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数学的思考法 の商品レビュー

3.5

39件のお客様レビュー

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2012/04/20

元来、「世界史のデキる理系」「数学のデキる文系」はカッコイイと思っていた。かくいう自分も学生時代は密かに後者を目指していた。 数学を大学でも続けたくて経済学部を選んだし(あまり勉強しなかったが…)そもそも文理選択時に相当迷った記憶がある。 本書では日本の数学教育のあり方について半...

元来、「世界史のデキる理系」「数学のデキる文系」はカッコイイと思っていた。かくいう自分も学生時代は密かに後者を目指していた。 数学を大学でも続けたくて経済学部を選んだし(あまり勉強しなかったが…)そもそも文理選択時に相当迷った記憶がある。 本書では日本の数学教育のあり方について半ば憂慮を交えながら論じている部分があるが、学生時代に数学を好きになれた自分は割と幸せで恵まれていたのかもしれない。 数学教育論のみならず実生活にどれほど、そしてどのように数学が関わっているかも書かれており更に数学への興味・親しみが湧いた。 試行錯誤を勧める点や、終盤における論理的思考への数学の応用について学べたのは、今の自分にとって大きな収穫であった。 余談だが、読了後思わず本棚から青チャートを探した自分のなんと感化されやすいことよ…

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2012/06/19
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※このレビューにはネタバレを含みます

「数学的思考法」としてよりも、現代における数学(理科系)教育の問題点の方が印象が強く残りました。 よく数学の何が役に立つのかと聞かれたことがあります。 ここで書く「数学」というものが「計算能力・公式暗記能力」と解釈すると まったく役に立つことはないでしょう。電卓、パソコンの方がどんなにも役に立つでしょう。 このように、日本の数学教育を受けると大切なのは最後に出てくる 「計算能力・公式暗記能力」の対価としての「答え」になります。センター試験が典型例ですね。 しかし、数学は「考える学問」であり、答えも大事ですが導く過程が何よりも大切なのです。この過程を経ることで「考える」ことを行う学問なのです。答えばかりを重視しているようでは数学は役に立ちません。このように考えると文系・理系関わらず数学の重要性を感じてもらえるのでないでしょうか。 この本は、「数学をなんで学ぶの」と思っている方は一度手に取るとよいと思います。

Posted byブクログ

2012/03/15

こんなにも数学から学ぶべきことが多かったとは。。。この言葉が本書を読んだ人たちの最初の一言になるのは間違いないと思う。「条件反射丸暗記」学習法による数学教育では、数学の楽しみや奥深さを知る事はできないのはもちろん、数学に恨みや憎しみを持ち続けてしまう人も多いだろう。そんな人たちの...

こんなにも数学から学ぶべきことが多かったとは。。。この言葉が本書を読んだ人たちの最初の一言になるのは間違いないと思う。「条件反射丸暗記」学習法による数学教育では、数学の楽しみや奥深さを知る事はできないのはもちろん、数学に恨みや憎しみを持ち続けてしまう人も多いだろう。そんな人たちの呪縛を解き放つきっかけにもこの本はなり得るし、数学が好きな人もこの本の著者まで数学的な考え方を拡張できている人は少ないに違いない。おすすめの本。

Posted byブクログ

2012/01/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

試行錯誤、論理的な説明の説明があります。 読んでも、まだ説明力が増えていないのは自分の能力不足なのかもしれない。

Posted byブクログ

2012/01/09

この本は、「数学」あるいは、「数学教育」をテーマにした読書会に非常に適していると思いました。(特に、非専門家を対象としたもの)本書の構成は、まえがきに書いてあるように、数学、数学教育関連についての小論文の集合のような構成になっています。ですので、どこからでも読めます。たくさんある...

