1,800円以上の注文で送料無料

時間衝突 の商品レビュー

3.4

19件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

一次元であるはずの時…

一次元であるはずの時間がもし二次元的存在だったら、というアイデアを発展させた小説です。時間の流れやストーリー自体が錯綜していますが、小説自体が破綻しないのはさすがです。ラストが尻切れトンボなのがちょっと残念ですが、SF好きだったらぜひ読むべし。

文庫OFF

地球に二つの時間が流…

地球に二つの時間が流れ、一方は過去から未来へ、もう一方は未来から過去へ、やがてはそれが衝突し互いの文明が滅亡する危機に直面してしまう。時間に関する考察は読むのに難渋しました・・。それから、当時のアメリカ社会の人種差別に言及する作者の考えが盛り込まれていた。

文庫OFF

2023/01/25

ハチャメチャなアイデアで知られるキング・オブ・バカSF、バリントン・J・ベイリーの初期の長編。時間が広大な非時間の中で生じる、局所的な現象というコアのアイデアは、今読むとわりとすんなり受け入れられる感じがする。スペオペとして読んでも、魅力的とまでは言わないが、人好きのするキャラク...

ハチャメチャなアイデアで知られるキング・オブ・バカSF、バリントン・J・ベイリーの初期の長編。時間が広大な非時間の中で生じる、局所的な現象というコアのアイデアは、今読むとわりとすんなり受け入れられる感じがする。スペオペとして読んでも、魅力的とまでは言わないが、人好きのするキャラクターが多くて、普通に読める方かな。

Posted byブクログ

2020/09/12

過去のものであるはずの遺跡が、300年後には現在より新しくなっているという話から調査を始めた。すると、200年後には地球は滅亡し、それより後には何もなかった…?時間を自在に操る中国人の子孫の力を得て、破滅の回避を試みる。 タイトルの「時間衝突」を軸としながら、白人のみの優成思想...

過去のものであるはずの遺跡が、300年後には現在より新しくなっているという話から調査を始めた。すると、200年後には地球は滅亡し、それより後には何もなかった…?時間を自在に操る中国人の子孫の力を得て、破滅の回避を試みる。 タイトルの「時間衝突」を軸としながら、白人のみの優成思想や、異文化との交流、エイリアンとの戦争など、これ以上無いくらい盛り込まれた内容で、正直なところ散漫。 第2章で、中国人のコロニーの話がなんともわかったようなわからないような状況で差し込まれているあたりから、読書ペースが乱れたような気がする。 そのコロニーでの特殊な家族の考え方や、地球にあるタイタンの異常な思想、エイリアンに衝突する時間軸など、なかなか全部をフォローしきれていないとは思う。しかし結局、みんな敵というまま終わりきらずに終わってしまったのは、納得しきらないままである。 複数の時間軸が衝突することで、時間という概念自体が失われるというコンセプトは斬新であり、それは良いのだが、その衝突するのは地球だけ?という規模の小ささは、最初にエクスキューズで「理系の知識を持ち合わさない」と書かれている部分を汲んで無視すべきなのであろうか。 スペースオペラ物を読み慣れていないため、理解が追いついておらず、評価が低いのは勘弁いただきたい。

Posted byブクログ

2019/10/18

理論や理屈なんてどうでもいい。SFはやっぱこうじゃなくっちゃ!魅力的なキャラクターや練りこまれたストーリィも大切だけど、やっぱりアイデアが重要。「時間線と時間線が正面衝突?」なんて深く考えずに読むべし。久しぶりに楽しめるSFが読めた。

Posted byブクログ

2019/01/09

「ワイドスクリーンバロック」という 日本語ではだからか良くわからない分野付けされているが 『禅銃』同様「スぺオペ」の一種 もちろんここでいうスぺオペはソープホースの 日本で言うヤングジャンプに載っているような 再読率の低さが特徴のものでなく ハリイ・ハリスン作品のようなその形式の...

