読書について 他二篇 の商品レビュー
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高三の時に読んだ本の中、そして今でも一番の問題作。 一種のメディア批判。彼の主張は特定の情報を持ったメディアの危険について多くの領域から語っているものだ(驚くことに現代でも当てはまる!) 本、新聞、ニュース、教師、看板、人の話…これらは自身から思考を奪い、他人の思考を押し付ける。ありとあらゆるメディアに自分の考えを奪われ、他人の考えばかりを持つ人は有る意味で「人形」であるし「信者」だ。 仮に批判的に捉えて自身の考えへ昇華させようとしても、根底は他人の考えで、どう抗っても他人の意識の囁き(フロイトのEs概念に近い)は”憑いて”まわる。 現代では事態はより深刻だ。 真偽の区別が付きにくい(もしかするとどちらでもない)情報が息を吸う様に飛び込んでくる。街を歩けば嫌でも広告、大型テレビ、落書きが目に入る。 ゼロ年代以降では生活しているだけのつもりで、着実に他者が自己を蝕んでしまう。こんな何処の馬の骨かも分からないようなヤツのレビューがよめてしまうのだから。 メディアの危険性に気付いた彼自身も古典という大きな物語にしがみつくしかないと結論を出した。ショーペンハウアーらしいペシミスティックな考え方だろう。 因みにこのレビューを読んでどこと無く納得してしまったら、今まさに自分の考えを奪われている。 そしてこのレビュー自体もショーペンハウアーに考えを奪われた二次創作物でしか無い。
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20110703読了。 本を読むということは、すなわち 人の考えをなぞるということ。 そのため、読書ばかりする人は自分で考えない人となる。 悪書を読まず、少ない良書を選び 考えの基となる素材が必要な場合、読み、考えるのが良い読書だと説く。 また、どういった著者、本、記述が良...
20110703読了。 本を読むということは、すなわち 人の考えをなぞるということ。 そのため、読書ばかりする人は自分で考えない人となる。 悪書を読まず、少ない良書を選び 考えの基となる素材が必要な場合、読み、考えるのが良い読書だと説く。 また、どういった著者、本、記述が良い本となるかについても述べる。 素材と形式。 読書の弊害。 著作の選び方。 良書、悪書について。
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「読書は人にものを考えてもらう行為である。一日を多読に費やす勤勉な人は自分の頭で考える力を失っていく。」 この本を読み進めるうちにそんな言葉に出会ったが、それらをかみしめつつ、論語の「学びて思わざれば則ち罔し」という言葉を思い出した。同じ趣旨の言葉なのだろう。私は勤勉とは程遠い人間だが。 最近読書の手段と目的を取り違えているような感のある私にとっては耳の痛い言葉が書いてある本。小説とか文学作品は読むことそのものが目的でもいいが、それ以外の本だと、読んだだけで勉強した気になって、肝心の内容は失念… 何てことが多いので身をつまされた。もう少し、自分の頭でものごとを考え抜く習慣を身に付けたい。
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ショウペン・ハウエルによる読書について。 とてもシンプルで薄い本だが、昔から読まれているもので、内容は重厚。 目次はこの3つ。 思索について 著作と文体 読書について 哲学者らしく思索から始まり、書を記すこと、そして書を読むことの3本立てである。 なんか読んでいるうちに説教されてる気分になった。 ごもっともだし、そうだなーと。 思索しろ。きちんと書け。適当な解釈入れるな。とにかく読むだけなんてバカだ… なんか、こんなんばっかwww でも、色々と考えさせられたので、とてもよかった。 たしかにインプットばかりだったので、再考しよう。 またいずれ読もう。
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会社の第4回読書会の課題図書。 著作と文体は非常に読み辛かったです。 ショーペンハウエルがドイツ語の衰退を嘆いているな~、ということだけは感じ取れました。 「自分で読む→感想をoutputする→読書会で議論し、他人の感想を共有する→会後の感想をさらにoutputする→自分の行動...
