ミオよわたしのミオ の商品レビュー
初めて読んだのは、高校1年のときだったでしょうか。以来、忘れられない1冊です。 哀愁の漂う、神秘的で美しい冒険譚です。
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「ミオよわたしのミオ」この題名に胸騒ぎをおぼえた。ウップランド通りで行方不明になったボッセ少年は金のリンゴの導きで、『はるかな国』へと迷い込む。そこで自分はみなしごボッセではなく、美しく優しい王様の子ども、ミオであることを知る。ミオは親友ベンカと瓜二つの少年ユムユムと白い馬ミラミ...
「ミオよわたしのミオ」この題名に胸騒ぎをおぼえた。ウップランド通りで行方不明になったボッセ少年は金のリンゴの導きで、『はるかな国』へと迷い込む。そこで自分はみなしごボッセではなく、美しく優しい王様の子ども、ミオであることを知る。ミオは親友ベンカと瓜二つの少年ユムユムと白い馬ミラミスとともに、『はるかな国』を脅かす『外の国』の残酷な騎士カトーと対決に向かう。淡い光に包まれた美しい『はるかな国』に優しい父といながらも、ミオは常にウップランド通りでの生活を思い浮かべる。また『はるかな国』の王や親友や白い馬にウップランド通りに残してきた人々の面影がある。悪夢のようなカトーとの対決に勝ち、全ての取り戻された『はるかな国』なのに、さらわれた子ども達のために歌うなげき鳥が、啼きやまない理由にミオは気付かない。「ミオよわたしのミオ」それは少年の心が生み出し、その寂しい空洞にいつまでもこだまする切なる呼び声だ。望まれることを望む声。最後のなげき鳥が誰のために啼いたのか、これに小さな読者が気付いたとすれば、それはあまりに悲しい。子どもの孤独な心の有り様と、それが生み出す美しい幻想の冒険物語は、大人の読者が味わった方がより冴え冴えと染みるかも知れない。
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「ミオよわたしのミオ」 少年の心にこだまする切なる声の反響。 少年自身が生み出した声。 最後のなげき鳥が誰のために鳴いたのか、 これに小さな読者が気付いたとすれば、 それはあまりに悲しい。 大人の読者が少年の孤独に触れる冴え冴えとした幻想の冒険物語。
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みなしごの少年ボッセは、「はるかな国」に迷い込み、王子ミオとして、王様である父親の愛を一心に受け、ユムユムという親友を得、騎士カトーと戦うのだけれど。それはおそらくボッセの空想で。愛を求めても得られない少年は空想の世界に遊ぶしかなかったのかと思い至ると切なくて胸がつまる。
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みなしごとしてつらい日々を送っていた少年ボッセは、ある夜、別世界「はるかな国」へ迷い込みます。王子ミオとなり、白馬とともに残酷な騎士カトーと戦う少年の耳にひびいてきたのは、王である父の声でした。心ゆさぶる美しい物語
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