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時間衝突 の商品レビュー

3.4

19件のお客様レビュー

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2012/08/14

 異星人が遺したとされる遺跡を調査していた主人公は、遺跡がどんどん新しくなっていることに気がつく。過去から未来へと生きる我々以外に、未来から過去へ生きる文明があるらしい。そしてそれぞれの時間は、あと数百年で衝突してしまう状況にあった、という話。  こんなのよく思いついたなぁ。こ...

 異星人が遺したとされる遺跡を調査していた主人公は、遺跡がどんどん新しくなっていることに気がつく。過去から未来へと生きる我々以外に、未来から過去へ生きる文明があるらしい。そしてそれぞれの時間は、あと数百年で衝突してしまう状況にあった、という話。  こんなのよく思いついたなぁ。こういう、考えるとくらくらするような果てしなさがSFの醍醐味だよね。  未来から過去に生きるイメージはまだなんとか浮かぶけど、後半に出てくる「斜めの時間に生きる存在」っていうのが、僕の頭ではまったく想像できなかった。  ただ、ラストは文字通りの「機械仕掛けの神」がなんとかしてくれちゃうので、未来と過去とを壮絶に行き来するバトルみたいなのはあんまりないのが残念。

Posted byブクログ

2012/06/25

時間というテーマに対して、物語の確信となる興味深い理論。それを補強する惜しみ無く使われるアイディア。ワイドスクリーンバロックと呼んでいいのだろうか?面白く一気に読めた。 しかし奔放に放たれた様々な物語の決着点に不満が残る読者もいるのでは?と思わせる。 それはさておき、ホカである。...

時間というテーマに対して、物語の確信となる興味深い理論。それを補強する惜しみ無く使われるアイディア。ワイドスクリーンバロックと呼んでいいのだろうか?面白く一気に読めた。 しかし奔放に放たれた様々な物語の決着点に不満が残る読者もいるのでは?と思わせる。 それはさておき、ホカである。ホカ、語りてぇ。語るべき描写もないけど広げてぇ、ホカ。

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2012/04/28

考古学者ヘシュケのもとに届けられた1枚の古い写真。そこに写された異星人の遺跡は、現代のそれと比べはるかに古びているのだった。遺跡は時間が経つにつれ新しくなっているのか!? あらすじから感じたファースト・インプレッションの斜め上を遥かに超えた物語でした。 『時間線が衝突する』 突...

考古学者ヘシュケのもとに届けられた1枚の古い写真。そこに写された異星人の遺跡は、現代のそれと比べはるかに古びているのだった。遺跡は時間が経つにつれ新しくなっているのか!? あらすじから感じたファースト・インプレッションの斜め上を遥かに超えた物語でした。 『時間線が衝突する』 突飛なアイデアで序盤を飾った当著は、それだけでなく、奇妙な進化を遂げた遠未来の文明だとか、中国人(なぜ中国人なんだ?)が支配するレトルト・シティだとか… 色んな奇想発想を詰め込んでありまして、だからこそなんかB級映画(決して低予算の意ではない)を鑑賞しているみたいで、いや面白かったですよ。 大ボラ野郎! って初めて思ったSFは、A.E.ヴァン・ヴォークト「イシャーの武器店」だったんだけど、ベイリーさんあなたの方が上手でした。

Posted byブクログ

2012/01/03

面白い時間ネタを思いついたので書いて見ました。ネタ以外はおまけ!ってな感じのある意味SFらしいSF。個人的には嫌いじゃない。物語的にはツッコミどころ満載(少なくとも説明不足)とは思うのでストーリー重視の人にはおすすめしない。逆にアイデア重視の人には面白いんじゃないかな。

Posted byブクログ

2011/09/03

 読みたかった本。古い本ってことが随所に出てくる。マシンガンとか白人至上主義とか。  地球に複数の生命体が存在し、互いに互いが未来から侵略してくるという時間軸逆転発想が面白いのだが、中国人星間居住区だとか、スーパー知性体だとか言ったところが少し違和感があり、大きな感動がなかった...

