トーマの心臓(文庫版) の商品レビュー
萩尾作品の有名な「トーマの心臓」。 なんかよくわかんないけど、「すごい」ということだけは理解できる。 哲学的というか、なんというか。 言葉に上手くできないけど、心にとても印象を残す作品だった。 モヤモヤした感じと晴れ上がったような気持ちとか交錯して変な感じ。 どなたかの感想で「サ...
萩尾作品の有名な「トーマの心臓」。 なんかよくわかんないけど、「すごい」ということだけは理解できる。 哲学的というか、なんというか。 言葉に上手くできないけど、心にとても印象を残す作品だった。 モヤモヤした感じと晴れ上がったような気持ちとか交錯して変な感じ。 どなたかの感想で「サイフリートは創世記でいう蛇のような存在」のコメントになんとなく腑に落ちた感じだった。
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あまりにも有名な萩尾望都氏の初期の傑作。最近、長山靖生著「萩尾がいる」を読んだので、図書館で借りて何十年ぶりかで再読してみた。 自分も歳をとり、それなりの人生経験を重ねてきた。そこでこの作品を読み返すと、いろいろな解釈ができるのことに気付いた。単なるBLの本ではないと感じる...
あまりにも有名な萩尾望都氏の初期の傑作。最近、長山靖生著「萩尾がいる」を読んだので、図書館で借りて何十年ぶりかで再読してみた。 自分も歳をとり、それなりの人生経験を重ねてきた。そこでこの作品を読み返すと、いろいろな解釈ができるのことに気付いた。単なるBLの本ではないと感じる。 これを小説で描いていたら、きっと芥川賞をとっていたかもしれない。他の人が書いたものがありますけど(未読です)。 あと、歳のせいで文庫版コミックは絵も文字も小さく、読み続けるのが辛くなってきた。
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「許すこと」について 「受け入れる」よりも重くて、ずっと覚悟の必要な行為 愛に順位などつけたくないけど、一番純度の高い愛があるとしたらこれなんじゃないかと思った 「彼が私を愛さねばならない」、決して自分勝手な思いではないこのことば、、ユーリに生きていてほしいが故のことば 誰もが...
「許すこと」について 「受け入れる」よりも重くて、ずっと覚悟の必要な行為 愛に順位などつけたくないけど、一番純度の高い愛があるとしたらこれなんじゃないかと思った 「彼が私を愛さねばならない」、決して自分勝手な思いではないこのことば、、ユーリに生きていてほしいが故のことば 誰もが誰かを許したり、求めたり、そうして欠けた翼を補い合って生きている。 簡単に思えるこの理を、生死や宗教を絡めながら文字通り少しずつ悟っていく作品、「理解」なんてもっての外だと思う 「翼をあげる」の場面何度でも読み返せる涙 キリストとユダの関係性もうちょっと勉強する
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これは献身の物語だろう。登場人物たちは初めから愛されている。けれども愛されるだけじゃ足りない。愛することでやっと幸福になることができる。 今はここまで
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1974 何度も読んだはずだが今回ようやく気付いたのが、キリスト教でいうユダとイエスの関係が重ねられているのだということ。 今までは少年愛、ギムナジウム、という意匠に、あっけなく惑わされ、いわば気軽に耽溺していたのだ。 なぜトーマは死んだのか。 ユーリが暴力に屈して信仰を捨て(かけ)たからこそ。 →八角形眼鏡のサイフリートは終盤突然差し挟まれた人物では決してなく、創世記でいう蛇的存在だった。 トーマはいわば身を徹してユーリを「正しい道」に引き戻したのだ。 いってみればユーリおまえ全員から愛されているんだぞ、と、作品の外から言ってやりたい。何度でも。 プレ作品である「11月のギムナジウム」と比べるとエーリクがコミカルな活躍をするのも、息抜きになって、よい。 が、個人的には少しスレた感じのオスカーが、ほんっとうによくてよくて。 思わず続けて「訪問者」を読んでしまった。
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―― 部屋の一角に本棚とは別に、ちょっと特別なタイトルを並べてるところがあるんですよ。 その中にもちろん、トーマの心臓も入ってるわけなんだけれど、 いまじっとその背表紙を眺めていて、ふと気付いたんですよ。 だいたい全部どういうきっかけで手に取ったかを憶えているんだけれど、萩尾望都だけそれがはっきりしない。 実家の図書館にあったのは間違いないとして、流石に全部読み尽くしたってわけじゃないからなぁ…多分こっそり姉貴の少女漫画を読み漁ってた頃に混ざり込んだんだろうなぁ。 歳の離れたきょうだいが居ると、こういう面白さはあるよね。なんであれ物語なら読んでみるか、となる自分の節操の無さに結構感謝しているところもある。ダウンタウンがBLしてる同人誌とか、そうでもなきゃ読まないよね…そんな時代もあったんやで…! さて。根っからのオスカー推しです。 彼のなんというか器用貧乏感というか。万能であるからこそ、本当の欲求からは遠いところに居るあの感じが、ずっと好きです。なんやかや、オスカーの持ってる要素がすべて、それぞれの抱えているものを照らし出している。なんてキツい役回り。そりゃこれくらいのキャラクタじゃなきゃ背負えないか。 ところで今回サイフリート・ガストのなんとも云えない「……」ってひとコマに妙に引っ掛かった。 なんかもっと悪し様に描かれていてもおかしくないなぁ、と思って。なんだか取って付けたように悪役振って「楽しい晩だったな!」とか云っちゃってるように見えた。自分が損なったものを目の当たりにして居た堪れなくなっているような。 凄く俗っぽいたとえで云うなら、遊び半分で手を出した挙げ句自分の方が本気になってしまったんだけどもう決して関係を修復できない相手を見るような(主観入りすぎやて)。 別に誰も彼をも救おうと思っているわけじゃないんだけれど。 彼もまた、ユリスモールに対してああするしか、ああいう形でしか自分をぶつけられなかったことに、何かを感じていてもいいんじゃないか、って。 とりまきのひとりも居なかったというのも、変化の兆しと読むこともできる…かな? きっと読み返すほどに書くことは増えて、けれど感じられなくなっていくことも増えていくんだろうなぁ。 はてさて。いつまで☆5かな?
