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残酷な神が支配する(文庫版)(1) の商品レビュー

4.5

56件のお客様レビュー

  1. 5つ

    34

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    1

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2011/05/14

傷を受け、それを受け入れる物語。 読んでて辛いのに、読むのをとめられなかった傑作。 ラストが穏やかな終わり方で本当に良かった。 良かった。

Posted byブクログ

2011/05/08

大体明るい気分の時に読む物ではない。落ち込んでいてどうしても浮上できない時に、じゃあとことんまで落ち込んでやろうじゃないの!と思って私は読みます。すると止まらない。辛すぎて途中でやめることができない。最後まで読まないと……そして辿り着いた崖に、すっとした光のような、救いのような物...

大体明るい気分の時に読む物ではない。落ち込んでいてどうしても浮上できない時に、じゃあとことんまで落ち込んでやろうじゃないの!と思って私は読みます。すると止まらない。辛すぎて途中でやめることができない。最後まで読まないと……そして辿り着いた崖に、すっとした光のような、救いのような物があって、また落ち込んだ時に読むことになるのです。犠牲と救いの話と思う。

Posted byブクログ

2011/03/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恋を知り始めた男の子ジェルミ。依存的な母親の再婚を引き金とした受難と贖罪と再生。 萩尾望都さん得意の親子、性、愛がテーマのお話です。 文庫版全10巻。 ※男性同士の性描写や虐待シーンが在りますご注意。 ジェルミが虐待を受けるのはフラワーズインタビューで親子問題をクリアーにする為と作者が言っていた。女の子とではなくイアンと支え合うようになるのはなぜだろうと考えていたけど、あの時点でジェルミに必要だったのは見つめ合う癒しでは足りなくて、同じ視線の先を目をそらさず苦しむ共犯者、ジェルミの購いや意思を聞いてくれる観察者が必要で、それがイアンだったからかなと思う。(バレンタインは同志、イアンは共犯(観察)者という印象) 「お前の痛みから目をそらさない」 この台詞の後もなんども迷い、苦しむイアンのように読み手も揺さぶられながら物語は進んで行きます。 「ジェルミとイアンが結ばれて、幸せになる」ようなラストでなく、いろんな人との関わりが不可欠で、そのなかで変わって行ったということが本当に素敵だった。それは自分で生き方を選びとったという事。 以前の自分にはどうしたって戻れないけれど、穴が空いていてもそれが自分だと。ツギハギのまま、そのまま生きて行くんだと、それでいいんだという事を描ききり、ラストの明るいトーンで描かれた2人が小舟に乗るシーンは本当に素晴らしい。 先は分からないし、小さな舟は揺れるし、途中でまた迷い流される事も在るかもしれないけれど、小舟の上で2人が感じるであろう夏の太陽の光、そよぐ風やせせらぎを希望として瞼や頬に感じるような静かな、素敵な終わり方でした。これは終わるまで9年かかるわけです。 無関心はツタのように愛や憎しみの形を借りて、緩やかに誰かを壊す。愛は自分を怪物にするのではないかと恐れたり…作中のエピソードがいちいち刺さって、読むのが苦しくて辛くて、でも何度も読みたくなる名作。 こんなに丁寧なつくりの作品を読めて、出会えて幸せ。

Posted byブクログ

2010/11/24

 この話、相当エグいです。  覚悟して読み始めないと、痛い目みます。特に性的虐待と同性愛が苦手な人は要注意。  私も性的虐待というテーマは、血反吐を吐きたくなるほど生理的に駄目なのですが、それでも最後まで読まざるを得ない麻薬のような作品でした。一度読み始めたら、絶対に途中でやめら...

 この話、相当エグいです。  覚悟して読み始めないと、痛い目みます。特に性的虐待と同性愛が苦手な人は要注意。  私も性的虐待というテーマは、血反吐を吐きたくなるほど生理的に駄目なのですが、それでも最後まで読まざるを得ない麻薬のような作品でした。一度読み始めたら、絶対に途中でやめられない。  なんというか、人間の愛憎、殺意、偽善、執着、欺瞞とか、とにかく思いつく限りの負の感情をどろどろに溶かして混ぜ合わせて作りました、みたいなイメージ。  しかも、心理描写が妄執的と言えるほど緻密なために、安直な「悪者」というものが存在しない。性的虐待を繰り返していたグレッグにさえ、許せないはずなのにどこか理解できなくもない部分が出てきてしまうという恐ろしさ。  曖昧さや虚りを許さないリアルが忠実に描かれているというか……当然、漫画ですから虚構なんですけど、登場人物の苦悩や感情に無理がないし、嫌悪感を抱いてしまうのですけど、それを人間の持ちうる弱さとして理解できるからこそ、いつも以上に感情移入してしてしまい、やりきれなかったです。  なんだろう。臭いものには蓋、じゃないですけど、この話の登場人物が持っている弱さは、多分、私たちが心のうちに持っているもので、普段は隠しているそれを突きつけられているような気になるのかな。  冒頭がお葬式で始まり、その後に回想としてストーリーに入るのですが、最初が特に精神的にきついです。主人公のジェルミが追い詰められていく様とか半端なく心臓が痛くなります。  この話、大雑把に二部に分けられると思うのですが、一部はジェルミが殺意を抱くまでの過程と、それが成ってしまうまで、そして二部はジェルミとイアン、それぞれの罪と許し、そして再生がテーマなんじゃないかなと思いました。  つっても二部も歪んでるし、鬱ってるし、一部に引き続き精神的に重さメガトン級なんですけどね。でも、二部があって少なくとも私は救われました。ラストもはっきりとした形ではないんですけど、微かに光が感じられてよかったなぁ。最後までどうなるかわからなかったので、祈るような気持ちで読み進めていました。萩尾さん最後まで書ききってくださってありがとうございます! 救いようのないバッドエンドじゃなくて本当によかったよ……。  かなり内容がダークアンドヘビーなので、そういうのに耐性ない人はきついかもです。でも、私はこの作品と出会えてよかったなぁと思います。どこかで読みましたけど、このお話が30禁ってなんだか妙に納得。人を選ぶけれど、圧倒的な力を持つ作品でした。

