宮本武蔵(六) の商品レビュー
新たな出会いの第六巻。 お通、城太郎、又八、朱美。 武蔵を取り巻く人々が消息不明になり、 そのまま三年が経過し、再び孤独の武蔵。 だが、そんな彼にも新しい出会いがあった。 城太郎に代わり彼を師と仰ぐ少年伊織。 彼を弟子に持つことにより武蔵も学んでいく。 そして、消息を絶つも...
新たな出会いの第六巻。 お通、城太郎、又八、朱美。 武蔵を取り巻く人々が消息不明になり、 そのまま三年が経過し、再び孤独の武蔵。 だが、そんな彼にも新しい出会いがあった。 城太郎に代わり彼を師と仰ぐ少年伊織。 彼を弟子に持つことにより武蔵も学んでいく。 そして、消息を絶つも無事だったお通だが、 ここでもまた武蔵とはすれ違う。 しまいにはナレーター(?)までもが、 彼らのすれ違いをもどかしく思い始める。 お通は強い女性なので、間違っても、 「大人になるって悲しいことなの・・・」 なんて言わないのだろうが、どうなるのか。 そしてもう一方気になるのは佐々木小次郎の動き。 城太郎は消息不明のままだがどうなったのか。 いずれにしても早く続きが読みたい。
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武蔵目線のシーンを読むと、なんだかスッキリした気分になる。武蔵の考え方はシンプルで好感が持てるからかもしれない。 相変わらず、季節の表現が美しい! 2014/8/30
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小次郎の野心とそこから来る狡猾さ、武蔵の求道の態度がこの作品の精神的支柱であることに疑いはないが、こういった誰にでも身に覚えのありそうな設定をそこかしこに散りばめられているこの作品は、やはり周到に構築された渾身の一作なんだろう。 再々読ながら楽しんで読ませてもらっています。 とこ...
小次郎の野心とそこから来る狡猾さ、武蔵の求道の態度がこの作品の精神的支柱であることに疑いはないが、こういった誰にでも身に覚えのありそうな設定をそこかしこに散りばめられているこの作品は、やはり周到に構築された渾身の一作なんだろう。 再々読ながら楽しんで読ませてもらっています。 ところでこの作品、日本全国を紹介する観光宣伝小説でもありますな。 東海道中膝栗毛じゃないけど、こういった設定は日本の娯楽の伝統なのかもしれない。
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どこまでも、己の道にブレない武蔵とは対象的に、初期からいた城太郎や又八の方向性が段々と物語のなかで変わっていき、それぞれが違う流れのなかで、思いもよらぬ人生の形に昇華して行く。思いのすれ違いや誤解、人の常なるこころの傾向により、どうにも避け難い人と人の別れと邂逅こそがこの作品の醍...
どこまでも、己の道にブレない武蔵とは対象的に、初期からいた城太郎や又八の方向性が段々と物語のなかで変わっていき、それぞれが違う流れのなかで、思いもよらぬ人生の形に昇華して行く。思いのすれ違いや誤解、人の常なるこころの傾向により、どうにも避け難い人と人の別れと邂逅こそがこの作品の醍醐味。
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宮本武蔵第6段。 二人の豪傑の道は、交錯を繰り返し、宿怨となるか。 物語は徐々に、武蔵、小次郎主体に。本巻では小次郎の描写が多かった。人として大人では決してないが、一大豪傑、純粋悪としての彼はとても魅力がある。迷う武蔵に対し、冷徹になることを厭わない小次郎。どうなっても、相容れぬ...
宮本武蔵第6段。 二人の豪傑の道は、交錯を繰り返し、宿怨となるか。 物語は徐々に、武蔵、小次郎主体に。本巻では小次郎の描写が多かった。人として大人では決してないが、一大豪傑、純粋悪としての彼はとても魅力がある。迷う武蔵に対し、冷徹になることを厭わない小次郎。どうなっても、相容れぬ二人だからこそ。 本巻のもう一つの魅力は、師弟。報恩の心ありて、師もまた学びの日々か。 「富士は、一日でも、同じ姿であったことがない」
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「『将軍家の御指南役って、偉いんだろうね』 『うむ』 『おらも大きくなったら、柳生様のようになろう』 『そんな小さい望みを持つんじゃない』 『え。…なぜ?』 『富士山をごらん』 『富士山にゃなれないよ』 『あれになろう、これに成ろうと焦心るより、富士の...
「『将軍家の御指南役って、偉いんだろうね』 『うむ』 『おらも大きくなったら、柳生様のようになろう』 『そんな小さい望みを持つんじゃない』 『え。…なぜ?』 『富士山をごらん』 『富士山にゃなれないよ』 『あれになろう、これに成ろうと焦心るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作りあげろ。世間へ媚びずに、世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値うちは世の人がきめてくれる』」 「『人と人とが円満に住んでゆければ地上は極楽だが、人間は生れながら神の性と、悪魔の性と、誰でも二つもっている。それが、ひとつ間違うと、この世を地獄にもする。』」
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あれになろう、これに成ろうと焦るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作り上げろ。世間へ媚ずに、世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値打ちは世の人が決めてくれる。
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いい大人が楽しんでしまってます。小学生高学年から読めると思うので子供達に読んでもらいたいです。難しい所は大人がフォロー。いい本ですね。
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途中1ヶ月半くらい間を空けて読み終えた。(仕事めちゃ忙しかった…) 話がどこに向かってるのかわからなくなった。武蔵の豪快さ、気持ち良さもあまりなく、停滞した感じあった。小さいエピソードがたくさんの巻だった。 城太郎がいなくなって、伊織が出てきたのも、自分の中で整理がつかず。今後の...
途中1ヶ月半くらい間を空けて読み終えた。(仕事めちゃ忙しかった…) 話がどこに向かってるのかわからなくなった。武蔵の豪快さ、気持ち良さもあまりなく、停滞した感じあった。小さいエピソードがたくさんの巻だった。 城太郎がいなくなって、伊織が出てきたのも、自分の中で整理がつかず。今後の為の伏線なんだとは思うが。
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吉川英治という人の凄さはこの六巻に現れていると思う。 こと東京都港区にいるのも手伝ってか芝から品川を起点に、のらりくらりと江戸を散歩させられる。 それは武蔵の突き抜けた軽快さと小次郎の滑るような野心を両輪に。嵐の前の静けさが耳に痛い程の一冊。
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