ノルウェイの森(上) の商品レビュー
再読。詳細は下巻で。とりあえず気になった箇所。「俺」と「僕」の混交(55)、女子校から立ち昇る生理ナプキンの煙(109-110)、小林商店の近くで起きた火事を見物しながらのキス。
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約8年ぶりに読んだ。 何度読んでも色褪せない面白さ。 前読んだ時よりも物語の芯に触れられたらいい。
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その頃僕は16で、その年頃の多くの少年たちがそうであるように青く、そして尖っていた。自分だけは他のつまらない連中とは違って特別な存在なのだと、多くの少年たちが同じように考えているのだから皮肉なものだ。 その年、村上春樹の『ノルウェイの森』が売れに売れ、どこの書店でも出入口近く...
その頃僕は16で、その年頃の多くの少年たちがそうであるように青く、そして尖っていた。自分だけは他のつまらない連中とは違って特別な存在なのだと、多くの少年たちが同じように考えているのだから皮肉なものだ。 その年、村上春樹の『ノルウェイの森』が売れに売れ、どこの書店でも出入口近くの一番目立つ販台に平積みされていたものだが、もちろん僕はそれを手に取ることもなく、ましてや買って読んでみようなどとは露程も思いはしなかった。僕と同年代の男で『ノルウェイの森』を十代で読んだ奴なんて殆どいなかったのではないか。 あれから四半世紀以上の歳月が過ぎ去って、四十台になった僕は、初めて『ノルウェイの森』を読みながら、本当に特別な奴というのは、十代で『ノルウェイの森』を読むような奴なのかもしれない、などと思うのだ。 その晩僕は彼女と寝た(嘘)。
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村上春樹の作品は敷居が高いと思い込んでいて、敬遠していました。 『ノルウェイの森』も小難しい内容なのかと思い込んでいたのですが、読んでいくうちにどんどんストーリーに引き込まれていました。 下巻が気になります。
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僕は三十七歳で、そのときボーイング747のシートに座っていた。その巨大な飛行機はぶ厚い雨雲をくぐり抜けて降下し、ハンブルク空港に着陸しようとしているところだった。 … 飛行機が着地を完了すると禁煙のサインが消え、天井のスピーカーから小さな音でBGMが流れはじめた。それはどこか...
僕は三十七歳で、そのときボーイング747のシートに座っていた。その巨大な飛行機はぶ厚い雨雲をくぐり抜けて降下し、ハンブルク空港に着陸しようとしているところだった。 … 飛行機が着地を完了すると禁煙のサインが消え、天井のスピーカーから小さな音でBGMが流れはじめた。それはどこかのオーケストラが甘く演奏するビートルズの「ノルウェイの森」だった。そしてそのメロディーはいつものように僕を混乱させた。いや、いつもとは比べものにならないくらい激しく僕を混乱させ揺り動かした。 昔々、といってもせいぜい二十年ぐらい前のことなのだけれど、僕はある学生寮に住んでいた。僕は十八で、大学に入ったばかりだった。 僕はまじまじと彼女の顔を見た。彼女はサングラスを外した。それでやっと僕は思いだした。「演劇史Ⅱ」のクラスで見かけたことのある一年生の女の子だった。 「学校が死ぬほど嫌いだったからよ。だから一度も休まなかったの。負けるものかって思ったの。一度負けたらおしまいだって思ったの。一度負けたらそのままずるずる行っちゃうんじゃないかって怖かったのよ。三十九度の熱があるときだって這って学校に行ったわよ。先生がおい小林具合わるいんじゃないかって言っても、いいえ大丈夫ですって嘘ついてがんばったのよ。それで無遅刻・無欠席の表彰状とフランス語の辞書をもらったの。だからこそ私、大学でドイツ語をとったのよ。だってあの学校に恩なんか着せられちゃたまらないもの。そんなの冗談じゃないわよ」
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村上春樹の作品の中では最もストレートに伝わってくる作品の一つと言えるのかも。会話の軽快さを楽しむ要素も有り、読みやすい仕上がりになっていると思います。
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村上春樹さんは、「1Q84」を読みましたが、本当に独特な世界を持っている人なのですね。 言葉がキレイすぎて、なかなか入っていけずにいました。 下巻読めるかな~。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
上巻メモ。 渡辺トオル、直子、キズキ 草原の中の井戸 学生寮 突撃隊、地図 永沢、ハツミ 小林緑 「学校が死ぬほど嫌いだったからよ。だから一度も休まなかったの。負けるものかって思ったの。一度負けたらおしまいだって思ったの。一度負けたらそのままずるずるいっちゃうんじゃないかって怖かったのよ。(中略)あの学校に恩なんか着せられちゃたまらないもの。そんなの冗談じゃないわよ」 魔の山 阿美寮 石田レイコ 「外の世界に何があるの? 私は今三十八でもうすぐ四十よ。(中略)私がここを出てったって待っててくれる人もいないし、受け入れてくれる家庭もないし、たいした仕事もないし、殆んど友達もいないし。(中略)この七年間このへんから一歩も外に出たことないのよ。今更出ていったって、どうしていいかなんてわかんないわよ」
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今まで、斜に構えて読んだことがなかったが、世界的に評価されていることもあり手に取る。 前半までの感想は、文章は洗練されていて美しい。思ったよりエロスな部分が多い。
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全体的に暗い内容だけど、描写がとても美しい。村上春樹は1Q84以来。原作より映画を先に観てしまったのですんなり読めた。
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