よだかの星 の商品レビュー
「猫の事務所」に引き続いて読了。 「猫の事務所」の主人公と同様に、仲間内から蔑まれていて、それでも心優しいよだかの姿に胸を打たれました。 よだかは現実から逃げ出すのではなく、自分自身によって負の連鎖を断ち切るために、遠くへと飛んでいきやがて星になったのだと、個人的に思いました。 ...
「猫の事務所」に引き続いて読了。 「猫の事務所」の主人公と同様に、仲間内から蔑まれていて、それでも心優しいよだかの姿に胸を打たれました。 よだかは現実から逃げ出すのではなく、自分自身によって負の連鎖を断ち切るために、遠くへと飛んでいきやがて星になったのだと、個人的に思いました。 よだかは救われたのか、と考えてしまいますが、明確な答えは出ません。ただ、何度読んでも悲しい気持ちになります。 考えさせられる物語であり、読む人によって解釈が違ってくる内容だと思います。 組み木絵による描写がとても美しいです。 ---あらすじ--- 心優しいよだかは外見が醜いために、他の鳥から蔑まれている。それでもなんとか行きてきたよだかがある日餌となる羽虫を食べたとき、つらい気持ちになった。羽虫はよだかによって命を奪われ、そのよだかはもうじき鷹に殺される、このことがよだかにとってはつらいことだった。つらさから、よだかは遠くへ遠くへと飛んでいくことを決める。そして星に「どうか私をあなたの所へ連れてって下さい。灼けて死んでもかまいません。」と叫ぶもことごとく断られ、それでも飛び続けたよだかはついに自分が飛んでいるのか落ちているのかも分からなくなる。体がぼろぼろになりながらも、それとは裏腹によだかの心は安らかに感じていた。そしてついによだかは星になった。 ---
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よだかは、とても醜い鳥でした。 姿・かたちが醜いというだけで、他の鳥たちから、さげすまれていました。 悲しみの末に、こころ優しいよだかが求めたものは・・・
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宮沢賢治の悲しいけれど、ひきつけられる一話 青空文庫で、「ひだかの星」を読了。 銀河鉄道の夜で有名だが、初めてほかの作品にふれた。 悲劇で理不尽。救いがないようにも思えるが、最後は救済なのか、そうでないのか。 他者を食らって生きる業にもふれ、宮沢賢治の他の作品にも通じる考えが展開されている。
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絵があると、また感じるものが違いますね。 理不尽さにあえぐよだかのお話。現代人にも当てはまりますね。
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自分が生きていくということは、他者の命を奪っていく事であると 気づいた夜鷹。 涙なくしては読めない。何度読んでも号泣。 宮沢賢治の私の中の泣けるベスト3に入ります。
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理不尽な圧力に屈するわけでもなく、逃げるのとも違う。本当に強いとは、よだかのことをいうのかもしれない。
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絵本で読み直してみて、 良かったです。 絵が素晴らしい。 大好きな童話です。 ーーー くちばしが曲がって、 血が出ているのは、 地に落ちた時の、 衝撃のため。 そのことを、 確認。 ーーー お日さまのせりふ 「お前はよだかだな。なるほど、ずいぶんつらかろう。今夜そらを飛ん...
絵本で読み直してみて、 良かったです。 絵が素晴らしい。 大好きな童話です。 ーーー くちばしが曲がって、 血が出ているのは、 地に落ちた時の、 衝撃のため。 そのことを、 確認。 ーーー お日さまのせりふ 「お前はよだかだな。なるほど、ずいぶんつらかろう。今夜そらを飛んで、星にそうたのんでごらん。お前はひるの鳥ではないのだからな。」 が、印象に残りました。 この話も、 全体が素晴らしいです。
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孤高であるということは、どんなに辛く美しいことか。 本当は孤高の存在になんかなりたくなかった、 でもなるしかなかった強く、美しい鳥の話です。 悲しく、はかない話なのだけれども どうしてだろう、読み終わったあとに勇気が出る。
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私たちはなんと内側に差別感をもった人間だろうと思うときがある。自分より弱い者への蔑みや虐げ。よだかを馬鹿にするまわりの鳥たちは、私たちの姿と重なる。 非常な哀しみの中でよだか自身、生きるために小さな命を捕え生かされている事に気づく。 私たちも生きて行く上で、多くの命を犠牲にしてい...
私たちはなんと内側に差別感をもった人間だろうと思うときがある。自分より弱い者への蔑みや虐げ。よだかを馬鹿にするまわりの鳥たちは、私たちの姿と重なる。 非常な哀しみの中でよだか自身、生きるために小さな命を捕え生かされている事に気づく。 私たちも生きて行く上で、多くの命を犠牲にしている事に感謝し、慈しみ、尊ぶ者でありたい。
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木絵です!! 絵もさることながら… 木目の美しさとか、味わい深さとか、、 独特のぬくもりがあります~。 よだかの星は、賢治が真っ向から魂をこめて伝えるメッセージ。 痛い。。
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