井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 の商品レビュー
「自分にしか書けないことを誰にでもわかる文章で書く」のは難しいです。 日本語の使い方もわかります。
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「言葉で自分の考えや気持ちを相手に伝える」 誰もが日常的に行っている行為です。 だけど、そのことについて立ち止まって考えてみたことは、 そういわれるとないかもしれない。 書いたものが相手に理解されるとはどういうことなのか? 改行は?主語は?「は」と「が」の違いは? 井上ひさし...
「言葉で自分の考えや気持ちを相手に伝える」 誰もが日常的に行っている行為です。 だけど、そのことについて立ち止まって考えてみたことは、 そういわれるとないかもしれない。 書いたものが相手に理解されるとはどういうことなのか? 改行は?主語は?「は」と「が」の違いは? 井上ひさしさんの語りが柔らかくて、すいすい読めます。 言葉って、人間の基本だと思う。 言語学をかじった者としても興味深かったです。
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平成8年の講座を元にした作文技術の本。 「接続詞に気をつけましょう」みたいな小手先のことも書いてあるが、多くが文章テクニックではなく、日本語の根本的な部分に触れている。 井上さんは、いい書き手であり、かついい読者であることが、日本を建て直す一番の基礎工事になるといっている。...
平成8年の講座を元にした作文技術の本。 「接続詞に気をつけましょう」みたいな小手先のことも書いてあるが、多くが文章テクニックではなく、日本語の根本的な部分に触れている。 井上さんは、いい書き手であり、かついい読者であることが、日本を建て直す一番の基礎工事になるといっている。そのためには書くときにきちんと辞書を引き、考えて書かなければならない。 "書いては考える、考えては書く。そうして一歩ずつ前へ進みながら、ある決断を自分で下していく。 人間は書くことを通じて考えを進めていく生き物です。書いたものを世間に発表するかどうかは別として、ものを考える一番有効な方法――それは「書く」ことである(p.116)" 現代は、この考える間もなく文章を書き、それを発表するということが容易すぎる気がある。 twitterで「ケーキおいしい」と書いた数秒後に「日本終わってる」とつぶやく。そこにはケーキのおいしさにも日本の終末観にも薄っぺらいものしか感じられない。 なぜなら、それは「考えられていない」からである。 活字離れに対して「今はネットの普及により、文字に触れる機会は圧倒的に増えている」という論旨があるが、そこに質は保障されているのだろうか。考えられた文章なのだろうか。そして、自分が抱く感想は、「考えられた」ものなのだろうか。 以前は文章を発表する際のハードルが高かった。裏づけのない、つたない文章を発表することは、恥であった。考えをまとめ、辞書で調べながら下書きをし、清書したものを緊張した面持ちで発表することが当たり前だったのである。 今ではケータイを取り出し「日本終わってる」と書いて終わりだ。問題意識を感じてから5秒で発表できる。そこに「伝えたい内容」「それを発表することの意義」なんてものを考える時間は、存在しない。 私もブログで日記を書いている。考えながら書いているので、論理が破綻していたり、読みにくい文章になることがほとんどだ。当初は文章を書くことだけで楽しかったが、最近は良くないのではないかと思うようになってきた。下書きをしなければならないとまでは言わないが、あらかじめ文章の構成を考え、辞書を照会して正確な言葉を使う習慣を持った方が良い。 そうすることで、まともな文章を書く術を身につけることができ、それは、まともな文章を「見分ける」術を身につけることにつながる。それが、正しい情報を見分け、考えて生きることにつながるのである。
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「ひょっこりひょうたん島」や劇団「こまつ座」で有名な脚本家・井上ひさしさんが岩手県一関で開いた作文教室の内容をまとめている。 ‐いちばん大事なことは、自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文章で書くということ- -人間は書くことを通じて考えを進めていく生き物です- -「誠実...
「ひょっこりひょうたん島」や劇団「こまつ座」で有名な脚本家・井上ひさしさんが岩手県一関で開いた作文教室の内容をまとめている。 ‐いちばん大事なことは、自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文章で書くということ- -人間は書くことを通じて考えを進めていく生き物です- -「誠実さ」「明晰さ」「わかりやすさ」これが文章では大事なことです- など、様々な文章に関する明言を読むことができた。 仕事柄、文章を書くことが多いのだですが(物書きではない)、どのように書けばいいのか迷っていた節がありました。しかし、この一冊を読んで、「あぁ、自分にしか書けないことをわかりやすく書けばいいんだ」と吹っ切れた気がします。作文は文章の基本なんですね、再認識しました。もう一度読みたい一作。星5つ。
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文を書くことの基本。当然の内容が書いてあります。でも、改めて基本が難しくて、できてる人は少ないんだって感じます。だから高評価。 この本自体ものすごく読みやすくて、作文講座として説得力あるところも高評価。4章構成でそれぞれ「1時間目」とかで題されていて、実際4時間で読めた。 こ...