 読みたかった本。古い本ってことが随所に出てくる。マシンガンとか白人至上主義とか。  地球に複数の生命体が存在し、互いに互いが未来から侵略してくるという時間軸逆転発想が面白いのだが、中国人星間居住区だとか、スーパー知性体だとか言ったところが少し違和感があり、大きな感動がなかったのが残念。  少しがっかり気味のオールドSF探訪だったな。

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2011/03/31

未来から過去に向かって進む時間と、過去から未来に向かって進む時間があることが分かった、衝突はあと三百年後、さあどうする!という構想を基本に、白人至上の差別社会な地球やら、自在に時間を操り宇宙で暮らす超ハイテク中国人コロニーやら(鍼治療で言語もすぐに習得できる!笑)、抵抗組織やら、...

未来から過去に向かって進む時間と、過去から未来に向かって進む時間があることが分かった、衝突はあと三百年後、さあどうする!という構想を基本に、白人至上の差別社会な地球やら、自在に時間を操り宇宙で暮らす超ハイテク中国人コロニーやら(鍼治療で言語もすぐに習得できる!笑)、抵抗組織やら、のSFガジェットが駆使されたお話。 ベイリーは、禅銃についてけなかったので、若干避けてた作家。大森望が絶賛してたので読んでみた。 が、うーん…。

Posted byブクログ

2010/04/12

謎の異星人との戦闘状態に突入している遠未来の地球。異星人が地球に残した遺跡を調査している考古学者のロンド・ヘシュケは、300年前に撮影された遺跡の写真が現在の遺跡より遥かに古びていることに気づく。まさか、遺跡は年を経るごとに新しくなっているというのか?折しも異星人の時間旅行機が捕...

謎の異星人との戦闘状態に突入している遠未来の地球。異星人が地球に残した遺跡を調査している考古学者のロンド・ヘシュケは、300年前に撮影された遺跡の写真が現在の遺跡より遥かに古びていることに気づく。まさか、遺跡は年を経るごとに新しくなっているというのか?折しも異星人の時間旅行機が捕獲され、ヘシュケは時間旅行機を使った極秘任務を命ぜられるが・・・ わはははは、すげー!面白い! 何がスゴいって、いきなりブルース・スターリングが序文を寄せてるってところからブッ飛んだんですがヽ( ´ー`)ノそんなのはまだ序の口で、ベイリーなのにちゃんとストーリーがまとまっているところに一番感動しました(笑)いや、だって「禅銃」がヒドかったんだもん(^_^; さてこのSF、ジャンル的には「時間SF」なわけでして、現代の最新理論物理学においてもその本質が解き明かされていない「時間」をネタに古今東西の大御所SF作家たちが腕をふるってきたジャンルでもあります。時間とは何か?空間とは何か?そんな哲学的ともいえる問いに、奇才・ベイリーが「こんなこと考えちゃったんですけど〜」と答えたのがこの作品。ストーリーはタイトルそのもの、時間衝突。これが比喩でもなんでもなくて、何と異なる時間線を持つ世界が正面衝突しちゃうという実にそのままな話なんですねー。・・・どこからそういう発想が出てくるんだろうな、この人は・・・(^_^; そんなわけで、作中には奇妙奇天烈な時間理論が登場し、これが重要なファクターとなって物語が進んでいきますが、この理論が理解できなくてもハッキリ言って読み進めるのに何ら支障はありません。つーか、理解できる方がおかしい(笑)時間が衝突する瞬間の描写も出てくるんですが、理論と全然噛み合ってないし。この作品の楽しみ方は、そんなトンデモ理論に気持ちよく振り回されつつ、それをネタに展開される一大スペクタクル(ドタバタ劇といった方が正確かもしれないヽ( ´ー`)ノ)で手に汗握る、といったところではないかと思います。絢爛豪華で何でもありのベイリー節は本作でも健在。 それに、「禅銃」でもそうでしたが、この人はユニークな社会構造を描かせたら超一流ですね。とんでもないんだけど妙に説得力があるベイリー流未来社会は、実は人間の現実の歴史を極端にカリカチュアライズして未来に置き換えたもの、と言ってもいいでしょう。本作において未来の地球を支配している軍事政権「タイタン」は、誰がどう見ても某第三帝国以外の何物でもないですしヽ( ´ー`)ノ突き抜けた共産主義的コロニー国家を維持しているのが中国人の末裔という設定は本気なのかシャレなのかヽ( ´ー`)ノこの二つが絡んだら大変なことになるんじゃないの、と思ったら何だかよくわからん自己チューな「超知性」が登場して無理矢理話を纏めちゃう、というヽ( ´ー`)ノよくこんなヤバいネタ使えるよなぁ。と妙なところで感心しつつも、決してハッピーエンドとは言い切れないほろ苦い結末を読むと、ベイリーはちゃんと「わかって書いてる」ということがしみじみ理解できます。現実の歴史の汚点をもネタの一つに昇華してしまうベイリーの力技、恐るべし。 しかも、巻末の解説において、ベイリーのトンデモ理論は最新理論物理学の世界ではあながちトンデモとは言い切れないらしい、ということが明かされ、最後の最後で鮮やかに背負い投げを決められた感じです。大森望氏のあとがきも超名文。ワイドスクリーン・バロックへの愛が溢れています。序文から解説まで丸ごと一冊、無駄なところが全くありません!(笑)やっぱりベイリー面白い!本気で「カエアンの聖衣」も探します、ハイ。

