覘き小平次 の商品レビュー
全ての登場人物に対する印象が、最初と最後で全く反転してしまう。京極氏の物語の構成力に脱帽。幽霊役者小平次にまつわる話。
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生きているのに「生きていないようなもの」てえ存在は恐ろしい。五臓六腑にまで冷気を感じて堪えられない。小平治のまわりに徘徊する魑魅魍魎のような男と女、考えただけでぞっとする。名と実に裂け目の入った人間たちの現の世の怪談話。ほんに人は怖いもの。
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なんともゾクリとする作品。すっきりと「わかった!」とは言えないんだけど、じわじわと「あーこうゆうことなのかなぁ」と理解できるような気がする。
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押入れから覘くという行為は、ある意味子供染みた行為ではないか。押入れからみた世界は、自分がさっきまで存在していたとは思えない世界に見えてしまう。小平次は大人になりたくなくて、押入れから覘き続けているのかもしれない。
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小平次は幽霊をやさせたら敵う者はないという役者で、さらには愛情深いのです。 周りは勝手に彼の存在に様々な感情を抱き、行動し、反省し、殺したり死んだりします。 しかし、彼は「いるだけ」です。 「いるだけ」ということを、考えたくなる作品。存在するとは何でしょうか?
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