夏のおわりのト短調(文庫版) の商品レビュー
思春期の女の子が持つきらきらとした理想や不安感、残酷すぎるほどの潔癖さ、汚れた者たちへの嫌悪感。大人になるということはそれらを脱ぎ捨て、生々しく醜悪な現実を泥だらけになりながら生きるということの切実な意味を知ってしまうことなのかもしれません。汚れた存在に抗いながら、客観的で乾いた...
思春期の女の子が持つきらきらとした理想や不安感、残酷すぎるほどの潔癖さ、汚れた者たちへの嫌悪感。大人になるということはそれらを脱ぎ捨て、生々しく醜悪な現実を泥だらけになりながら生きるということの切実な意味を知ってしまうことなのかもしれません。汚れた存在に抗いながら、客観的で乾いた視線で大人が持つ湿った感情を切り捨て、現実と幻想の間を行ったりきたりしながら、幻想に脚を取られないように、かと言って現実という沼に引き摺りこまれないようにもがき苦しむ季節の後に、長調から短調へと旋律が切り替わる、誰にでもそんな瞬間が訪れるのでしょうか。この本の中には思春期の少女だけではなく、それをとおに通り過ぎた人々にとっても求めずにはいられない、永遠に続く純粋なものへの憧憬があります。大島さんは、そんな感情を掬いとるのが本当に上手いです。上手すぎます。でも、あの痛々しい季節に戻りたくはないなぁ。
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全編いい感じの編集 「たそがれは逢魔の時」 昔の好きな女の子に気持ちを伝えられなかった 過去に縛られている40の男が 当時の面影がある少女に出会い恋をする話 妻は浮気していて この少女は売春をしている 男は抱いていいといわれるが 預金を全部渡して売春をやめるようにつたえる ...
全編いい感じの編集 「たそがれは逢魔の時」 昔の好きな女の子に気持ちを伝えられなかった 過去に縛られている40の男が 当時の面影がある少女に出会い恋をする話 妻は浮気していて この少女は売春をしている 男は抱いていいといわれるが 預金を全部渡して売春をやめるようにつたえる 少女は売春をやめ 男はまた過去に縛られて 妻と何事も無かったように生活を送る 深い・・・ 「裏庭の柵を越えて」 結構好きな話 世間からはずれた感覚の大学生のお兄さんと 小学3年生の女の子の話 大学生の価値感はなんか共感できた 「赤すいか黄すいか」 普段は能天気だけど生理痛になると 自暴自棄で陰鬱な性格になる女の子の話 ヒトを傷つけながら つらさから自分を開放する術を見つけて成長していく 「あまのかぐやま」 女子高生達と古文教師の物語 女子高生達に臆する事無く 自分を通す古文教師が素敵に見える
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表題作は、最初は読みにくく意味がわかりづらいなと思っていたら、突然ラストですべて美しく収束したのでおどろいた。
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