新興宗教オモイデ教 の商品レビュー
中間とゾンの演じる「自分BOX」、 ふたりの造詣が最高に面白かった。 作中のほとんどは中間の語りであり、ゾンへの想いがバックに流れている。 それに比べたら黒幕であるはずのトー・コンエがいかにも小物。 寂しさを残す幕引きだった。 かなりの傑作。
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初読は高校の頃買ったハードカバー版。刊行を報せる新聞の広告欄にあった〈オドロオドロしくも、青春〉の文字は未だ鮮明に憶えている。読後感が強烈すぎて以後なかなか再読できずにいたが、このたび文庫版を古本で購入し20年ぶりの再読。当時は存在すら知らなかったカンについても触れていて、その後我が音楽観を一変させることになる最重要バンドをどうして忘れていたのかと後悔すること頻り。京極の『姑獲鳥の夏』を初めて読み終えたときにも似たような読後感を味わったけれど、改めて読むとその感覚は薄れてしまう。思春期故の特権なのだな。
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九十年代のカルト文学 これでもかってくらいサブカルチャー文学に影響を受けてる。 いま、 一周回ってこういうのが また流行り始めたから 読んだら圧倒されるよ
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あーれー。 第一章はやたら面白いのに。 これじゃ超能力バトルじゃない? 20年以上前に書かれた本なので、今読むと新興宗教はマジで何かあるかも、という期待感は薄れている。 新興宗教にハマる人の可笑しさと哀しさが読めるのかと思ったんデスヨ。
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厨ニ心をフル活動させてくれる嬉しい本 他人の心を操り壊す力に新興宗教。このキーワードだけでも胸が高鳴りますね。永井豪や石ノ森章太郎の漫画を読むときのワクワク感を小説で!という感じ。
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くるぐる使いから。ほんと狂っているなあと思う。読んでるうちにこれ以上読むと気が病みそうだと尻込む自分がいて、でも面白過ぎるからページを捲ってしまう。終わった頃にはそのトンデモ世界を受け入れてる、みたいなすごい魅力をもった話だった。そして、くるぐる使いもだったけど、言い得ぬ独特の哀...
くるぐる使いから。ほんと狂っているなあと思う。読んでるうちにこれ以上読むと気が病みそうだと尻込む自分がいて、でも面白過ぎるからページを捲ってしまう。終わった頃にはそのトンデモ世界を受け入れてる、みたいなすごい魅力をもった話だった。そして、くるぐる使いもだったけど、言い得ぬ独特の哀愁が静かに起こってきたりもして。久しぶりに読書に興奮を覚えた。人に薦めたくなる一冊です。
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3~4年前に一度読んでいるけど再読。年月を経ているので当たり前かもしれないですが、当時とはかなり違った視点で読めました。 中間とゾンのキャラクターがひときわ立っているなあという印象は今も変わりませんでした。でも、改めて読んでみるとゾンには当時ほど魅力を感じなくなっていたかな。 彼は憧れとか畏怖の念を詰め込んで描かれた、作者がこの話の中で一番といっていいぐらい入れ込んでいるキャラクターなんだろうな、というのはすごくよく分かるし、実際にそういった思い入れはうまい具合に反映されているから十分に魅力的ではあるのだけど、男に性的暴力を受けて精神崩壊に至ったという経緯はちょっと底が浅いかなと(尤も、この点については中間も一度「ゾンはやっぱりただの芋虫だったんや」と言及しているけど)。 中間に対して情を持ってしまったあたりはなんとなく頷けるんだけど、メグマの力を欲したことに関しては、結局自分を駄目にした人間たちに復讐したかっただけだったんだな、なんかみみっちいな、もし火炎瓶が爆発したとしてもこの人本当に孵化できたのかな、としか思えなかったので、彼には底の知れない狂人として最後まで突っ走ってほしかったです。 それをやるとジローが形無しになってしまうんだろうけど…。 その点、中間は一貫して頭のおかしい人なので読んでいて清々しかったです。 対象(特に人間)を盲目的に理想化すること、それを裏切られたときに自分勝手な喪失感を抱くことって誰でも経験することであって、今回はその思い出を抉られて苦しいような懐かしいような気持ちで読了しました。 グロテスクな表現で彩られてはいるけれど、そのフィルターを除けば、青臭さ全開の主人公に感情移入できる人はわりと多いんじゃないでしょうか。 あと、映画化したらサブカルに目覚めたばかりの高校生あたりに結構ウケそうな気がします。少なくとも私は面白半分に見に行くと思う。
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読みながら寝てしまって悪夢を見た 大槻ケンヂの本はこの本のように、バンドバンドしていない方が面白いと思います
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著者の他の作品のように、青春系のリビドーが詰まった作品と期待して読んだら、ちょっと違ったって感じてしまう作品。ラストの後味の悪さは好き。
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オモイデ教、メグマ波、ホン・ラガトエー、バナマシワッラ法…等々奇妙な単語や常人にはちょっと理解しがたい電波な人達がわんさか出てくる不思議な青春?小説でした。 人死にまくりなうえに死に様もなかなかショッキング、登場人物の中間やゾンの過去のエピソードも結構重いんですが、オーケンさんの...
オモイデ教、メグマ波、ホン・ラガトエー、バナマシワッラ法…等々奇妙な単語や常人にはちょっと理解しがたい電波な人達がわんさか出てくる不思議な青春?小説でした。 人死にまくりなうえに死に様もなかなかショッキング、登場人物の中間やゾンの過去のエピソードも結構重いんですが、オーケンさんの文章があっさりしていて全体的にノリが軽く語り口も軽妙なのでどこか爽やかさまで感じさせられます。不思議です。 何でもないことのようにさらっととんでもない事を言ってきます。でもそのアンバランスさが癖になります。 ゾンのキャラクターが凄く良かったのでもうちょっと長く見ていたかったな…。残念 最後、ジローとトー・コンエのやり取り、教祖様の皮が剥がれたトー様が本当にしょぼくて哀れでした。 あんなおっさんに良いようにされているなつみさんが気の毒で、そんな事実をあんなおっさんに聞かされるジローも気の毒。青春苦すぎる… ハッピーエンドとは言えない、なんだか悲しいラストでした。もうちょっと痛快な気分になれる話なのかな、と思っていましたが、このラスト私は好きです。面白かった。
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