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プーさんの鼻 の商品レビュー

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24件のお客様レビュー

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2024/11/19

俵万智さんの歌集ですね。 『子どもの歌、恋の歌、家族の歌……。短歌は、私のなかから生まれるのではない、私と愛しい人のあいだにうまれるのだ。三十代半ばから四十代はじめの作品を整理しながら、あらためてそう思った。愛しい人との出会いに感謝しつつ、三百四十四首を、本集のために選んだ。』と...

俵万智さんの歌集ですね。 『子どもの歌、恋の歌、家族の歌……。短歌は、私のなかから生まれるのではない、私と愛しい人のあいだにうまれるのだ。三十代半ばから四十代はじめの作品を整理しながら、あらためてそう思った。愛しい人との出会いに感謝しつつ、三百四十四首を、本集のために選んだ。』と、あとがきに綴られています。  俵万智さんの、若山牧水賞、受賞の第四歌集です。  腹を蹴られなぜかわいいと思うのか    よっこらしょっと水をやる朝  吾のなかに吾でなき我を浮かべおり    薄むらさきに過ぎてゆく梅雨  ぽんと腹をたたけばムニュと蹴りかえす    なーに思っているんだか、夏  秋はもういい匂いだよ早く出ておいでよ    八つ手の花も咲いたよ  バンサイの姿勢で眠りいる吾子よ    そうだバンサイ生まれてバンサイ  唯一の存在という危うさを    子と分かちあう冬空の下  生きるとは手をのばすこと幼子の    指がプーさんの鼻をつかめり  記憶には残らぬ今日を生きている    子にふくませる一匙の粥  こんもりと尻あげたまま眠りいる    吾子よ疲れた河童のように  たんぽぽの綿毛を吹いて見せてやる    いつかおまえも飛んでゆくから  自分の時間ほしくないかと問われれば    自分の時間をこの子と過ごす  叱られて泣いてわめいてふんばって    それでも母に子はしがみつく  ふるさとに降る雪年々減るという    父母のめぐりは軽くなるらし  揺れながら前へ進まず子育ては    おまえがくれた木馬の時間  着ぶくれて石拾う子よ人類は    月まで行って拾ってきたよ  リセットのできぬ命をはぐくめば    確かに我は地球を愛す  俵万智さんの歌集を読むと、付箋だらけに成るのが常ですが、出産からの子育ての歌は、どれも感動が波打たれていて、全部書き出したい衝動に襲われました。感動の歌集ですね。

Posted byブクログ

2023/07/23

若山牧水賞受賞作品。 俵万智さん40代の初めの頃の歌集。 作者あとがきより 八年半ぶりとなるこの歌集には、子どもの歌が圧倒的に多い。ちょっとどうかと思うほど、たくさん作ってしまった。同じ素材、同じテーマで、こんなに作ったのは初めてのことだ。 いや、同じ素材でありつづけないから...