会社の第4回読書会の課題図書。 著作と文体は非常に読み辛かったです。 ショーペンハウエルがドイツ語の衰退を嘆いているな~、ということだけは感じ取れました。 「自分で読む→感想をoutputする→読書会で議論し、他人の感想を共有する→会後の感想をさらにoutputする→自分の行動に反映する」 このスパイラルがgoodなんですね。 ショーペンハウエルも同じことを言っているので、我々の読書会の意味がさらに深みを帯びたような気がしました。正直、うれしい。
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本書のポイントは1つ。あらゆる時代や民族の生んだ天才の名作・傑作を熟読すべきであり、悪書を読まぬ事こそが良書を読む条件であるということだ。読書、とりわけ多読的に読んでゆく事に警笛を鳴らし、読書とは他人の頭で考える事であるから、常にまとまった思想を生みだそうとする思索においては有...
本書のポイントは1つ。あらゆる時代や民族の生んだ天才の名作・傑作を熟読すべきであり、悪書を読まぬ事こそが良書を読む条件であるということだ。読書、とりわけ多読的に読んでゆく事に警笛を鳴らし、読書とは他人の頭で考える事であるから、常にまとまった思想を生みだそうとする思索においては有害であるというものだ。 確かに、読んでも思考の過程に何も生み出さない書籍、何か行動を起こさせるための偉そうな言葉が並ぶものも多い。今のビジネスの現場には考え方を指導してくれる上司がいなくなっているのだろう。何を指針に、何を基準に考えるか自体がないのに、誰からも教えてもらえないことで思考がストップし、自分で考えられないから本から何かを掴まなくてはという危機感があるとすれば危険だ。自分で、自分のアイデアで行動することのない人達には、これほど痛い本はないだろう。本を読んだあと、読んでいる途中で何を考えたか、自分の思考過程に何か変化を起こしたのか、それが大事ということだ。
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■読書 1.あらゆる時代、あらゆる国々に、比類なき天才がいる。こうした天才の著した良書だけを、我々は熟読すべきである。 2.良書を読むための条件は、悪書を読まぬことだ。人生は短く、時間と力には限りがあるからである。読書に際しての心がけとしては、読まずに済ます技術が非常に重要である...
■読書 1.あらゆる時代、あらゆる国々に、比類なき天才がいる。こうした天才の著した良書だけを、我々は熟読すべきである。 2.良書を読むための条件は、悪書を読まぬことだ。人生は短く、時間と力には限りがあるからである。読書に際しての心がけとしては、読まずに済ます技術が非常に重要である。
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名著にして人生の一冊。 〝もともとただ自分の抱く基本的思想にのみ真理と生命が宿る。我々が真の意味で充分に理解するのも自分の思想だけだからである。書物から読み取った他人の思想は、他人の食べ残し、他人の脱ぎ捨てた古着にすぎない。 我々自身の精神の中にもえいでる思想はいわば花盛りの春...
名著にして人生の一冊。 〝もともとただ自分の抱く基本的思想にのみ真理と生命が宿る。我々が真の意味で充分に理解するのも自分の思想だけだからである。書物から読み取った他人の思想は、他人の食べ残し、他人の脱ぎ捨てた古着にすぎない。 我々自身の精神の中にもえいでる思想はいわば花盛りの春の花であり、それに比べれば他人の本から読みとった思想は石にその痕をとどめる太古の花のようなものである″ (推薦者:篠崎)
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一回目に読んだとき、そんなこと言われても本が好きだし、読みたいのよ、と思ったので無視していたが、2回目に読んでみたら納得!ダイジェストで読むなら古典を一冊、熟読しろとはよく言われていることだけど、それ以外の大筋じゃない細部の言い分にも安心した。これからは、ゆっくりじっくり、哲学書と古典小説を…
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匿名批判、現代語批判、大衆批判、などと典型的な批判を繰り出している。 著者の、読書は自分の頭で考えることを放棄する行為だというような言葉はそれなりに知名度はあるらしいが、本書では上記の批判が140ページ中100近くに渡る。 現代でもありふれた批判であり、読む価値は無い。 しか...
匿名批判、現代語批判、大衆批判、などと典型的な批判を繰り出している。 著者の、読書は自分の頭で考えることを放棄する行為だというような言葉はそれなりに知名度はあるらしいが、本書では上記の批判が140ページ中100近くに渡る。 現代でもありふれた批判であり、読む価値は無い。 しかし、昔から同様のことはいわれ続けてきたという点を知ることは意味があるかもしれない。 この批判が中心過ぎてその他の内容がかすむのはもったいない気もする。 書いてある内容に対して本書自身がその典型的な例となっている。 反面教師な一冊。
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