無能の人,日の戯れ の商品レビュー
大学の授業で取り上げられ、興味を持って読んでみた。わくわくして第一話を読むと「なんと退屈な!」と肩透かしを食らったようだった。現代漫画に浸かった人間からすれば、違和感がするのも無理ない。それでも少し我慢して読み進むにつれ、じわじわとつげの世界にハマっていった…。 1960年代...
大学の授業で取り上げられ、興味を持って読んでみた。わくわくして第一話を読むと「なんと退屈な!」と肩透かしを食らったようだった。現代漫画に浸かった人間からすれば、違和感がするのも無理ない。それでも少し我慢して読み進むにつれ、じわじわとつげの世界にハマっていった…。 1960年代の日本、それも地方田舎の風景、人間…すべてが泥臭く、洗練されず、未完成である。現代なら、全国どこへ行っても同じような風景がコピーされているが、この漫画には、かように便利で整理整頓された風景など、ない。つげが恐らく自分で旅をして出会ったであろう風景は、生々しくも、大変風通しがいい。「著者の主張やテーマ」云々が押し付けられることもない。「無能の人」だからこそ、再読のたびに発見がありそうだ。
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今なお絶大な人気を保ち、映画化もされているつげ義春の作品集。 『池袋百点会』は映画化したら絶対面白いと思うんだけどな。
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