藤子・F・不二雄異色短編集(文庫版)箱船はいっぱい(3) の商品レビュー
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「イヤなイヤなイヤな奴」「どことなくなんとなく」「ノスタル爺」がお気に入り。 それ以外も面白いけど。 ▼箱船はいっぱい 本当の本当のことは一握りの人しか分からないんだろうな、という意味でリアル。 ▼権敷無妾付き きつねとぶどう、そのもの。 ▼イヤなイヤなイヤな奴 よく出来た話。共通の敵をもつことで、集団はとても強くなる。本当にビジネスに出来そう。 ▼どことなくなんとなく 考えてみたらとても怖い。 ▼カンビュセスの籤 食に関すること、それも人を食うということに興味があったようだ。 ▼俺と俺と俺 パラレルワールドかと思いきや異星人ものの一種。 ▼ノスタル爺 味わいのある話。 ▼タイムマシンを作ろう 大人の汚れっぷりったら。 ▼タイムカメラ 秘密道具もの。なぜあんな課長に…! ▼あのバカは荒野をめざす 昔を懐かしむジジイの話。過去に遡れたとしても変えることはできなかった。ただ、ジジイが過去の自分と向き合って、やる気になった。 ▼ミニチュア製造カメラ 3Dプリンターをどうにかすれば現実に出来そう。 ▼クレオパトラだぞ アンハッピーエンド。輪廻転生もの。
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[ノスタル爺]は最高傑作だと思う。 にしても改めてタイプしてみると、このタイトル酷いな。しかし、すごい切ない話でもギャグっぽいシンプルな絵とストーリー。もう様式美。だからこそ、無駄な部分はなく、惜しげも無く、あっさりとまとめてしまった。だから、こんな安いタイトルでもいいんです。
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映画バックトゥザフューチャーの中で、ドクが黒板に左から右へ横線を引いて、さらにその線の半ばから伸ばした枝を、左から右へ書く。本線の先に「現在a」、枝の先に「現在b」を示す。そんなシーンがある。 本書で描かれる短編はいずれも、起こり得る「現在b」だ。あるいは、手塚治虫「火の鳥 未...
映画バックトゥザフューチャーの中で、ドクが黒板に左から右へ横線を引いて、さらにその線の半ばから伸ばした枝を、左から右へ書く。本線の先に「現在a」、枝の先に「現在b」を示す。そんなシーンがある。 本書で描かれる短編はいずれも、起こり得る「現在b」だ。あるいは、手塚治虫「火の鳥 未来編」を感じるかもしれない。 現在aと現在bは、どちらが正しい、あるいは、どちらが幸福かという、作り物の二元論を除いた世界を問うてくれる。それを知っているからこそ古今東西で、取り上げられる文法であり続けるのだろう。 現在aと現在b。それは不幸な兄弟なのかもしれない。
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201306 「ノスタル爺」のインパクトは凄まじい。 2021追記 ■異色短編集3 箱船はいっぱい(全12話) 箱舟はいっぱい ★怖。 権敷無妾付き イヤなイヤなイヤな奴 どことなくなんとなく ★唯識。 カンビュセスの籤 ★ラスト1ページどんな気持ちになれば。 俺と俺と俺...
201306 「ノスタル爺」のインパクトは凄まじい。 2021追記 ■異色短編集3 箱船はいっぱい(全12話) 箱舟はいっぱい ★怖。 権敷無妾付き イヤなイヤなイヤな奴 どことなくなんとなく ★唯識。 カンビュセスの籤 ★ラスト1ページどんな気持ちになれば。 俺と俺と俺 ノスタル爺 ★気ぶり。悲惨と幸福が同時に。 タイムマシンを作ろう タイムカメラ ※ヨドバ氏 あのバカは荒野をめざす ミニチュア製造カメラ ※ヨドバ氏 クレオパトラだぞ
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いずれも終末を描いた「箱舟はいっぱい」「どことなくなんとなく」「カンビュセスの籤」、この3編がとりわけ妙なリアリティをもっていて恐ろしく読者の前に迫ってくる。 「箱舟はいっぱい」では、人類が滅亡すると見せかけ、ロケットで脱出するという詐欺があったが、それは国民の目を騙すもの...
