングウェイ、ジョンアーヴィング、アップダイク、サリンジャー、このへんでもうギブアップしてきたわけ。※トウェインは大好き。 自分の親世代には当然のラインナップたる、スタインベックもそろそろ挑戦してみるか、と思ったものの、あまり気力もないので、図書館でみた一番短いものを選んだ。それが本書。 狭い空間で、雇われ農作業者として生きる男たちの話。 ジョージとレニーは、なぜか私の中では、セサミストリートのバートたちのイメージです。 手首から先のない老人キャンディの老犬のシーンと、本好き黒人クルックスの独白、一人で本を読むより仲間がある方がずっといい、が印象的。 スリムさん、人望もあるし、有能すぎるんだけど、このひとの心の闇(もしあるならかなり深そう)は、大丈夫なのか、と思った。 ジョージの側に感情移入してしまうね。つらい。 ジョージの口から語られる、レニーの夢。美しく儚い。 レニーの頭からクララおばさんが出た、ウサギが出た、のシーンから終盤にかけての迫力がすごかった。 タイトルは、ウサギと人間ではないのね。聖書の一節だとか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・き、きつい ・夢を語るシーンがすごく素敵でワクワクさせられる、そして残酷 ・レニーが幸せに生きるためにはどうすればよかったんだろう ・ジョージはどんな気持ちで引き金を引いたのか? レニーがいなければ
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希望を語るとき、信じて聞いてくれる誰かがいれば、夢物語も現実の延長に思えるものだ。頭が鈍く、純真なレニーは秘密を打ち明け、夢を語るにふさわしい。 季節労働者のジョージはレニーの面倒を見ながら、各地を転々としている。レニーとは対照的にジョージは警戒心が強く、頭も切れる。季節労...
希望を語るとき、信じて聞いてくれる誰かがいれば、夢物語も現実の延長に思えるものだ。頭が鈍く、純真なレニーは秘密を打ち明け、夢を語るにふさわしい。 季節労働者のジョージはレニーの面倒を見ながら、各地を転々としている。レニーとは対照的にジョージは警戒心が強く、頭も切れる。季節労働者は町を転々とし、その日暮らしをする。家族もなく、住む土地も、望みもない。だけど、ジョージとレニーは「おらたちゃそんなじゃねぇ」「おらにはおめぇがついてるし、おめぇにゃおらがついていて、たがいに世話をしあうから」、ほかの季節労働者とは違うのだ。 彼らには夢がある。小さな土地を買って、牛と豚とウサギを飼う。その土地のくれる一番いいものを食べて暮らすのだ。冬はストーブにあたり、雨の音を聞いてやすんだり、友人を泊めたり、サーカスを見に行ったりする。他人のために十一時間も大麦袋を運んだりする必要はない。ささやかでも自由で楽しい生活を夢見ている。希望は生きる望みで、誇りでもある。 希望を失ったらどうなるか、夢と現実は違うと認めざるを得ないときが来たらどうなるかというのが本書のテーマである。これは例えば、才能の有無と将来の進路を天秤にかけて悩むような夢の話ではない。どちらかといえば、獄中において、外に出られる日を夢見られるかというような話である。 現実は人間を打ちのめす。だが、希望は運命によって捨てざるを得ないものなどではない。希望を捨てるのは結局自分自身なのだ。厳しい環境に置かれた労働者でさえも、希望を持つか、捨てるかは自分で決めることだ。 かつて希望を持ち、そしてそれを捨てた人間を、スタインベックはやさしい哀れみをもって描いたと思う。自分の心の中の花畑を大切にしよう。一度枯れても、また咲く日もくるだろう。
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小説のお手本のような作品。地の文がト書き、会話のテンポがよく、3幕ものの舞台を見ているようであった。構成もよく、キャラが立っている。 ラストの衝撃的なシーンは予想できなくもなが、時代背景を考えると、悲哀を感じ、人間とは、と感慨深くなる。
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前半はのんびりとしたところがあるが後半に向けての加速していく展開は面白い。 とっつきにくいところもあったが、読んでよかったと思えた作品
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