牝猫 の商品レビュー
若い夫婦と、牝猫サアの三角関係な物語。妻カミーユが夫の愛情を独り占めするサアに嫉妬して、やがて悲劇に繋がっていく。猫愛好家とそうでない人は分かり合えないのか? それにしても夫アランがサアを溺愛している様子が詳細に書かれていて、これは猫にも嫉妬するわなというか、決して嫌いなわけで...
若い夫婦と、牝猫サアの三角関係な物語。妻カミーユが夫の愛情を独り占めするサアに嫉妬して、やがて悲劇に繋がっていく。猫愛好家とそうでない人は分かり合えないのか? それにしても夫アランがサアを溺愛している様子が詳細に書かれていて、これは猫にも嫉妬するわなというか、決して嫌いなわけではないんだから、アランはもうちょっと奥さん大事にしてあげてもいいんじゃないだろうかと思う。 サアに関しては「ムールアン」とか「ムーク」と鳴き、ニャーと鳴くのは一回だけ出てきたかな?くらい独特な鳴き声をしているのも物語の味わいがあった。 人間と、あくまでも人間目線から見た猫の物語。(最近読んだ、猫から見た人間の物語ではない) さて、そろそろ『ネコのムル君…下』を読み始めようか。
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■評価 ★★★✬☆ ■感想 ◯心情描写や風景描写で感情の機微が伝わる雰囲気がすき。 ◯劇的な転換点は妻カミーユが猫のサァを突き落とすとこだけど、それ以外の微妙な、グラデーションや揺れ動きのある感情の変化が楽しい。 ◯主人公アランの機微に気づいてしまう性格、羨ましくもあるし自分がガサツ系で良かったとも思う。(察してしまうのも苦労するので) ◯「カミーユ」と聞いて私はすんなり「女みたいな名前だな」と思ったので、どこかのニュータイプにいきなり殴られるかもしれない(*゚∀゚*)
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自分も猫飼いなので、アランが猫を愛する気持ちはすごく理解できる。 そしてカミーユの気持ちも…。 結局、物語の最初からアランがカミーユのことをそれ程愛していないというのがわかっていたし、そういうのを感じ取ったカミーユのほうはますますアランの愛を得ようと執着してしまう、そしてアランの...
自分も猫飼いなので、アランが猫を愛する気持ちはすごく理解できる。 そしてカミーユの気持ちも…。 結局、物語の最初からアランがカミーユのことをそれ程愛していないというのがわかっていたし、そういうのを感じ取ったカミーユのほうはますますアランの愛を得ようと執着してしまう、そしてアランの愛情を独り占めしている猫を憎むようになってしまうという展開はわかりすぎる。 そして、時代なのかうっすらと女性蔑視の風潮も見え、なんだかねという感じ。
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青い麦以来だったけど、やはりこの作家とても良い。サガンといい、コレットといい、フランスの女流作家の小説をとても好んでいる。このお二方はいずれ全作読めればいいなあ。いずれも恋愛小説なのだが、書かれている言葉がすっと入ってくる。 あとこの「牝猫」という小説でいえば、決定的な決裂を起こした男女がふたりで花火を見る場面がとんでもなくよかった。そこまでの過程もいいんだよなあ。夫婦の仲がうまくいかない、という話なのに、どっち側にもつかせない感じが、この小説の距離感の取らせ方の上手さだとも思う。
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60年代に映画になった。 猫好きの青年が結婚して破綻するという物語。 犬だったらよかったのかもしれない。 猫とはねえ。しかも牝猫。 好きが徹底すれば、何かと悶着が起こる。 それでなくても結婚は異なる二人が折り合うのだ。 自由と協調性、個人主義の矛盾。 最近の非婚化...