いずれも終末を描いた「箱舟はいっぱい」「どことなくなんとなく」「カンビュセスの籤」、この3編がとりわけ妙なリアリティをもっていて恐ろしく読者の前に迫ってくる。 「箱舟はいっぱい」では、人類が滅亡すると見せかけ、ロケットで脱出するという詐欺があったが、それは国民の目を騙すものであったが、どっこい、 実はそれは本当に地球が壊滅的影響をもたらすという真相を欺くダミー機構であり、国の要人が静かにシェルターの中に入っていくためのものであったというとんでもないどんでん返しである。 「どことなくなんとなく」 みなさんは、「自分が直面している現実は、実はすべて偽物で、自分は本当は培養液のなかの脳だけであるのではないか」といった考えをしたことはないだろうか。 この作品では、あるサラリーマンの抱えた「自分が絶対無のなかにポツンと置かれているような孤独と恐怖」がテーマで、描かれるものは彼の日常的な生活と、それに対するリアリティのなさという悩みだが、 一気に、それが崩れ、宇宙のなかの虚空に主人公が置いていかれる。 「カンビュセスの籤」 古代ペルシアの戦争で、食料が尽き、籤を引いて人間同士食べ合うようになった状況の中から、生きたい一心で霧の中へ逃げ込み、 タイムスリップして「終末戦争」後の人類が一人しかいない世界という別の地獄に飛び込んできたサルク。 そこでも、地球外の生命体への救いの応答を待ち、何万年ものコールドスリープを続けるが、そのための食糧として人間を「ミートキューブ」にして生き延びる以外手がないという極限の状態であった。 1999年7月に地球が滅びるなんていうノストラダムスの予言があって、子どものときは酷く恐ろしく思えたのだが、 また2012年に何かが起こるなんていう終末論も囁かれるようになってきた。 本当に人類が滅亡するのは実は本当にあっけないことかもしれない。 ・・・怖くなってきた。
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オトナがハマる、コドモには読ませたくない 極上エンターテインメント で ございます!! きまぐれ図書館のレビューはコチラ http://ameblo.jp/kimagure-library/entry-11426073610.html
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「あのバカは荒野をめざす」を読みたくて買ったのですよ。タイトルからギャグ、というかブラックコメディみたいな展開を想像していたら、かなりシリアスでびっくり。絵柄も劇画調だし。タイムスリップした主人公が若い頃の自分に別な生き方を見つけるよう説得するんですが、まあ、失敗しちゃうんですけ...
「あのバカは荒野をめざす」を読みたくて買ったのですよ。タイトルからギャグ、というかブラックコメディみたいな展開を想像していたら、かなりシリアスでびっくり。絵柄も劇画調だし。タイムスリップした主人公が若い頃の自分に別な生き方を見つけるよう説得するんですが、まあ、失敗しちゃうんですけど。似た内容の「ノスタル爺」は本当にそんな老後を選択しちゃって良かったの?と疑問に思ったのですが、「あのバカは荒野をめざす」は前向きなラストで逆にびっくり。「タイムマシンを作ろう」でうっかり腐妄想したりしましたよ。私自身は過去へ戻りたい、やり直したいと考えたことがあまりなくて。それは決して今の人生が幸福に満ちてるから、というわけではなく、戻っても結局同じような人生を送るんじゃないかな〜とか思うからなんですよ。「タイムカメラ」と「ミニチュア製造カメラ」はとんでもない代物を手に入れたというのに、庶民的なオチで終わるところが面白かったですよ。もっと違うことに使えば権力を手に入れられたかも、とか思うわけですが、私もきっと同じような使い方するんだろうな。つまり発想が庶民だし、過去へ戻っても庶民は庶民だから同じような生き方するだろうから、私にタイムマシンってまさに猫に小判なんですよ。って途中から感想でも何でもなくなったな。
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カンビュセスのエピソードに矛盾がある気がする。 クローン等の生物再生技術があるのなら、23回も犠牲者を出さす前に、自分たちのコピーを作って、それをミートキューブにすればいいのでは? 本作では時間をテーマにしたエピソードが多かった。
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「ノスタル爺」はせつない。郷愁。 人間は分岐点にもどって償いをしてやっと自分を回復することができる。
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全然よんだこと無かったけど藤子・F・不二雄すっげー!!と思わせられた。やられた。 手塚治虫よりもニヒルで冷たい感じ、リアルです。
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