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13歳のトーマ・ヴェルナーが陸橋から転落死し、1学年上のユーリに対し遺書が送られていた「これがぼくの愛 これがぼくの心臓の音」。半年前、トーマは学校一の優等生のユーリに好意を寄せていたが全校生徒の前できっぱりと拒絶されていた。彼の死の真相に苦しむユーリと見守る友人のオスカー。そんな時トーマとそっくりなエーリクが転入してくる。 ドイツのギムナジウムを舞台に少年たちの愛と死、信仰と赦し、そして再生を描く。心に耐え難い傷を抱え完全に心を閉ざした少年、ただ見守り待っている少年、自己犠牲により愛を示す少年、事態を読み解く鍵となり核心に触れる少年、それぞれの無垢な純粋さが尊い。 「今 彼は死んでいるも同然だ。そして彼を生かすために、ぼくはぼくの体が打ちくずれるのなんか なんとも思わない 」 「どうして神様はそんなさびしいものに人間をおつくりになったの?ひとりではいきていけないように」 「彼がぼくの罪を知っていたかいなかが問題ではなく、ただいっさいをなにがあろうと赦していたのだと、それがわかった時ぼくはもう一度主のみまえで心から語りたいと思い。。。」
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大泉サロン関連本初読み1974年S49週刊少女コミック連載開始。初回読書アンケート最下位で打ち切り危機を 乗り越えての誕生秘話。独ギムナジウム(寄宿学校)が舞台。ユーリに想いがあったトーマがある冬の朝死亡する、黒髪のユーリ、両親がいないオスカー、トーマにソックリマザコン転入生エー...
大泉サロン関連本初読み1974年S49週刊少女コミック連載開始。初回読書アンケート最下位で打ち切り危機を 乗り越えての誕生秘話。独ギムナジウム(寄宿学校)が舞台。ユーリに想いがあったトーマがある冬の朝死亡する、黒髪のユーリ、両親がいないオスカー、トーマにソックリマザコン転入生エーリク。人間の愛をキリスト教と絡めて問う少女マンガを超えたまるで小説のような作品同じギムナジウム竹宮惠子さん少女マンガ革命少年愛「風と木の詩」とは世界観違いを感じました。
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物語も、言葉も、描線も、聞こえるはずのない音楽も、全てが美しい。トーマのか与えた愛、エーリクの愛、オスカーの愛、そして神への愛。 愛、というのは永遠のテーマであり語り尽くされることも描き尽くされることもなく、完全なる定義はきっとあたえられない。でも、『トーマの心臓』は、愛というも...
物語も、言葉も、描線も、聞こえるはずのない音楽も、全てが美しい。トーマのか与えた愛、エーリクの愛、オスカーの愛、そして神への愛。 愛、というのは永遠のテーマであり語り尽くされることも描き尽くされることもなく、完全なる定義はきっとあたえられない。でも、『トーマの心臓』は、愛というものに1つの輪郭と答えを与えている。それは完全ではなく、あくまで1つの輪郭に過ぎないのだけど。
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永遠の名作。最近、森博嗣さんの小説を読んで、頭にきた。オスカーは、そんなじゃない! 親友、なんて言葉を、あんなにたやすく、使ったりしないだろう。怒!萩尾望都先生の世界を壊さないで! もう、こっちを読み返して、気分をなおす。…やはり、名作だ。私は、オスカーが、大好きなのです。15...
永遠の名作。最近、森博嗣さんの小説を読んで、頭にきた。オスカーは、そんなじゃない! 親友、なんて言葉を、あんなにたやすく、使ったりしないだろう。怒!萩尾望都先生の世界を壊さないで! もう、こっちを読み返して、気分をなおす。…やはり、名作だ。私は、オスカーが、大好きなのです。15歳にして、あの大人感。…素敵です。
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