高橋留美子傑作集 赤い花束 の商品レビュー
高橋留美子先生にハズレなし。 中年の男女が主人公の短編集。 父の介護を任せっぱなしにしていた妻が入院することになり、その間介護と仕事を両立することになった男の話「ヘルプ」と、飲み会で腹踊り中に死んでしまった男が、腹踊りをしていた姿のまま幽霊になって自分の葬式を見ている「赤い花束」...
高橋留美子先生にハズレなし。 中年の男女が主人公の短編集。 父の介護を任せっぱなしにしていた妻が入院することになり、その間介護と仕事を両立することになった男の話「ヘルプ」と、飲み会で腹踊り中に死んでしまった男が、腹踊りをしていた姿のまま幽霊になって自分の葬式を見ている「赤い花束」が特にじんと来た。
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高橋留美子の作品集。 ありそうな日常の勘違いを面白おかしくセンスは流石です。「日帰りの夢」なんて自意識過剰なおやじにありがちな気持ちを見事に描いている。 「おやじグラフィティ」は単身赴任から帰ったおやじと家族関係、それに絡む近所のバカ親の物語。 「義理のバカンス」は題材としてよく...
高橋留美子の作品集。 ありそうな日常の勘違いを面白おかしくセンスは流石です。「日帰りの夢」なんて自意識過剰なおやじにありがちな気持ちを見事に描いている。 「おやじグラフィティ」は単身赴任から帰ったおやじと家族関係、それに絡む近所のバカ親の物語。 「義理のバカンス」は題材としてよく使われる義理の母と嫁の話。途中のギクシャクした関係が最後に融ける。義理の母の愚痴はあの年代ではアルアルであるような気がする。 表題作の「赤い花束」は情けない(と思い込んだ)おやじと家族の物語。最後はホロリとされられる。 作者のギャグセンスと組み立てのうまさが光る作品集だ。
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突然亡くなった中年男性の悲哀とラストがホロリと心に染みる。 奇抜なキャラでは無いが出てくる人達の個性がドラマを彩っているような気がします。
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特に好きなのはやっぱり『赤い花束』。 感動してとにかく泣いた。他も面白かったけれど、らんま、犬夜叉世代の私には面白さがわからない部分もあった。 母の世代はすごく面白いと言っていた。 でも、ありふれた日常をここまで素敵に描けるのだから素晴らしい!
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読みやすく、とくに突飛でないネタ・テーマを、さえないおっさんが楽しく安心して読めるようよく仕立てられている。
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『Pの悲劇』『専務の犬』に次ぐ第3弾傑作集。中年家庭のささやかな幸せを題材にしたシリーズですが、毎回ほんとうに完成度が高いです。心から素直に「ああ、いいなあ」と感じてしまう大衆マンガの到達点。
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I love youを示す手話が出てこない。 そういった意味で、るーみっくワールドでは異色の作品。
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一日を無事に終えて帰宅した我が家には家族が待っている。そういうおもいが足を家路に急がせる。誰にもそういう時期も確かにあった。しかし、家に帰って想像していた団欒の風景が、まったく違った気配となって居心地の悪いときもある。太いベクトルのなかの細かい光線が交差して何かがゆがむ。なにが悪...
一日を無事に終えて帰宅した我が家には家族が待っている。そういうおもいが足を家路に急がせる。誰にもそういう時期も確かにあった。しかし、家に帰って想像していた団欒の風景が、まったく違った気配となって居心地の悪いときもある。太いベクトルのなかの細かい光線が交差して何かがゆがむ。なにが悪いのでもなく、日々の暮らしに慣れ親しんであらゆる感覚が麻痺してくる。そうすると処方箋が必要になり、それは生活の剰余とも言われる芸術の分野に委ねられるのだろう。 そのひとつで私にとってもっとも親しみやすいのが高橋留美子ワールドである。彼女は昭和30年代生まれ、てんびん座という2点で私と共通する。あの「めぞん一刻」の作者である。面識はないが私の中の高橋はあの音無未亡人である。 ある日疲れて家に帰ると妻と子供が出前の寿司を食べているプロローグから、ひとりで食おうとおもった駅弁の寿司を妻と子供と食って終わるラストシーンにしみじみする「日帰りの夢」。そしてこの短編集の表題作「赤い花束」に泣かない男はいない。泣く前にうろたえる。エンディングテーマ曲に「百万本のバラ」を選んで観客席に座ろう。
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