文を書くことの基本。当然の内容が書いてあります。でも、改めて基本が難しくて、できてる人は少ないんだって感じます。だから高評価。 この本自体ものすごく読みやすくて、作文講座として説得力あるところも高評価。4章構成でそれぞれ「1時間目」とかで題されていて、実際4時間で読めた。 この本は私がアルバイトで勤めている中学校の課題図書となっていて、生徒に「先生も読みなさい(笑)」と言われて読みました。この本をチョイスした国語科の先生はGood Jobだと思います。 最近学校では読書活動がきちんと取られるようになりました。私の頃にもこのような環境が整えられていたら良かったのになぁと勤めていて心から思います。 この本は井上ひさしさんがボランティアで宮城県の一関市でおこなった「作文教室」の講義内容がそのまま本になったモノです。 井上さんの文学者としての日本語の知識がたくさん詰まっていて、作文以外の知識も豊富に学べる一冊。だから読んでいて面白いんだろうな。 日本の国語教育に関する井上さんの考えも聞けて良かったです。
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「作文の秘訣を一言で言えば、自分にしか書けないことを誰にでも分かる文章で書くということだけなんですね」 そんな文章ではじまるこの本は、1996年11月15日から17日にかけての三日間、岩手県一関市で開催された「作文教室」での井上ひさし氏の講義内容をまとめたものだ。 ■「思った...
「作文の秘訣を一言で言えば、自分にしか書けないことを誰にでも分かる文章で書くということだけなんですね」 そんな文章ではじまるこの本は、1996年11月15日から17日にかけての三日間、岩手県一関市で開催された「作文教室」での井上ひさし氏の講義内容をまとめたものだ。 ■「思ったことを書きなさい」はプロにとっても難題 総じて参考になるものが多かったが、中でも印象に残ったことは「”思ったことをかく”はプロにとっても難題である」という井上ひさし氏の指摘だ。「プロでも書けないことを子供に書かせようとすることは何事かと」氏は学校の作文教育に警鐘を鳴らしている。本来子供に問いかけるべきは「(たとえば遠足などに行って)何を思ったのか書きなさい」ではなく「何をしたのか書きなさい」であるべきだろうと氏は言う。 つまり「何をしてきたのか、何を見てきたのか・・・モノゴトを正しく捉えそれを的確に表現すること」・・・まずはその訓練が最初だろうというわけだ。 この氏の指摘は”目から鱗”だった。わたしも子供に(ほんの数行だが)作文を書かせることがあるのだが「(子供が自分に)正しい質問を問いかけられるようになりさえすれば、文章なぞいくらでもかけると考えていた」。おそらく最終的にはそういうことなのだろうが、その前にまず「(遠足で)どこに行ったのか?何をしてきたのか?」あるいは「(読んだ本には)何が書いてあったのか?」・・・こういったモノゴトをとらえさせることが大事なのだ、と気付かされた。 もちろん、これは自分にも言える。 ■文章を書くことに興味がある人に と、こんな感じで色々な学びのある本である。文章の上手い下手に関わらず「文章を書くのが好きでもう少し上達してみたい」と思っている人・・・この本で述べられている「作文教室」の参加者たちはそんな人達ばかりである。同様の気持ちを持つ人ならば”買い”の本であると思う。 (書評全文↓) http://ryosuke-katsumata.blogspot.com/2012/03/141.html
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作文の書き方がわかる。 添削して講評している作文をそのまま掲載しているので、なにが良くて何が悪いかがわかり、とても参考になる。 (2011.10.30)
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大学の先生の薦めで読みました。 さすが、井上ひさしさん。 語り口から本当にわかりやすかったです。 伝えたいことを過不足なく伝えるとは本当に難しい。 けど、これを読んで、いろいろと文章を書きたくなってきました。 読んでよかったです。
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ものを書くことが減った。 書いてもレポートや小論文ばかり。 作文は性格がでて、とてもいい味がでることを再確認した。 国語教育についても言及しており、 興味深い。
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すごく勉強になる。 後半に実際の作品の添削が載っているのが良い。 あと、井上ひさしの人柄が出てる。
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