Posted byブクログ

2011/09/18

「時間封鎖」がすっごくおもしろかったので、SF者になれちゃうかも、と調子づいて読んでみたらば。むむー。SFの壁は厚かったかも。つまらなかったわけじゃないんだけれど、わたしには高度だったかも。時間の理論とか説明されても、時間のことなんて普段考えたこともないのでなにがなんだか。SFを...

「時間封鎖」がすっごくおもしろかったので、SF者になれちゃうかも、と調子づいて読んでみたらば。むむー。SFの壁は厚かったかも。つまらなかったわけじゃないんだけれど、わたしには高度だったかも。時間の理論とか説明されても、時間のことなんて普段考えたこともないのでなにがなんだか。SFをたくさん読んでいる人は基礎知識があるんでしょうかね。解説とか見ると、ものすごいアイデア、驚くべき発想、みたいなことが書いてあるんだけれど、ほかにSFをあんまり読んでないので、これがそんなに新しい、今までなかったようなアイデアなのかどうかはわからなくて。SFなんだもん、これくらい普通では?と、驚きがなく。あと、たぶん、未来すぎて(設定は西暦にすると何年くらいなのか?3000年くらい?←めちゃめちゃ適当ですが。2100年くらいだとわたしもついていけるような気がするんだけど)、もはや想像できないというか、わけわかなんないからどうでもいいや、というか。おもしろかったところは、中国人が先祖と思われる高度文明の異星(もう名前も忘れたし、説明もできん)に行きついたときに、鍼や気功みたいな技を使ったりしてその星の言語をすぐにマスターさせるとか、そういうところ。わたしはやっぱり細部が好きなので。もっと、たとえば、一生働かないで遊ぶばっかりの「娯楽レトルト」での詳しい生活ぶりとか、そういう細部が読みたいなと思うわけで。

Posted byブクログ

2009/10/04

某知人が勧めていたので手にとってみた一冊。 読み始めの頃は時間SFというよりも、種族差別だとかを詳細に書いたものかと思っていたが、 意外に独自の時間論を展開しており、物理学と照らし合わせると納得できない部分も多く、 どうにもファンタジー半分と言う目で見てしまうが、そこを割り切っ...

某知人が勧めていたので手にとってみた一冊。 読み始めの頃は時間SFというよりも、種族差別だとかを詳細に書いたものかと思っていたが、 意外に独自の時間論を展開しており、物理学と照らし合わせると納得できない部分も多く、 どうにもファンタジー半分と言う目で見てしまうが、そこを割り切ってしまえばかなり面白い。 広げた風呂敷を畳んではいないが、綺麗に解いているので 中盤からはページを捲る手が止まらなくなる。 ――ただ、一つ残念なところをあげるなら、物語り自体は面白いのだが、 それに関わってくる人物の詳細な心理描写が登場人物に因って足りない印象を受ける。 もう少し、掘り下げて、葛藤を絡めたほうが良かったのでは、と。

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