安土往還記 十二の肖像画による十二の物語 十二の風景画への十二の旅 の商品レビュー
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「安土往還記」-日本へ宣教師を送り届けた外国船員の眼を通して描かれる信長像が異彩を放つ。人間信長に肉迫した造型は秋山駿の「信長」とともに双璧の好著だろう。 「十二の肖像画による十二の物語」と「十二の風景画への十二の旅」は、それぞれルネサンスヨーロッパの肖像画と風景画を素材に、著者の想像力を存分に羽ばたかせた掌編集だが、人間の背後に隠れた悪徳、弱点に向けられた作者の視点から紡がれたイマージュ群の「肖像画」もおもしろいが、それぞれの風景画に、表層的には存在し得ない情念の物語を見出し仮構してゆく架空の旅が、それぞれ絵と饗応して静謐さを称えているといった趣において「風景画」のほうに完成度をみる。
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