「ワイドスクリーンバロック」という 日本語ではだからか良くわからない分野付けされているが 『禅銃』同様「スぺオペ」の一種 もちろんここでいうスぺオペはソープホースの 日本で言うヤングジャンプに載っているような 再読率の低さが特徴のものでなく ハリイ・ハリスン作品のようなその形式のパロディを指す よってそこに「バカミス」と言うのに同じ「バカ」さが 既に含まれている というわけでベイリー作品もSF風味与太話としてなかなかに面白いが 背景となる時代と文化を知っていないと パロディは本当には楽しめないと思うのは変わらない

Posted byブクログ

2017/08/08

物語出だしのつかみはOK、でも面白い構想にもかかわらず、提示された謎とその種明かしがアンバランス。個人的には、ストーリーの展開によっては傑作の香りもしていただけに残念な作品。

Posted byブクログ

2016/02/11

  『カエアンの聖衣』と 『禅銃』にはぶったまげた。以来、SFともしばらくご無沙汰していたので、その後に翻訳されたバリントン・J・ベイリーは読んでいなかった。気がついたときには、ほとんど絶版。ようやく生き残っていたのが『時間衝突』。  時間を過去から未来に伸びるひとつの直線と考え...

  『カエアンの聖衣』と 『禅銃』にはぶったまげた。以来、SFともしばらくご無沙汰していたので、その後に翻訳されたバリントン・J・ベイリーは読んでいなかった。気がついたときには、ほとんど絶版。ようやく生き残っていたのが『時間衝突』。  時間を過去から未来に伸びるひとつの直線と考える。その中途に「現在」があって、秒速1秒で未来に進んでいる。ところが、この現在から400年先にも別の「現在」があって、その「現在」の地球には人間とは似ても似つかない生物が文明を築いているのだが、彼らの「現在」はわれわれにとっての未来から過去に向かう方向に進んでいる。つまりわれわれの「現在」に向かって秒速1秒で迫ってくる。200年後にはこの「現在」と別の「現在」が正面衝突することになる。これが本書冒頭4分の1ほどで明かされる基本アイディア。しかも、現在のみが「生きており」、過去は存在していても「死んでいる」し、未来に生命は空っぽという設定は、物理学的時間に依拠したSFを読んできた読者にはかなりぶったまげる考想かも知れない。かつてのSF少年は哲学的時間論にも親しんだので、私には抵抗はなかったが。  ただその後、このメイン・アイディアは大変な災厄という以外に生かしようがなくて、時間にも3次元あるとか、時間と生命とが密接に結びついているとかいったアイディアと、ナチスばりの人種差別国家によって話は駆動されていく。  恐らくベイリーにも「現在」と「現在」が正面衝突したら何が起こるかわからなかったのだよ。小説中には時間が止まるとか書いてあるが、ぶつかって跳ね返るとか、きりもみ状態になって「現在」がどこかへ飛んでいくとか、いろいろ馬鹿げたアイディアはあるではないかと思いつつ、ともあれ「時間衝突」なんてことを考え出したベイリーに拍手。

Posted byブクログ

2014/10/28

アイディアはすごいが、小説として書ききれているかというと、ちとイマイチかも…。「永劫回帰」の方も読み直さなくちゃ。

Posted byブクログ

2014/04/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 タイトルに「時間」が付いているが本書において「時間」はガジェットの一つでしかなく、一般的な時間軸の移動をテーマとするSFとは少し毛色が違う。 それどころか「時間線」という新たな概念を持ち出してそれを縦横無尽に駆使する。 時間は過去から未来へ向けてのみ流れるのではなく逆行する流れもある。さらに「前後方向」しか存在しない一次元的な存在ではなく支流という二次元的な存在も言及される。  ただ、本書の主要なテーマのひとつが「人種差別」であることには注意したい。 白人による中国人の蔑称「チンク」という語が頻出するのだが、アムラック、ロリーン、ウルキリといった人種がどういった人種的特徴を持つのかがよくわからない。 欧米人だったらわかるとでも言うのだろうか…。

Posted byブクログ