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ドナウの旅人(上) の商品レビュー

3.8

49件のお客様レビュー

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2011/09/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この長い小説を読み始めて、さっき涙を流しながら読み終わった ステラというタクシー運転手の 「楽天家でなきゃあ、こんな厄介なことばかりの、悪人だらけの世の中を 生きていけるもんか。人生なんて挫折して当たり前じゃないの。 うまくいくほうが不思議なんだっていうふうに、あたしはいつのまにか 考えるようになったのさ。だから、あたしは、いいことがあったら、 ああ、よかった、よかったって手を叩いて喜ぶんだ。悪いことが起こったら、 まあ世の中、こんなもんだって口笛吹いて、おかしくもないのに笑ってやるのさ。」 シギィの「おそらく、人間とは、ひとつの欠点の消滅によって新しい美徳が 生じるというのではない。欠点は欠点のままに、その人のちょっとした 心の作動によって美徳に生まれ変わる」というところで きっと前は泣かなかっただろうと思いながら、静かに涙が出てしょうがなかった 初めて読んだ時は、娘の麻沙子の年より若かったのに いまは母親の絹子の年にちかくなっていて、 それでも同じように、いや、違う形でも こんなに心に響く小説を読めることがとてもうれしい この物語のあと、麻沙子のお父さんはどうしたんだろう 長瀬は、オダは、どうしたんだろう いや、きっと笑っているよな なんて思いを巡らしている

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2011/02/22

ステレオタイプな出だしですが、だんだん惹かれてくる作品。宮本輝はあまり好きじゃないけど、この作品は面白い。

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2011/01/08

2011.1 再読。 以前読んだ時よりも、地名その他の知識がついた。シギィはいい男だなぁ。マサコのお父さんの動物園でのエピソードはひどい。暴力はいけないよ。

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2010/08/04

麻沙子の母 絹子は「ドナウを旅したい」という手紙を娘に残し、 夫を捨てて家を出る。 絹子は17歳年下の愛人 長瀬道雄とともに西ドイツに向かっていた。 麻沙子も母を追って西ドイツに向かい、かつてのドイツ人の恋人シギィと再会する。 母と長瀬、そして母を見つけた麻沙子とシギィの4人は、...

麻沙子の母 絹子は「ドナウを旅したい」という手紙を娘に残し、 夫を捨てて家を出る。 絹子は17歳年下の愛人 長瀬道雄とともに西ドイツに向かっていた。 麻沙子も母を追って西ドイツに向かい、かつてのドイツ人の恋人シギィと再会する。 母と長瀬、そして母を見つけた麻沙子とシギィの4人は、 ドナウ川を下る旅に出る。 この2組の男女の心境の変化と成長が異国の人々・風景とともに描かれている。 ミステリー仕立てになっていて、とっても読みやすい。 18年位前、初めて読んだ時とは違う感想を持った。 前回も今回もドナウ河沿いの風景やそれぞれの国が持つ雰囲気、 その時代が持った共産圏の空気も感じて、 ますます憧れが強まったのは違いがないが、 20代で読んだ時は娘 麻沙子の視線で読んだが、 今回は50代の母親の視点で読めた。 設定はどうであれ心境などとっても理解できるし、 こんな行動をとる女性の感覚が自分にないとは言えない。 (やるやらないは別の問題) 良い悪いではなく、経験ってとっても大事なんだと思う。 やっぱり経験して始めて自分を見つめることになるんだ。 私はまだまだだ。

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2010/05/30

初版が1985年。初読みはそのときだろう。絹子は八千草薫が適役だな、なんて思ったのか思わないのか覚えていない、麻紗子は誰を思い浮かべたのか。そもそも映画化・ドラマ化されたのかも覚えていない。でも、ひきつけられる。母親の逃避行に自らの捨てた恋の再生を重ねるなんてストーリーもいいなあ...

初版が1985年。初読みはそのときだろう。絹子は八千草薫が適役だな、なんて思ったのか思わないのか覚えていない、麻紗子は誰を思い浮かべたのか。そもそも映画化・ドラマ化されたのかも覚えていない。でも、ひきつけられる。母親の逃避行に自らの捨てた恋の再生を重ねるなんてストーリーもいいなあ。

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2009/10/13

宮本輝は読み出すといつも止まらない。読み出すタイミングを計らないと翌日エラいことに。。。 どの本も、いつも心にひっかかる文章が見つかる。

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2022/07/13

情報科教員MTのBlog (『ドナウの旅人(上)』を読了!!) https://willpwr.blog.jp/archives/51321341.html

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2009/10/04

ドナウ川に沿って旅を続ける・・・ という設定に惹かれました。 いろんな思惑が交差する中、これからどのように 話が展開していくのか下巻が楽しみ。 小説の世界を楽しみながら 旅気分をも味わえるので 一粒で二度おいしい♪

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2009/10/04

《読んだ時期:2008年3月》 ドナウに沿った旅をする母と青年、そして娘とその恋人。ストーリーは比較的緩やかな展開ですが、その訪れる町の雰囲気とその時々に変化する登場人物の心情が美しく描かれているので大好きな一冊です。

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2009/10/04

ハズレのない面白い本が読みたいなぁと思って、恩田陸が著作(エッセイ)で、寝食を忘れるくらい大好きな文庫5位に入っていたので探して読んでみた。 あらすじを読むと、つまならさそうって絶対読むことのない類の本^^; けど、恩田さんが好きなら(?)と思って借りてみた。 ドラマチックな劇的...

ハズレのない面白い本が読みたいなぁと思って、恩田陸が著作(エッセイ)で、寝食を忘れるくらい大好きな文庫5位に入っていたので探して読んでみた。 あらすじを読むと、つまならさそうって絶対読むことのない類の本^^; けど、恩田さんが好きなら(?)と思って借りてみた。 ドラマチックな劇的な展開があるわけでもないが、意外に面白い。飽きるところがない。普通に楽しく読めるぞ。 ユージニア読んで、すぐに読み始めたから最初は文字の小ささに驚いたよ笑

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