60年代に映画になった。 猫好きの青年が結婚して破綻するという物語。 犬だったらよかったのかもしれない。 猫とはねえ。しかも牝猫。 好きが徹底すれば、何かと悶着が起こる。 それでなくても結婚は異なる二人が折り合うのだ。 自由と協調性、個人主義の矛盾。 最近の非婚化傾向。日本、やっとここまで来たか!(笑)
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ドラマの最初の設定時点で、「ああ、これならああなってこうなって結果こうなるんだろうなあ」ということが簡単に予想でき、そしてその通りストーリーは展開され、予定通りに終わる。 でも、そのスピード感が絶妙。何ともいえない間を置きながら、自分の予測した「それ」が果たしていつ起きるのか、はらはらしながら読み進むことになる。わかっている…はずなのに、それでいてもその「はらはら」を楽しめてしまう、絶妙な流れがなんともいえない快感! とてもエロティックな要素に包まれた内容だし、庭の花々やその香りなど、描写の一つ一つがしっとりと潤いを帯びているような、何とも言えない雰囲気を持っている。 仏蘭西文学ならでは、でしょうねぇ。
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自分の世界で夢見る男と世俗的な女のすれ違い 猫との恋愛関係、というよりは男女のすれ違いがメインです。 主人公の、夢見がちでピーターパンのような価値観が小気味よく 猫と主人公とのやりとりは、色気を感じます。 1928年、86年前にフランス人女性によって書かれた小説ですが、 文...
自分の世界で夢見る男と世俗的な女のすれ違い 猫との恋愛関係、というよりは男女のすれ違いがメインです。 主人公の、夢見がちでピーターパンのような価値観が小気味よく 猫と主人公とのやりとりは、色気を感じます。 1928年、86年前にフランス人女性によって書かれた小説ですが、 文章はテンポよく読みやすく、その時代のフランスの世界を味わえます。 少しの希望や喜びに飛びついてしまう、 自分の思うように事を運びたがる、 そういうところは、いつの時代でも現実に生きる女性の性なんだなぁと すこし悔しくなります。
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◆主人公アランと愛猫サア、そして新妻カミーユ。男と猫と女という奇妙な三角関係の物語。主人公と愛猫のあいだにはすでに二人(二匹)の世界があって、その世界に入って行けない妻は、夫(主人公)の愛猫に対する憎しみを募らせてゆく。いっぽうで主人公は、妻を愛しつつも失望も覚える。◆主人公と妻...
◆主人公アランと愛猫サア、そして新妻カミーユ。男と猫と女という奇妙な三角関係の物語。主人公と愛猫のあいだにはすでに二人(二匹)の世界があって、その世界に入って行けない妻は、夫(主人公)の愛猫に対する憎しみを募らせてゆく。いっぽうで主人公は、妻を愛しつつも失望も覚える。◆主人公と妻という人間の違いがはっきりみてとれるラストが印象的でした。 ◆その人間の違いは、凋落しつつある旧家に生まれ育った主人公がもつ貴族らしさ、エリートらしさによるものです。主人公にとっては、妻の立ち振る舞いや言動、そして貪欲さや利得に生きる彼女という人間は「不純」なのでした。「サアがライバルになるはずはないじゃないか」「きみにライバルがいるとしたら、不純なものたちのだれかだろうから…… (p. 52)」 ◆反対に、愛猫にたいしては「猫科の動物の気品というものがあるし、欲得なんかを超越している、身の処し方を知っており、人間のエリートに似たところがある…… (p. 37)」といっています。◆そう考えると、主人公が自分自身と愛猫にある種の純粋さ、エリートらしさを見出していたことは明らかです。まさに主人公が抱えていたこの意識が、男女関係に動物が入り込むという奇妙な関係を、物語として成立させているといえるのかもしれません。
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きっかけは猫好き。一匹の牝猫をはさんだ男女の関係…という内容に惹かれて手に取りました。コレットの作品は初めて。繊細な描写について行くのに精一杯でした。アランがカミーユを観察する目の辛辣さに圧倒されるばかり。少し寝かせて?再読したいと思います。
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