密閉教室 の商品レビュー
いまいち…好きじゃないし特におもしろくもなかった。 登場人物にもトリックにも話の流れにも魅力を感じなかった。 ミステリとしてはよくできてるんだろう(?)けど、うーん。
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『森博嗣のミステリィ工作室』によると、「力作で、トリッキィな意欲作ですが、いろいろなものが入り過ぎていて、僅かにバランスを崩しているような気がします」とのこと。 確かに犯人と動機に関しては、ちょっと意外すぎる気もしました。 奇妙な殺人現場をつくった理由には納得!
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「密閉教室」 早朝の教室で、中町圭介は死んでいた。コピーの遺書が残り、窓もドアも閉ざしてある。しかも、教室にあるべきものすべてが消えていた。級友工藤順也がその死の謎に迫るとき、次々現れた驚愕すべき真相とは? 新本格の創始者とも言える島田荘司氏の登場以降、本格派には、「1.トリ...
「密閉教室」 早朝の教室で、中町圭介は死んでいた。コピーの遺書が残り、窓もドアも閉ざしてある。しかも、教室にあるべきものすべてが消えていた。級友工藤順也がその死の謎に迫るとき、次々現れた驚愕すべき真相とは? 新本格の創始者とも言える島田荘司氏の登場以降、本格派には、「1.トリック優先の創作姿勢+2.文章や登場人物などの未熟さ=故に、小説として未熟である」という批判が続きました(現在でもあるのだろうか)。 そんな論拠が渦巻く中、新本格派に続いたのが法月綸太郎氏です。本作の初稿が書かれたのは、京都大学在学中とのことらしいから、随分若い頃に頭角を現したということ。こりゃ凄い。以降、彼は、綾辻行人氏、歌野昌午氏、我孫子武丸氏らと共に新本格推理小説を引っ張っていきます。 本作「密閉教室」も多くの例に漏れず、批判派が喰いつく箇所があったようです。しかし、新保博久氏(「解説」担当)は、比較的好感を持ったよう。だからではありませんが、私も好感を持ちました。 確かに、「登場人物の造型が甘い」と言われればそんな気もします。教師達は、それぞれ思惑があるはずが、全てネロ(新聞部顧問)一人に象徴されてしまっていて、それ以外の教師達が持つ個性や背景は覗けないし、ハードボイルド探偵である工藤を始めとする高校生達もやや現実離れ且つミステリアス (現実離れすぎるというのは、造型が甘いからこそ、ありえないことを含み過ぎている、ということなのでしょうか。私としては、小説“フィクション”なのだから、現実度はある程度持っていればいいし、「そこを批判するのは、しても最後の手段で、真っ先に鬼の首取ったごとく言うのは“WHY”だw」と思っています) でもあります。しかし、ハードボイルド気取りにしても、黒幕的高校生にしても、やたら哲学思想を養っている男子にしても、現実の高校生に内在するある種の個性や性格を誇張して、存在感を持たせているので、さほど「登場人物の造型の甘さ」を感じません。女子生徒2人は、重要な役割をしている割には、背景や人物像が見えな過ぎるけどw 故に、“そんな気”止まり。そもそも甘い云々が出てくる領域とは、別の切り口な気がします。 また、「トリック優先の創作姿勢」にはなんとも。私は、「トリックをふんだんに盛り込んだ処女作だな」と思いましたし、「推理小説には、トリックだな」と常々思っている人間なので、嬉しいことこの上なし。 そもそも「トリックを優先し過ぎて、登場人物や文章が甘くなる」というのが、批判派の論理だろうから、肝は「文章や登場人物などの未熟さ」のはず。となると、この肝がしっかりしていれば、トリック優先云々は、問題にならないのだろうとも思っているわけでw ということで、総括すると楽しめました。最後の自分が自分に辟易するのは、良いです。 ちなみに、法月氏は「クイーンの作風を継ぐ者がいないから仕方なく自分が書いている」と言ったこともあるほどのエラリー・クイーンマニア。故に、本作の次に発表された「雪密室」以降から、もう一人の法月氏が登場します。
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ころころ犯人(と思わしき人物)が変わっていくのは面白い。 大掛かりなトリックも好きなので、芝居かかった人物のセリフ回しが耐えられればきっともっと面白かった。
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【雑感】 全体的な雰囲気やトリック、結末に至るまで、良い意味でも悪い意味でも「古臭さ」が漂う物語だった。日本語吹き替えの洋画みたいなノリは嫌いじゃないけど、勢いで読めるほどの吸引力はなし。 【キーワード】 本当の言葉、洋画の字幕みたいな口の利き方、絶望的な言葉、ジャメ・ヴュ、大...