この本は、「数学」あるいは、「数学教育」をテーマにした読書会に非常に適していると思いました。(特に、非専門家を対象としたもの)本書の構成は、まえがきに書いてあるように、数学、数学教育関連についての小論文の集合のような構成になっています。ですので、どこからでも読めます。たくさんあるトピックのうち、いくつかでは割と強引な論理展開をしているところも見受けられるのですが、逆にそういう「突っ込みどころ」があるほうが、読書会・討論会などでは盛り上がるきっかけとなりそうだと思いました。トピックの切り出し方がとてもいいと思います。どれも興味深く、問題意識を喚起するテーマです。非専門家による、教養としての「数学」「数学教育」に関する勉強会をする、という目的であれば、本書を課題本に入れておくことで、話が広がりやすくなると思います。

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2011/12/29

いかに現代の大学生・社会人が数学・算数に弱いかを著者の観点から述べた後に、数学の楽しさを数字を用いて説いていく本です。でもその実態は説明がやたらながったらしいロジカルシンキング本です。

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2011/06/05

数学はやり方だけ覚えても意味がない。 計算が速くできるだけでも意味がない。 証明など、なぜそうなるかをよく考え、試行錯誤し、よく理解してきちんと説明できるからこそ応用も聞くようになるし、数学以外のところでも役に立つ考え方の勉強になる。 日ごろから考える癖をつけること、じぶんなりに...

数学はやり方だけ覚えても意味がない。 計算が速くできるだけでも意味がない。 証明など、なぜそうなるかをよく考え、試行錯誤し、よく理解してきちんと説明できるからこそ応用も聞くようになるし、数学以外のところでも役に立つ考え方の勉強になる。 日ごろから考える癖をつけること、じぶんなりにきちんと考えることを忘れてはいけない。そしてその積み重ねが運良くひらめきにつながることも有る。 その他、場合わけ、データの取り方、戦略的思考など身近なものの考え方に数学は関係深いことを改めて感じる。

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2011/04/24

物事を考えるとき、説明するときにはとにかく試行錯誤すること、書いてみることが大事。その際にポイントとなる具体的な視点を与えてくれる内容です。より分かりやすく納得のいく説明ができるようになるヒントが詰まっています。

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2011/03/03

教育論が5割、数学的な物事の捉え方が3割、論理的な説明力のヒント2割といった印象。難しい数式や定理がないので、完全に文系の僕でもサクッと読めました。 現代の日本の数学力の低下が、様々な問題に対して悩んだり試行錯誤する能力を削いでいるので、数学教育のあり方を変えるべきだと主張する...

教育論が5割、数学的な物事の捉え方が3割、論理的な説明力のヒント2割といった印象。難しい数式や定理がないので、完全に文系の僕でもサクッと読めました。 現代の日本の数学力の低下が、様々な問題に対して悩んだり試行錯誤する能力を削いでいるので、数学教育のあり方を変えるべきだと主張する。また、物事を数学的に捉えることで新しく見える世界、理解しやすくなる事例、簡潔に説明できる思考法などを紹介している。 ・数学科60(50?)校 ・パー→チョキ→グー

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2011/01/24

「数学的思考力」とはなんだろうか。論理的に順を追って考えていくことだろうか。副題にあるように、「数学的思考ができれば説明力がつく」というのが著者の主張だ。数学は「考えること」を学ぶものであり、試行錯誤しなければ学べない。それについて、自分も共感する部分があった。何度も問題を解くう...

「数学的思考力」とはなんだろうか。論理的に順を追って考えていくことだろうか。副題にあるように、「数学的思考ができれば説明力がつく」というのが著者の主張だ。数学は「考えること」を学ぶものであり、試行錯誤しなければ学べない。それについて、自分も共感する部分があった。何度も問題を解くうちに、最初はよくわからなかった部分がピーンとつながる瞬間がある。それが、実際に理解したということだろう。 本書は、そんな数学的思考力を身につけるため、数学を学ぶ上で必要なことが、コラム風にまとめてある。1つのコラムは4~8ページ程度で読みやすい。著者は東京理科大学理学部教授であり、専門は数学・数学教育というだけあって、日本の数学教育への批判が多い。私は将来、教育の道に進みたいと考えているので、参考になった。 気になったのは、インドの数学教育についての記述。インドが2ケタ×2ケタの掛け算を暗記して、あんなに数学ができるようになるのには、私も疑問を感じていた。むしろ、覚えるのは効率が悪いと思っていたが、実はインドでは証明を大事にする教育がなされているという。それがインドの発展につながっている。それなのに、日本はまだマークシート型のセンター試験や、やり方を重視した教育をしている。私も教員になったら、考え方 をしっかりと伝えられるようになろう、と思った。 「説明力を鍛えるヒント」というよりは教育批判が目立つ。攻撃的な主張に圧倒されるが、考えさせられる1冊だ。

Posted byブクログ