夏のおわりのト短調(文庫版) の商品レビュー
どの話も私には難しかったんだけど、自分の聖域を守ることに必死な人たちの、そこが崩れた時の絶望と解放が混ざり合ったような表情にカタルシスを感じた
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友達から借りて読んでみました。 少し難しかったかな…! ぶっ飛んでるシーンがたくさんあって、この時代の漫画ってこういう感じなのかな?とグルグルしました。 解説を読むといつもと違う作品だと言われているみたいで、もう1つ借りているのでそっちを読んでみたいと思います。
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1/12 再読 短編が5作品あるけど、表題作が一番好きかな。叔母さん一家に預けられた少女が、幸せな感じの家庭の歪(ひずみ)に気がつく話。 全作品、明るさと哀感のバランスがいい。 「裏庭の柵をこえて」で、庭の木が切られて(元)大学生が号泣するシーンがなんとなく印象的だった。 みんなどこかおかしいところを持っていて、ちょっとのきっかけで崩れてしまう危うさがある。 「あまのかぐやま」で、女学生がアルコール中毒で見ていると思った幻覚が、古典の授業のプリントに載っていた和歌の情景だったのが素敵すぎる。
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青春を四季のどこかになぞらえるなら、やっぱり春~夏だと思う。 だから、眩しい季節の終わりを惜しむセンチメンタリズムのお供には、憂鬱な短調がよく似合う気がする。 なんだか素敵なタイトルだなあと心惹かれて手にした一冊。 いつが青春の終わりなのか、いつから少女は大人になるのか。 厳...
青春を四季のどこかになぞらえるなら、やっぱり春~夏だと思う。 だから、眩しい季節の終わりを惜しむセンチメンタリズムのお供には、憂鬱な短調がよく似合う気がする。 なんだか素敵なタイトルだなあと心惹かれて手にした一冊。 いつが青春の終わりなのか、いつから少女は大人になるのか。 厳密で明確なボーダーラインは無いはずなのに、その時が来ると、目に見えない何か大切なものが、手の指の間から滑り落ちていくような救いようのない気分になる。 それが、豊かな感受性なのか、揺れ動く感情の波形なのか、揺るがぬ純粋な信念なのかはわからないけれど。 天衣無縫な心に綻びが生じ、身軽さを失っていくむずがゆさを思い出せるお話だった。 思春期の葛藤真っ只中の時期に読むのもよいけれど、月日が経って大人になった今読んでも、また違った趣があっておつだった。 世の中を知って、静かに諦めを覚えてもなお、自分の心の奥の奥に隠れているいつぞやの少女と久しぶりに対面出来た気がする。 残念ながら、わたしはまだ、大人になり切れていないらしい。 「たそがれは逢魔の時間」と「裏庭の柵をこえて」が特にお気に入り。
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「鳴いてる鳥をライフルで撃てる?」ゆがんだ家族の話。自分の作ったものを素知らぬ顔で破壊されるのは非常に嫌な気分。最終的に蔦子おばさんの最後をやさしく包む家族であったのが救いである。一番の被害者といった顔をしていたおばさん以外は全員家族としての自覚と愛情を持っていたというのがなんとも悲しい。家庭崩壊炎上の原因の一端が自分の両親にもあると知った主人公が強かった。 主人公の私だったらズダダダダと叫ぶシーンが気に入っている。
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身に刺さるような痛みを感じる作品集。 「たそがれは逢魔の時間」の崩壊感覚、 「裏庭の柵をこえて」の疎外感が皮下にびっしりと詰まった夏の感じ、 そして「赤すいか黄すいか」の人が灰になる場面!
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表題作を含む5つの作品集。独特な世界観の中で人の心のずれや病みや狂いみたいな事が描かれてる。ふっと考えると恐くなるような内容は面白い。表題作の西洋館に暮らすおばさまが狂ってく様は心理ホラー。おじさんと少女のお話は切なく…いや、どれも濃い。
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収録作「裏庭の柵をこえて」(1981年)を 初めて読んだときは涙ボロボロ止まらなかった。 これを読んで、泣きはしないまでも、 涙する私に共感してくれない人とは友達になれない気がする。 蠱惑的な美少女に惑わされてよろめくオジサンを描いた 「たそがれは逢魔の時間」も好き。
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このへんから大島先生のポエティックな世界観を、ちゃんと好きっておもえるようになったと思う。それまでは「こんなに文字が多くて線が細い漫画どうやって読んだらいいの!文字に絵が埋もれている!」って大混乱だった。 この時代の女の子の清廉潔白さって、今はきっとどこを探しても無いのだろうな...
このへんから大島先生のポエティックな世界観を、ちゃんと好きっておもえるようになったと思う。それまでは「こんなに文字が多くて線が細い漫画どうやって読んだらいいの!文字に絵が埋もれている!」って大混乱だった。 この時代の女の子の清廉潔白さって、今はきっとどこを探しても無いのだろうな。無意識の内に男の人に残酷な事を言えてしまう女の子ってすごくせつなくて愛しい。大島先生の登場人物って皆危なかっしくて見ていてはらはらしてしまう。応援せずにはいられない。こういう人間らしさの表現を、漫画って言う媒体で表すっていうのは大島先生にしか出来ない。
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ははーん だいぶ好きだな、今までの大島作品ナンバー2くらいいくよ。 微妙な年頃によくある揺れる思いを、こうもサラっと書いてしまえる。
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