藤子・F・不二雄異色短編集(文庫版)箱船はいっぱい(3) の商品レビュー
三連休なのでたまには漫画を読みたくなった。 昔から漫画はほとんど読まないけど、この『異色短編集1〜3』は定期的に読み返したくなる。 藤子・F・不二雄さんのSF漫画。 最初に読んだのは25年くらい前で、もう何回読んだかわからないくらい読んでる。 シュールでダークで完全に大人向け...
三連休なのでたまには漫画を読みたくなった。 昔から漫画はほとんど読まないけど、この『異色短編集1〜3』は定期的に読み返したくなる。 藤子・F・不二雄さんのSF漫画。 最初に読んだのは25年くらい前で、もう何回読んだかわからないくらい読んでる。 シュールでダークで完全に大人向け。 若い時はただ怖いと思うだけだったけど、歳を重ねると読んだ後に考えさせられる深い内容だなと感じ方も変わった。 少し前にNHKでドラマ化されてたけど、やっぱりこの世界観は漫画じゃないと出ない。 『異色短編集2』で特に好きなのがこの2作。 『イヤなイヤなイヤな奴』 これを読んでからは、すごい嫌な奴がいた時に必ずこれを思い出す。 ◆あらすじ 宇宙船の閉ざされた空間では、派閥や仲間割れなどでクルーのストレスも限界に。そこにミズモリというクルー全員から嫌われているすごいイヤな奴が…。 『カンビュセスの籤』 トラウマになるやつ。 最後のページのセリフと絵が忘れたくても忘れられなくなる…。 ◆あらすじ はるか未来の地球上に生き残ったのはたった2人。食糧も尽きた2人がとった行動は…。 藤子・F・不二雄さんより “ 僕にとっての「SF」は、サイエンス・フィクションではなくて、「少し不思議な物語」のSとFなのです。”
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大傑作「どことなくなんとなく」。証明されていない、誰にもわからない疑問。その終着点が我々が「想像もしきれない」方に行くという展開を見せる。「何かに縋り付きたくなった」ベッドシーンの虚しさが少し笑えてもくる。 「ノスタル爺」。過去に執着をもった結果身も心も過去に存在してしまう話。
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藤子・F・不二雄の短編集は、いくつか読んできましたが、これも傑作ばかりでした。青年誌に掲載されたものが中心なので、欲望にまつわる生々しい話も多いです。
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夏に川崎の藤子・F・不二雄ミュージアムに行き、その帰りにポチった一冊。ちょうど異色短編集の原画展をやっていて、まだまだ読み足りない...!!思い、異色短編集3,4併せて購入。原作は1970年代でそれが色褪せず面白いってすごいけど、人の本質とか常識とか日本的なシニカルお笑いは50年...
夏に川崎の藤子・F・不二雄ミュージアムに行き、その帰りにポチった一冊。ちょうど異色短編集の原画展をやっていて、まだまだ読み足りない...!!思い、異色短編集3,4併せて購入。原作は1970年代でそれが色褪せず面白いってすごいけど、人の本質とか常識とか日本的なシニカルお笑いは50年くらいじゃ変わらないんだなとも思う。歴史を追っていけば50年どころじゃないんだろうけど。 一方で、当時は未来としていた2030年に近い今の時代に読む面白さもあって、自宅の寝室(和室)でタバコ吸っているシーンとかノスタル爺そのものの設定(横井庄一、よっこいしょういちの人)はピンと来なくて変な引っ掛かりも感じつつ、時代を想って面白い。 印象的だったのは以下。 ・イヤなイヤなイヤな奴:いつの時代も敵が必要。 ・カンビュセスの櫛:「なぜそんなにまでして生きねばならぬのか」→「遺伝情報を残し地球上の生物を再生するために生き伸びる義務がある」。戦後で命の価値への理解がいまとは違うような気がした。翻訳機完成までのエステルの会話も気になる。全体がきれいで儚い。 ・ノスタル爺:色々調べてようやく理解できた。横井庄一フィーバーを感じさせられる。 ・あのバカは荒野を目指す:タイムスリップしても自分は自分。タイムスリップしても意外と歴史は変わらない?
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4から始めて遡り読み漁る流れで3の本書へ。見事に中身が時を遡る設定で、妙な気分に◎ とは言えやっぱり藤子F不二雄らしい作風で納得落ち着き読めました。割と核兵器に対する警鐘が折り込まれているよね:)
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カテゴリ:図書館企画展示 2018年度第1回図書館企画展示 「大学生に読んでほしい本」 第1弾! 本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。 木戸功教授(人間関係学科)からのおすすめ図書を展示しています。 展示中の...
カテゴリ:図書館企画展示 2018年度第1回図書館企画展示 「大学生に読んでほしい本」 第1弾! 本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。 木戸功教授(人間関係学科)からのおすすめ図書を展示しています。 展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。 開催期間:2018年4月16日(月) ~ 2018年6月15日(金) 開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース 作者はコンビで描かれていた藤子不二雄さんのうち『ドラえもん』などを描かれた方です。かれらは少年漫画以外にも、大人向けの作品をたくさん描いておられて作品集がいくつか刊行されています。これは「異色短編集」と題された4巻もののシリーズの第3巻にあたります。この『箱舟はいっぱい』にはわたしが社会学の入門的な授業で教材として使っているちょっとシュールなSF「どことなくなんとなく」が収められています。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
藤子・F・不二雄短編集の第三弾。 相変わらず、ブレなしの作品。 未来を見据え、科学を考慮し。 それでも尚ナンセンスに漫画に昇華している。 どこかシュールでニヤリとする作品。
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才能の塊ですね僕の稚拙な文章力ではその世界を評価するのは非常に難しいですが頭の中が素晴らしいなと感じました。このような偉人たちを超える人は現れるのでしょうか...
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今回はタイムマシンやミニチュアカメラも出てきて大人のドラえもんって感じだ。読んでいると感覚がグラっと揺らされる 「イヤなイヤなイヤな奴」が面白かったな。初めは何か企んでいる陰険な奴かと思いきや、それこそが目的だったとは 希望の見えるような終わり方のもあれば、お先真っ暗なものも...
今回はタイムマシンやミニチュアカメラも出てきて大人のドラえもんって感じだ。読んでいると感覚がグラっと揺らされる 「イヤなイヤなイヤな奴」が面白かったな。初めは何か企んでいる陰険な奴かと思いきや、それこそが目的だったとは 希望の見えるような終わり方のもあれば、お先真っ暗なものもあるのが良い
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念願の三巻。 時間跳躍、もうひとりの自分との出会い。 この人の想像力は漫画という形をとっているが、ものすごく考えているひとだと思う。 こうした種々のエッセンスがドラえもんなど他の作品に生きているのを見ると、なぜ漫画という形を彼が選んだのかとても興味をそそられる。 時間跳躍の果て出...
念願の三巻。 時間跳躍、もうひとりの自分との出会い。 この人の想像力は漫画という形をとっているが、ものすごく考えているひとだと思う。 こうした種々のエッセンスがドラえもんなど他の作品に生きているのを見ると、なぜ漫画という形を彼が選んだのかとても興味をそそられる。 時間跳躍の果て出会う、もうひとりの自分。なぜ今目の前にいるのは俺なのに、俺じゃないのか。ことばよりもそれは鮮やかに、その不思議を教えてくれる。 時間という観念、生きること死ぬことという観念、観念を作り出すひとりの存在。 彼の描く絵の中ではそれが息づいている。吹き出しのない、ことばのないコマの中で、たしかに力を持って。
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