Posted byブクログ

2010/11/14

文庫本、全10巻読破。目を閉じて、どんなに心の耳をそばだてても、ジェルミにもイアンにも近づけない。心は痛くなるけど、涙が出ない。

Posted byブクログ

2010/09/09

半分以上読みましたが、途中で挫折。 養父からの性的虐待、暴行。殺人に、ドラッグ等など。 重いテーマの漫画ですが、心理描写や比喩が恐ろしく上手で美麗です。力ずくで引きずり込むような魅力があります。 放棄したのは、前半ではなく、後半を過ぎてからのジェルミとイアンの、再生へ向かうま...

半分以上読みましたが、途中で挫折。 養父からの性的虐待、暴行。殺人に、ドラッグ等など。 重いテーマの漫画ですが、心理描写や比喩が恐ろしく上手で美麗です。力ずくで引きずり込むような魅力があります。 放棄したのは、前半ではなく、後半を過ぎてからのジェルミとイアンの、再生へ向かうまでの過程が好ましくなかったからです。

Posted byブクログ

2010/08/30

エグイ、が、それを凌駕する圧倒的な心理描写の数々。 鍔のコレクター? ええそうです、ここから拝借致しました、ふふ。

Posted byブクログ

2010/08/30

この作品は、連載時にとびとびで読んでいましたが、あまりに深く暗い問題作なので、まとめて読み通す勇気がありませんでした。 でも、一番つらい思いをしたのは、大作を描ききった作者萩尾望都。 大変な思いをしてまで、重い作品を社会に出して作者が伝えようとしたことに、目をそらしてはいけないと...

この作品は、連載時にとびとびで読んでいましたが、あまりに深く暗い問題作なので、まとめて読み通す勇気がありませんでした。 でも、一番つらい思いをしたのは、大作を描ききった作者萩尾望都。 大変な思いをしてまで、重い作品を社会に出して作者が伝えようとしたことに、目をそらしてはいけないと思います。 クオリティは高く評価されていますし、問題作としてきちんと向き合うべき内容です。 完結して文庫版になっていたので、自分も傷を負う覚悟で、初めから通して読んでみようと決心しました。 ジェルミと母親サンドラは、アメリカ人なんですね。 ちゃんと明るいガールフレンドもいる、普通の学生だった彼が、母親の再婚がきっかけで、次第に廃人のようになっていってしまうとは。 彼に迫りくる災難と悲劇がわかるだけに、冒頭のアメリカでのはつらつとした彼が痛々しく見えてなりません。

Posted byブクログ

2010/06/06

萩尾先生が神です。過去作品でこれだけの長編はないのではないかしら。 とにかくジェルミの告白からが見所。 カバー内側の作者一言欄で「逆の展開(前半がイアン目線で後半がジェルミの回想)でやっていたら読者から反応がどうなったかな、と考えるとワクワクする」みたいな事が書いてあって、作家に...

萩尾先生が神です。過去作品でこれだけの長編はないのではないかしら。 とにかくジェルミの告白からが見所。 カバー内側の作者一言欄で「逆の展開(前半がイアン目線で後半がジェルミの回想)でやっていたら読者から反応がどうなったかな、と考えるとワクワクする」みたいな事が書いてあって、作家に翻弄される喜びを覚えた。 もちろん構成だけではない細部の描写や言葉がエグく、美しく儚く。コミックス14巻の表紙が好きだ。この本は本屋で売り続けたい。読者を獲得し続けたいです。名作。

Posted byブクログ

2010/05/19

落ち込む…本です。ほんっとにグレッグ酷い。こんなにも醜い本性が人間のどこかに隠れているのか…ゾッとする。全10巻。9巻までしか読んでない。読み終わるのが怖い。

Posted byブクログ