1,800円以上の注文で送料無料

ペット・セマタリー(上) の商品レビュー

4.1

50件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2016/07/02

 田舎町に引っ越してきた医者のルイス一家。妻と子供たちが帰省した時、娘の可愛がっている飼い猫のチャーチルが死んでいるのを、ルイスは見つけてしまう。  ルイスは隣人のジャドと共に、猫の死体を自宅の近くにあるペットの霊園に埋葬しに行くことにするのだが…。  キング作品はなかなか動き...

 田舎町に引っ越してきた医者のルイス一家。妻と子供たちが帰省した時、娘の可愛がっている飼い猫のチャーチルが死んでいるのを、ルイスは見つけてしまう。  ルイスは隣人のジャドと共に、猫の死体を自宅の近くにあるペットの霊園に埋葬しに行くことにするのだが…。  キング作品はなかなか動きだしの遅いイメージや、文章がボリューミーだったりと、エンジンのかかりだしの遅い作品もちょくちょくあるのですが、この作品は入り込みやすかったです。  登場人物の平和なやり取りをはじめとした人物描写や、子どもたちの可愛らしい様子はもちろんですが、いいタイミングで恐怖描写が入ってくるのもまたいい! そして怖い!  大学の治療室での一幕、そして猫を埋めに行った土地での不穏な雰囲気、そこで語られるジャドの過去…、派手に来るホラーの描写ももちろん怖いのですが、ひたひたと迫りくる怖さもしっかりと描いているあたり、キングの凄さがあるとあります。  そして命や死をめぐる物語としても秀逸です。娘のエリーがふと生物の命や死に興味を持った時、父のルイスがやさしく語り聞かせているところも、しっかりと描かれていて、こうした一家がこれからどういう運命に襲われるのか、ホラーとしての楽しみもあるのですが、一方で不安でもあります。  舞台は整った、という感じがあるので、下巻もとても楽しみです。

Posted byブクログ

2014/11/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久々のS・キング。 さすがの貫録。これは面白い。 前半は、そんなに怖いシーンが出てくるわけではないけれど、後の悲劇を予感するような、細かいエピソードが散見する。「怖い!」と思わされるのは、後半の本当のクライマックス部分だけなのに、上下二巻の長丁場を全く飽きさせない。 そして、以外なことに救いのない結末。 S・キング氏は、写真なんかでは人のいいアメリカのおじさんに見えるけど、本当はとんでもなく厭世家の人嫌いなんだろうな、と思う。

Posted byブクログ

2014/11/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

やっぱりキングは面白い! 個人的ハイライトは主人公の息子が家の目の前の道路で車に惹かれて死んでしまうところ。その場面を主人公はなんどもなんども夢に見ます。まだよちよち歩きのその子を必死で追いかけ、車が来る寸前に襟首を掴んで、やった、助けた! というところで目を覚ます。夢では幸せ、現実は悪夢。次第に追い詰められていく主人公は、その夢と現実の配置をひっくり返そうとします。 絶望は一種のエンターテイメントです。キングの小説ではいつもそれを思い出します。上記の男の子が死ぬ場面なんかその中の白眉! 単なる幼児の死がこんなにも怖くて悲しいのは、彼に注がれた家族の愛の存在があるからです。キングの描く絶望には、必ず深い愛情がよりそって、お互いの存在をくっきりと引き立たせます。 またキングの代表作のひとつである「呪われた町」では、主人公が愛する人たちを取り戻すために行動します。そして「呪われた町」をポジとすると「ペット・セマタリー」はネガにあたります。どちらも深い愛を起点にした結果で、だからこそ「ペット・セマタリー」の主人公の愚かな行為はやるせなく、救いがないラストにも読者を納得させる充足感を与えています。

Posted byブクログ

2014/04/09

過去、上下巻読了。 4人と1匹の幸せなある家族の物語。 綺麗な妻、愛らしい娘、生まれたばかりの息子、元気な猫。 新しい我と家の親切な隣人、いい所だが目の前の国道は往来が激しい。 そして裏山には国道で死んだペットたちの霊園があった。 片田舎に引っ越してきた幸せ家族、序盤は本当に...