【雑感】 全体的な雰囲気やトリック、結末に至るまで、良い意味でも悪い意味でも「古臭さ」が漂う物語だった。日本語吹き替えの洋画みたいなノリは嫌いじゃないけど、勢いで読めるほどの吸引力はなし。 【キーワード】 本当の言葉、洋画の字幕みたいな口の利き方、絶望的な言葉、ジャメ・ヴュ、大男の溺死体、エスケイプ、飛雲館事件、事件の本筋、エントロピーの法則、決定的証拠、積極的かつ魔術的な行為、秘密貯蔵庫、賢き友、正真正銘の気ちがい、スケープ・ゴート、ちぐはぐな結末 【主要人物】 工藤順也、大神龍彦、森警部
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アラを探し始めたらキリがないほど荒削りな処女作。でも面白かった! 寄せては返す波のように解き明かされる謎の構成がよくできているし、なにより高校生という主人公達が良い。 もちろん良く言われるようにキャラは被りまくりで、読んでいると誰が喋っているのか分からなくなりそうなのだけど、それ...
アラを探し始めたらキリがないほど荒削りな処女作。でも面白かった! 寄せては返す波のように解き明かされる謎の構成がよくできているし、なにより高校生という主人公達が良い。 もちろん良く言われるようにキャラは被りまくりで、読んでいると誰が喋っているのか分からなくなりそうなのだけど、それをさっ引いても後に残る印象は爽やかだ(結末は後味悪い感じだけど)。 いろいろと分からないこともあるのだけど、完全版が出ているようなのでそちらでフォローされていることを祈って古本屋を探すことにしよう。 ところで本格といえば謎が積み重なって飽和状態になった所で、探偵が登場人物を一同に集め謎解きを大々的に披露するというのが定石なのだけど、これはちょっと変わった構成になっている。 さっきも書いた通り、謎が一つ一つ解けていってそれが積み重なって結末に導かれるのだ。 つまり読者は最後まで全体を見通すことができなくて、謎解きができない。 最後の最後まで気が抜けないのだ。これは私の中で結構新しかった。こういう道筋もあるのねーといった感じ。 最終局面でどんでん返しがいくつか用意されているのも、クライマックスにふさわしく美しい。 なんとなく法月綸太郎が一番伸び伸び書いたのが、この作品なのじゃないかという印象を受けた。 それから綾辻もそうだけど、「生理だから普通の精神状態じゃないのよ」というのは、止めて欲しい。
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学校を舞台にしているのにスケールが大きくておもしろかった。 もくじのならびに何かヒントがあるのかとかなり疑って読んでいたけど、気付けなかった。というか、なにもないのかもしれない。 ラストの部分は、この小説を(もしくは告発の手紙を)読んだ笙子からの返信なのだろうか。 だとすると、こ...
学校を舞台にしているのにスケールが大きくておもしろかった。 もくじのならびに何かヒントがあるのかとかなり疑って読んでいたけど、気付けなかった。というか、なにもないのかもしれない。 ラストの部分は、この小説を(もしくは告発の手紙を)読んだ笙子からの返信なのだろうか。 だとすると、このお話自体が解決していないのかもしれない。 これが、クイーンの後期的問題かな。間違っているかもしれないけど。実は信子がにやりと笑っていたら怖い。
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朝登校すると、密室の状況に仕立てられた教室に男子高校生の死体が。さらに教室からはすべての机と椅子が運び去られていた。推理小説マニアの男子高校生が謎解きに挑む学園ミステリー。 *** 意外な方向へ話が進んでいくところは新鮮味があったけれど、説得力があるか怪しい状況証拠にもとづいて、...
朝登校すると、密室の状況に仕立てられた教室に男子高校生の死体が。さらに教室からはすべての机と椅子が運び去られていた。推理小説マニアの男子高校生が謎解きに挑む学園ミステリー。 *** 意外な方向へ話が進んでいくところは新鮮味があったけれど、説得力があるか怪しい状況証拠にもとづいて、あれこれ推測している終盤は消化不良な感じが残って、読み終えてすっきりせず。トリック自体も後日気づかれやすいと思うんだけど。 本筋とは関係ないが、最後のページの「お前の正体なのだ」の一文は、自分に言われているようで一瞬ヒヤッとした。
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なかなか面白いナリ。 この作家の特徴なのか、難しい言葉や言い回しが良く出てくるナリ。 あと、最後の最後まで目が話せないナリ。
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出てくる高校生全ての口調が高校生ではない。かといって大人でもなく、やたら難解な熟語や例え話(例:発情したモリアオガエルのように~)が会話にぽんぽん出てくるミステリ。ええ本格ミステリなんです。面白かったけど口調にいちいちイラつく。
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