絶対安全剃刀 の商品レビュー
高野先生の初期短編集。絵柄が最近の作品とはだいぶ違って、今より少女漫画っぽい印象。でも視点は鋭く、お話もとても独特。また、微妙な年齢の女の子の心の揺れを描いたものなど、かわいらしいものも多い。 ひとつひとつがとても短く、色々なお話が沢山読める。
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少女マンガの異端児。幼少の背丈で大人たちを斜めに見る絶対少女である。80年代の垢ぬけなさと閉そく感を東京ではないどこかで語るその後ろ姿は、錆びついた剃刀で青白い皮膚の一枚をぬっと割こうとし、いつまでもできずにふるえているかのようだ。常に自分はここではないどこかにいるべき、というア...
少女マンガの異端児。幼少の背丈で大人たちを斜めに見る絶対少女である。80年代の垢ぬけなさと閉そく感を東京ではないどこかで語るその後ろ姿は、錆びついた剃刀で青白い皮膚の一枚をぬっと割こうとし、いつまでもできずにふるえているかのようだ。常に自分はここではないどこかにいるべき、というアウェー感が終始読者に居心地を悪くさせる。痴呆老人を幼児の姿で描いた『田辺のつる』にはガクブルせずには居れなんだ。
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うああキッツい! ものすごく「女子」のニオイがする。 私には合わなかった…。 でも確実にこれが感性にピッタリはまる人種がいる、はず。 しかるべき人に、しかるべきタイミングで、末永く読み継がれてほしいマンガだわ。
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銭湯のシーンが印象的。ゆで上がった白い皮膚、女のにおい、白い肌どうどう‥。少女が見た風呂場の女たち、その空間がリアルに思い浮かべられてすごいなーと思う。
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日常の中の狂気や、少しずつ崩壊していく価値観。 やさしい線でかかれた絵なのに、高野さんの漫画はどこか怖い。
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むつかしくて感想を言えるくらいよく噛み砕いて理解できなかったけど、銭湯の湯気の女の匂いとか、老婆の背骨とか垂れた乳房とか感覚的なものが強烈に残って、後でふとしたときに思い出してしまうことがあります。その部分だけ
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この人の描く話は、 不思議さにやられてまったく理解出来ないか、 一生忘れないくらい鮮烈に記憶に残るか、 そのどちらかだと思います。 この中で好きな話 ・田辺のつる ・ふとん ・うらがえしの黒い猫 ・うしろあたま
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高野文子の作風がまだ安定していなかった頃ですね。この頃の絵柄、特に「あぜみちロードにセクシーねえちゃん」や「うらがえしの黒い猫」のような繊細な絵柄がすごく好みです。話の内容で一番気に入ってるのは「玄関」です。これは本当に美しくて儚くて、懐かしい夏の雰囲気が感じられて、切なくなりま...
高野文子の作風がまだ安定していなかった頃ですね。この頃の絵柄、特に「あぜみちロードにセクシーねえちゃん」や「うらがえしの黒い猫」のような繊細な絵柄がすごく好みです。話の内容で一番気に入ってるのは「玄関」です。これは本当に美しくて儚くて、懐かしい夏の雰囲気が感じられて、切なくなります。 高野文子はかなりセンスのいい人なんでしょうね。読んでいて本当にそう感じます。あと、ギャグセンスもありますね。「いこいの宿」を読んで腹筋が死にそうになりましたから(笑)
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小学館の「小学6年生」という雑誌で、「夏休みに読んでおきたい本100」という特集があって、 そこでこの本と、岡崎京子の「pink」が紹介されていた。 15年以上前のことだ。 もちろん小学6年生には難しいマンガだったが、なんとなくずっと好きで、 数年後、理解できるようになってます...
小学館の「小学6年生」という雑誌で、「夏休みに読んでおきたい本100」という特集があって、 そこでこの本と、岡崎京子の「pink」が紹介されていた。 15年以上前のことだ。 もちろん小学6年生には難しいマンガだったが、なんとなくずっと好きで、 数年後、理解できるようになってますます好きになった。 「小学6年生」の編集者は立派だったなぁ、と思う。(Z)
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画が今と違う。でも中身はやっぱり高野さんで。シニカルでありつつ、幻想的さもあって。「田辺のつる」が好き。時代的には大友さんちょっと後くらいなのかな。大友さんの残影というか影響がところどころ見受けられる。そんな気がする。(08/4/23)
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