CIA桂離宮作戦 の商品レビュー
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アメリカ側の言っていることを信頼する、話に乗るというのは当時の日本政府にとって至極当たり前の対応だったと思う。この作品では、その信頼を逆手にとったアメリカ側が日本側をハメようとしていたことがどんでん返しの肝となっている。そして、その事実を知った日本側ではアメリカ側を盲信せず、ソ連(当時)とも手を結ばない「日本」軸での判断の必要性が語られる。 現在、徳間書店の「トクマの特選!」で多島作品が「先進性」という軸で再評価されようとしている。東西冷戦の真っ只中だった当時、この手の話は「ソ連の計画は事実で、日本とアメリカのエージェントが協力して潰したから現実にならなかった」という筋立てで書く作家さんが多かったと思う。しかし、多島はそうしなかった。それどころか、上記のどんでん返しを物語に組み込んでみせた。 『クリスマス黙示録』のマライ・メントラインさんによる解説を読むことで得られた視点から再読すると、この着想も多島の先見の明を示すものだと感じた。なので、この作品は復刊されれば「多島斗志之裏ベスト」の要になりうると思う。
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前半でメインプロットが終わってしまい、ちょっと緊張感が続かなかったが、ラストのどんでん返しの切れ味は素晴らしかった!さすが。
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極寒の地シベリアを肥沃な土地に改変するソ連の気象改造計画。 情報を察知したCIAは日本の内閣情報調査室とともに ソ連国家計画委員会議長を来日中に誘拐し訊問する作戦を立てる。 作戦は京都の桂離宮において決行されるが…。 もともとノベルズで刊行された作品なので官能場面が無...
極寒の地シベリアを肥沃な土地に改変するソ連の気象改造計画。 情報を察知したCIAは日本の内閣情報調査室とともに ソ連国家計画委員会議長を来日中に誘拐し訊問する作戦を立てる。 作戦は京都の桂離宮において決行されるが…。 もともとノベルズで刊行された作品なので官能場面が無理に挿入されていたり 枚数の制約もあってか人物描写、会話に膨らみが無いのがなんとも惜しい。 複雑な人間関係がからみ、予想外の事態に二転三転する作戦実行のくだりは 分量に余裕があればもっとスリリングだったんじゃないかな。 それでも作者は手を尽くしており冒頭でぶちかます 気象改造計画の大ハッタリ(ほとんどSFだね)、 最後の最後に見事に決まる大技はミステリーを読む醍醐味を感じさせる。 多島斗志之はサスペンスアクション仕立ての「クリスマス黙示録」は 読んだことあるけどこちらは全編が頭脳戦。 仕掛けが大きいだけに最後の一撃が効いてくる。
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