過去、上下巻読了。 4人と1匹の幸せなある家族の物語。 綺麗な妻、愛らしい娘、生まれたばかりの息子、元気な猫。 新しい我と家の親切な隣人、いい所だが目の前の国道は往来が激しい。 そして裏山には国道で死んだペットたちの霊園があった。 片田舎に引っ越してきた幸せ家族、序盤は本当にそんな感じ。 ただ既に不穏なキーワードが繋がる。 交通量の多い国道、ペット霊園、そしてペット。 これで連想させるものはただの悲劇でしかない。 もし突如に襲った悲劇を受け入れられなかったとしたら? その悲劇に対して何か出来る手立てがあるとしたら? 通常はそんな救いの神はいない、もしいるならその逆の何か。 ボクは読んでてとても悲しく、でも同じ事をすると思ってしまった。 愛と悲しみと愚かさと、ある1つの邪悪。 それらが混ざり合った物語に興味があればどうぞ。

Posted byブクログ

2013/01/23

アメリカの田舎町に越してきた医者一家。優しいお隣さんとの出会い。職場環境も順調そう。子供たちは元気で可愛く、妻は聡明で美しい。読む方もホッとさせられるような出だしですが、それだからこそ合間合間に垣間見える不穏な予感が恐ろしい。その昔この上巻のみを旅先に持込み、下巻を持ってこなかっ...

アメリカの田舎町に越してきた医者一家。優しいお隣さんとの出会い。職場環境も順調そう。子供たちは元気で可愛く、妻は聡明で美しい。読む方もホッとさせられるような出だしですが、それだからこそ合間合間に垣間見える不穏な予感が恐ろしい。その昔この上巻のみを旅先に持込み、下巻を持ってこなかったことを激しく後悔しました。

Posted byブクログ

2012/11/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久しぶりに読んだ。 この後に起こる悲劇を所々に匂わせつつの幸福な時間。 この巻はプロローグとしては十分。 日本語訳は所々??な点が。

Posted byブクログ

2012/09/17

表紙裏 都会の競争社会を嫌ってメイン州の美しく小さな町に越してきた、若い夫婦と二人の子供の一家。だが、家の前の道路は大型トラックがわがもの顔に走り抜け、輪禍にあう犬や猫のために<ペット共同墓地>があった。しかも、その奥の山中にはおぞましくも・・・「あまりの恐ろしさに発表が見あわせ...

表紙裏 都会の競争社会を嫌ってメイン州の美しく小さな町に越してきた、若い夫婦と二人の子供の一家。だが、家の前の道路は大型トラックがわがもの顔に走り抜け、輪禍にあう犬や猫のために<ペット共同墓地>があった。しかも、その奥の山中にはおぞましくも・・・「あまりの恐ろしさに発表が見あわせられた」とも言われた話題作。

Posted byブクログ

2012/11/07

引き込まれる感じでおもしろかった! 続きが気になって結構スイスイ読めました。 上巻の最後でゲージの事が書いてあったのはびっくりしました。 なんか静かな怖さがあると思います><

Posted byブクログ

2012/04/22

「そのペット霊園には死者を蘇らせる不思議な力があった」 自分の愛するものを蘇らせられるなら、そんな恐ろしい力に手を出してしまうのだろうか。その力が、死者を全く別の化物に変えてしまうかもしれないとわかっていても、愛する者を蘇らせようと思うのだろうか。 幸運にも家族を失った経験が...

「そのペット霊園には死者を蘇らせる不思議な力があった」 自分の愛するものを蘇らせられるなら、そんな恐ろしい力に手を出してしまうのだろうか。その力が、死者を全く別の化物に変えてしまうかもしれないとわかっていても、愛する者を蘇らせようと思うのだろうか。 幸運にも家族を失った経験がない私には、想像しかできないのだけれど、もし家族が死んで、この霊園を目にしたら、やはり試してみたくなるのかも。 それが死者を冒涜することで、自分が更に傷つく結果が待っていて、決して最善の手段ではないとわかっていても、死体をそっと埋めるのかもしれない。

Posted byブクログ

2012/03/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とてもゆっくり物語は進んでる。 猫を生き返らせる。亡くなった隣人のノーマは生き返らせなかった。 思うに、夫のジャドは誰かが人間を生き返らせて、結果どうなったのか知ってる気がする。 だから心がぶれず、葬儀を行った。 人間を生き返してしまった結果、どうなるのかジャドは言わない。 猫のチャーチは頻繁に動物を食すようになった。 人間だとどう変化して、どんな恐怖を与えるのか下巻をこうご期待といったところだろうね。 姉の死にトラウマがある妻のレーチェルが息子が亡くなってどうなるのか興味ある。

Posted byブクログ