若山牧水賞受賞作品。 俵万智さん40代の初めの頃の歌集。 作者あとがきより 八年半ぶりとなるこの歌集には、子どもの歌が圧倒的に多い。ちょっとどうかと思うほど、たくさん作ってしまった。同じ素材、同じテーマで、こんなに作ったのは初めてのことだ。 いや、同じ素材でありつづけないから、作らされてしまう、と言ったほうが正確かもしれない。 子どもは大げさでなく、一日一日変化してゆく。 その存在に振り回される日々の中で、なんとか自分の心を、言葉で追いかけてきた。 たぶん短歌でなかったら、できなかったと思う。子育ては、驚きと慣れの連続だ。一度慣れてしまったら、はじめの驚きの感覚は失われてしまう。それはそうでなかったら、前へは進めないわけで、子どもが歩くことに毎朝感動している親はいないだろう。だからこそ初めの一歩の驚きを逃さずに三十一文字に刻みたいと思った。 ー以上作者あとがきより抜粋 俵さんはお子さんに普通の親が何度もカメラのシャッターを切るような調子で三十一文字を刻んでこられたのだと思いました。 カメラとはまた違う表現手段でご自分と息子さん、他のご家族の気持ちまで刻むのだから、短歌ってすごい! 短歌の魅力が改めてわかった気がしました。 ○夕飯はカレイの煮つけ前ぶれを待ちつつ過ごす時のやさしさ ○どこまでも歩けそうなる皮の靴いるけどいないパパから届く ○もう会わぬと決めてしまえり四十で一つ得て一つ失う我か ○新生児ふかふか眠る焼きたてのロールパンのごと頭並べて ○バンザイの姿勢で眠りいる吾子よ そうだバンザイ生まれてバンザイ ○ひざの上に子を眠らせて短編を一つ読み切る今日のしあわせ ○生きるとは手をのばすこと幼子の指がプーさんの鼻をつかめり ○フリージア、スイトピーなど飾れるに子はまずつかむ白きかすみ草 ○一分まとめて進む長針がひた、ひた、ひたと迫るさよなら ○軽々と肩車されしはしゃぐ子よそれが男の人の背だよ ○たんぽぽの綿毛を吹いて見せてやるいつかおまえも飛んでゆくから ○自分の時間ほしくないかと問われれば自分の時間をこの子とすごす ○ブーケストおどけてキャッチする我の中で何かが泣きそうになる ○何度でも呼ばれておりぬ雨の午後「かーかん」「はあい」「かーかん」「はあい」

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2022/12/19

手元に置いて、ふとした時に読み返したいと思える作品だった。子育て中だから、より響いたというのはあるかもしれない。詩集を読むのは初めてだったが、詩から自分の経験を思い出したり、様子を想像したり、短い一文でこんなにも楽しめるということを知れてよかった。日常のふとした瞬間を大切にしたい...

手元に置いて、ふとした時に読み返したいと思える作品だった。子育て中だから、より響いたというのはあるかもしれない。詩集を読むのは初めてだったが、詩から自分の経験を思い出したり、様子を想像したり、短い一文でこんなにも楽しめるということを知れてよかった。日常のふとした瞬間を大切にしたい、と思わせてくれる作品。

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2022/05/11

歌集を読みながら自分と家族との関係を振り返った。 とても大切にされていると思うし、少し照れちゃうけど私も負けないぐらい愛情を伝えていきたいなーと思う

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2022/04/26

妊娠したことをきっかけに手に取った本。 短歌も、俵万智さんの本もはじめて読みました。 限られた言葉を読むだけで、季節感や尊い一瞬の情景が広がっていくのがすごいなあと思いました。 愛おしさであふれる気持ちになったり、切ない気持ちになったり、一冊でいろいろな感情を味わえます。 子ども...

妊娠したことをきっかけに手に取った本。 短歌も、俵万智さんの本もはじめて読みました。 限られた言葉を読むだけで、季節感や尊い一瞬の情景が広がっていくのがすごいなあと思いました。 愛おしさであふれる気持ちになったり、切ない気持ちになったり、一冊でいろいろな感情を味わえます。 子どもの歌も、恋愛の歌も、家族の歌も、ひとつひとつがすばらしく、連続性のあるものもあるので、アルバムのページを開いているような感覚がありました。 大切な一冊に出会えた気がします。

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2021/12/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

たった31文字にこんなに心揺さぶられるなんて!どの歌も、まるで目の前の光景かのように思い浮かべることができる。おもしろいのも切ないのも、自分が子どもと過ごしてきた時間を作品として飾ってもらったような気持ちになってしまった。 あとがきの、「子育ては、驚きと慣れの連続だ。」に大いに共感。驚きの瞬間をそのままギュッと言葉に閉じ込めてあるような、新鮮な感じがした。 恋の歌には儚さが、家族の歌には昔を懐かしむ感じがあった。影響されやすい質なので、自分でも短歌を詠んでみたくなった。

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2019/08/19

作者が30代後半から40代前半の作品集。 圧倒的に子育てに関するものが多く 見つめていた時間、気づき、感動の 多さが感じられる。 まるでスマホで写真を撮るように 短歌を記したかのようにライブ感、勢いを感じた。 その中にかぞくのこと、恋のことが詠まれていることで 作者に立体...

