象の消滅 の商品レビュー
おすすめ。
ニューヨーカーたちによってセレクトされた、短篇が17編。村上春樹という作家が、言葉の壁を越えて愛されていることを改めて実感する。すみずみまで読んで、堪能したい。村上春樹初心者にもお薦めです。
abtm
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
英語版と同じ構成で贈る初期短篇集。 もうね、ワードセンスといい、独特の村上春樹節が感じられる。ワタナベ・ノボル、やれやれ…スパゲティー、ラジオ…とか あ、ここにも。みたいな発見があるのが面白い。 一作ずつ、読みやすい短篇なのでいろんな料理をつまみ食いしてるような感覚で、読んでいて楽しかったですね。 ●特に気に入った作品まとめ ・「納屋を焼く」 言われてみたらあぁ、そうかと思うけど、いやいや焼かないでしょ!という話の目の付け所が面白い。そんな作品が多い気がする。ありそうで無い現実と、非現実が交差する世界の中立を描いているのかなと。 ・「踊る小人」 象工場の描写、小人!いやー、ここを結びつけられるって凄いな〜とただただ感心。 ・「沈黙」 この作品集の中では一番現実世界に近いところにいるリアルさを感じられる作品。この感じ、体験してないと書けなくないか?と思っちゃう。実際、どんな背景があって書いた作品なんだろうと気になった。 ・「象の消滅」 さすがタイトルになってる作品。不思議なストーリーと後半、余韻が楽しめる。ありそうなリアリティのある表現にはついクスッと笑えてしまう。
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外国で出版されたのと同じ体裁ということですが、本のサイズや分量など非常にいい感じで、手に取るだけでもいい気分になりますね。「納屋を焼く」「ファミリー・アフェアー」「午後の最後の芝生」が好き
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今回、女性の「やれやれ」が多く見受けられた カンガルー通信、眠り、ファミリー・アフェアが特に好きでした
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まさに初期のベストアルバム サイドディッシュを食べるように 他の長篇小説の合間に1篇ずつ 17の短篇の多くは 僕を笑顔にしてくれた 「沈黙」はグッと胸にきたけど・・ 日々、色々考えごとをしながらも 頁をめくると頭が冷んやり楽になる やさしい風が吹きぬけていくようで
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友達が貸してくれて読みました。村上春樹の作品はだいすきですが、「象の消滅」と「めくらやなぎと眠る女」は本の装丁がかわいくて特に気に入っています。ありふれた日常の中に生まれる違和感が、ぞくぞくとひびくような短編集でした
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非日常でありながら、何故か日常的。 前書きのレビューが本書をよく言い表していると思う。 何かを訴えてくるものは少ないが、一編を通して何かが浮き上がってくるような気もする。深く考えても分からないけれど、そのような読み方でも十分に面白い。
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繋がっているような物語もあるし、それ単体の物語もある。 前の物語の余韻を残したまま次の物語を読んで、不思議な気持ちになる。
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村上春樹にしかない余韻が全ての作品にある。 この世の真っ当さに疑問を持てる余韻。 沈黙が良い話だと思いつつ、最後は悲しみに打ちのめされる。どうしたって暴力の傷痕は残るのだ。
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う~ん・・・やはり難解なものが多い。 面白いものもあるのだが・・・ 英文和訳を読んでいる感覚に陥るのは気のせいだろうか。
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