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牝猫 の商品レビュー

3.7

11件のお客様レビュー

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2024/06/29

自分も猫飼いなので、アランが猫を愛する気持ちはすごく理解できる。 そしてカミーユの気持ちも…。 結局、物語の最初からアランがカミーユのことをそれ程愛していないというのがわかっていたし、そういうのを感じ取ったカミーユのほうはますますアランの愛を得ようと執着してしまう、そしてアランの...

自分も猫飼いなので、アランが猫を愛する気持ちはすごく理解できる。 そしてカミーユの気持ちも…。 結局、物語の最初からアランがカミーユのことをそれ程愛していないというのがわかっていたし、そういうのを感じ取ったカミーユのほうはますますアランの愛を得ようと執着してしまう、そしてアランの愛情を独り占めしている猫を憎むようになってしまうという展開はわかりすぎる。 そして、時代なのかうっすらと女性蔑視の風潮も見え、なんだかねという感じ。

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2021/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

青い麦以来だったけど、やはりこの作家とても良い。サガンといい、コレットといい、フランスの女流作家の小説をとても好んでいる。このお二方はいずれ全作読めればいいなあ。いずれも恋愛小説なのだが、書かれている言葉がすっと入ってくる。 あとこの「牝猫」という小説でいえば、決定的な決裂を起こした男女がふたりで花火を見る場面がとんでもなくよかった。そこまでの過程もいいんだよなあ。夫婦の仲がうまくいかない、という話なのに、どっち側にもつかせない感じが、この小説の距離感の取らせ方の上手さだとも思う。

Posted byブクログ

2019/03/12

60年代に映画になった。 猫好きの青年が結婚して破綻するという物語。 犬だったらよかったのかもしれない。 猫とはねえ。しかも牝猫。 好きが徹底すれば、何かと悶着が起こる。 それでなくても結婚は異なる二人が折り合うのだ。 自由と協調性、個人主義の矛盾。 最近の非婚化...

60年代に映画になった。 猫好きの青年が結婚して破綻するという物語。 犬だったらよかったのかもしれない。 猫とはねえ。しかも牝猫。 好きが徹底すれば、何かと悶着が起こる。 それでなくても結婚は異なる二人が折り合うのだ。 自由と協調性、個人主義の矛盾。 最近の非婚化傾向。日本、やっとここまで来たか!(笑)

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2014/10/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ドラマの最初の設定時点で、「ああ、これならああなってこうなって結果こうなるんだろうなあ」ということが簡単に予想でき、そしてその通りストーリーは展開され、予定通りに終わる。 でも、そのスピード感が絶妙。何ともいえない間を置きながら、自分の予測した「それ」が果たしていつ起きるのか、はらはらしながら読み進むことになる。わかっている…はずなのに、それでいてもその「はらはら」を楽しめてしまう、絶妙な流れがなんともいえない快感! とてもエロティックな要素に包まれた内容だし、庭の花々やその香りなど、描写の一つ一つがしっとりと潤いを帯びているような、何とも言えない雰囲気を持っている。 仏蘭西文学ならでは、でしょうねぇ。

Posted byブクログ

2014/09/08

自分の世界で夢見る男と世俗的な女のすれ違い 猫との恋愛関係、というよりは男女のすれ違いがメインです。 主人公の、夢見がちでピーターパンのような価値観が小気味よく 猫と主人公とのやりとりは、色気を感じます。 1928年、86年前にフランス人女性によって書かれた小説ですが、 文...

自分の世界で夢見る男と世俗的な女のすれ違い 猫との恋愛関係、というよりは男女のすれ違いがメインです。 主人公の、夢見がちでピーターパンのような価値観が小気味よく 猫と主人公とのやりとりは、色気を感じます。 1928年、86年前にフランス人女性によって書かれた小説ですが、 文章はテンポよく読みやすく、その時代のフランスの世界を味わえます。 少しの希望や喜びに飛びついてしまう、 自分の思うように事を運びたがる、 そういうところは、いつの時代でも現実に生きる女性の性なんだなぁと すこし悔しくなります。

Posted byブクログ

2014/04/26
  • ネタバレ

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あっけない結婚生活は牝猫がそのきっかけである。しかし牝猫なしでも破綻は確実であった。愛のはかなさがぐっとくる。牝猫の鳴き声が面白い。

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2014/04/05

◆主人公アランと愛猫サア、そして新妻カミーユ。男と猫と女という奇妙な三角関係の物語。主人公と愛猫のあいだにはすでに二人(二匹)の世界があって、その世界に入って行けない妻は、夫(主人公)の愛猫に対する憎しみを募らせてゆく。いっぽうで主人公は、妻を愛しつつも失望も覚える。◆主人公と妻...

◆主人公アランと愛猫サア、そして新妻カミーユ。男と猫と女という奇妙な三角関係の物語。主人公と愛猫のあいだにはすでに二人(二匹)の世界があって、その世界に入って行けない妻は、夫(主人公)の愛猫に対する憎しみを募らせてゆく。いっぽうで主人公は、妻を愛しつつも失望も覚える。◆主人公と妻という人間の違いがはっきりみてとれるラストが印象的でした。 ◆その人間の違いは、凋落しつつある旧家に生まれ育った主人公がもつ貴族らしさ、エリートらしさによるものです。主人公にとっては、妻の立ち振る舞いや言動、そして貪欲さや利得に生きる彼女という人間は「不純」なのでした。「サアがライバルになるはずはないじゃないか」「きみにライバルがいるとしたら、不純なものたちのだれかだろうから…… (p. 52)」 ◆反対に、愛猫にたいしては「猫科の動物の気品というものがあるし、欲得なんかを超越している、身の処し方を知っており、人間のエリートに似たところがある…… (p. 37)」といっています。◆そう考えると、主人公が自分自身と愛猫にある種の純粋さ、エリートらしさを見出していたことは明らかです。まさに主人公が抱えていたこの意識が、男女関係に動物が入り込むという奇妙な関係を、物語として成立させているといえるのかもしれません。

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2013/09/24

きっかけは猫好き。一匹の牝猫をはさんだ男女の関係…という内容に惹かれて手に取りました。コレットの作品は初めて。繊細な描写について行くのに精一杯でした。アランがカミーユを観察する目の辛辣さに圧倒されるばかり。少し寝かせて?再読したいと思います。

Posted byブクログ

2012/02/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

飼い猫を愛している青年が、幼なじみの女の子と結婚するけどうまくいかない、みたいな話。フランスっぽいですねさすが愛の国。猫をこんな自然に三角関係に混ぜるとは・・。 後半、当然みたいに妻を猫より下に見ている主人公と、真剣に猫への嫉妬に狂う妻が、うすら寒い気持ちにさせてくれます。 それにしてもコレットはほんとうに美しい情景を書く人ですね。 庭の描写がすばらしい。こういうの読んでると小説ってすばらしい世界だなあとつくづく思います。 そういえば「青い麦」もその辺が好きでした。 「ジジ」も読みたいけどどこかから文庫出てるかな・・。

Posted byブクログ

2009/10/04

猫のサアと妻のカミーユ。猫を相手に嫉妬する彼女の気持ち、すごくわかる。猫って人間的、女性的な生き物です。

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