作者が30代後半から40代前半の作品集。 圧倒的に子育てに関するものが多く 見つめていた時間、気づき、感動の 多さが感じられる。 まるでスマホで写真を撮るように 短歌を記したかのようにライブ感、勢いを感じた。 その中にかぞくのこと、恋のことが詠まれていることで 作者に立体感がでてきた。 アラフォー、シングル、ワーキングマザー 食べることが好きで、家族関係も良好。 歌に現実味が増し、親近感がわいてきた。

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2019/11/16

さかのぼってあなたを否定するわけじゃないけど煮えすぎている白菜 夜泣きするおまえを抱けば私しかいないんだよと月に言われる 「これもいい思い出になる」という男それは未来の私が決める 落ちこんでいるひまもなく子を風呂に入れおりどうってことはなかりき 子を連れて冷やし中華を食べ...

さかのぼってあなたを否定するわけじゃないけど煮えすぎている白菜 夜泣きするおまえを抱けば私しかいないんだよと月に言われる 「これもいい思い出になる」という男それは未来の私が決める 落ちこんでいるひまもなく子を風呂に入れおりどうってことはなかりき 子を連れて冷やし中華を食べに行くそれが私の今日の冒険

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2018/04/04

い図。2人目を出産して、生まれたての息子の顔を見ていたら、上の娘が生まれてから読んだ俵万智さんの短歌がチラチラと思い出され(生まれてバンザイ とか)、もう一度読みたい、もっと多くの育児系の作品を読みたいと思い、図書館にあった5冊を母にリクエストして借りてきてもらった。『たんぽぽの...

い図。2人目を出産して、生まれたての息子の顔を見ていたら、上の娘が生まれてから読んだ俵万智さんの短歌がチラチラと思い出され(生まれてバンザイ とか)、もう一度読みたい、もっと多くの育児系の作品を読みたいと思い、図書館にあった5冊を母にリクエストして借りてきてもらった。『たんぽぽの日々』『プーさんの鼻』『ちいさな言葉』『ありがとうのかんづめ』『オレはマリオ』。たんぽぽの日々については借りるの2度目。 このプーさんの鼻は、短歌オンリーの本。育児系のもの以外も含まれていて新鮮だった。私はエッセイ付きのものの方が読みやすいかな。2018/3/27

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2018/03/13

娘の立場の歌と母の立場の歌に共感。 特に子どもがお腹の中にいるときの歌は とても素敵。    「羊水のなかのしゃっくり「二学期始まりました」とニュースは告げる」    「紅葉の見ごろ予想を眺めおりそのころおまえはこの世の人か」 いつ生まれるんだろうと大きなお腹の中の生き物に ド...

娘の立場の歌と母の立場の歌に共感。 特に子どもがお腹の中にいるときの歌は とても素敵。    「羊水のなかのしゃっくり「二学期始まりました」とニュースは告げる」    「紅葉の見ごろ予想を眺めおりそのころおまえはこの世の人か」 いつ生まれるんだろうと大きなお腹の中の生き物に ドキドキとちょっとした怖さをもってその日を迎える。 いろんなことが思い出される。 娘の立場の歌も・・素敵だった。 でも、女の立場の歌は苦手。 純粋な恋の歌と思えばいいのだろうか、 いや、そこここに見える女の狡猾さ。 身勝手さ。 そして、子どもまで産むんだ!とそこをつなげると 前の歌が残念になるので私の中で切り離す。 子どもとの日常の歌も本当に良いのだ。 この子がまたええ子!!! ペット禁止の分譲マンションに入居しておいて 堂々とペットを飼い、 指摘されると 「この子たちをどうするというの?  そんなひどい、人としてどうかしてる!」と言う人に似ている。 なら、飼えるマンションに住めばいい。 そこに住むなら飼わなければいい、そういうことだ。 どうして飼ってからそういうこと言うんだろう。 私はきっと永遠に理解できない。 真面目過ぎるのだな、私。 もっと自由でもいいのかもしれない。 でも、真面目で何が悪い!とも言いたくなる。 貞操観念ってなぁ~ でも、とても心にくる。だから、ちょっと悔しい。

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