ヨーロッパ退屈日記 の商品レビュー
私としては、映画俳優というより、奥様の宮本さんとの映画監督のイメージが強い。映画面白かったですよね。こちらは、1960年代初め、単独渡航していた国際俳優時代のエッセイ。 生き方も考え方も、昭和のカッコ良さ。死語になりつつある自然体のキザでお洒落。多少、悪態気味の文章は、かの、メロ...
私としては、映画俳優というより、奥様の宮本さんとの映画監督のイメージが強い。映画面白かったですよね。こちらは、1960年代初め、単独渡航していた国際俳優時代のエッセイ。 生き方も考え方も、昭和のカッコ良さ。死語になりつつある自然体のキザでお洒落。多少、悪態気味の文章は、かの、メロン・ド・ヒマワリの様でもある。挿絵もご本人のもので、さすが、元商業デザイナー。 当時、すでに英語が堪能。小学校を特別化学教育学級で戦時中英語を勉強していたらしく、最後の方に発音のテキスト風もある。出てくるカタカナ語がやたらオシャレ。ジャギュア(当然ジャガー)なんかもうこれに統一しましょうぐらいの響。 深夜特急の時代より、こちらの方が古いみたいですね。やっぱり時代を感じるエッセイもありますが、俳優、監督、芸術と多彩な才能の方でありました。
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伊丹監督の若き日のエッセイ。文筆、俳優、デザイナー、イラストレーター、何をやらせても一流の人だったんだね。 でもミドルクラスや女性に関する記述については、時代だからしかたないけれど、苦笑いして突っ込みたくなるような矛盾が。現代の若い人にお勧めしたい本かといわれると、個人的にはど...
伊丹監督の若き日のエッセイ。文筆、俳優、デザイナー、イラストレーター、何をやらせても一流の人だったんだね。 でもミドルクラスや女性に関する記述については、時代だからしかたないけれど、苦笑いして突っ込みたくなるような矛盾が。現代の若い人にお勧めしたい本かといわれると、個人的にはどうかな…。まさに玉に瑕。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
伊丹十三記念館で購入した本。 やっと3冊目が読み終わりました。 昭和40年に刊行されたものなので、それ以前に雑誌に連載されたもの…私が生まれる前です。 やはり、ちょっと古いかな。 でも、伊丹十三さんの美意識みたいなものは伝わってきます。
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うーん、ちょっとタイトル通り本当に退屈…苦笑 当時のヨーロッパの風俗が垣間見えるという触れ込み自体はその通りなんだけど、そもそも人の日記なんて、その人自体に興味がない限りは、時代や国が違えど大して面白いものでもないのかもしれないな…
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結構前に読んだ作品で内容はあんまり覚えてない(ごめんなさい)んだけど、筆者の語り口に驚かされた。 また再読しよう…
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「粋だな~」とこの一言に限る。 所作が自然な大人って本当に格好良いなと思う。 そんなことを強く思わせてくれた一冊。
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出版されたのが1965年ということをまず念頭にいてほしい。そうでなければ、時代遅れの価値観や差別意識に腹をたてることになるかもしれないからだ。 まだ海外というものに一般の人はなかなか行けなかった時代。海外生活の経験談はさぞ刺激的に受け取られたのではなかろうか。エッセイの皮切にな...
出版されたのが1965年ということをまず念頭にいてほしい。そうでなければ、時代遅れの価値観や差別意識に腹をたてることになるかもしれないからだ。 まだ海外というものに一般の人はなかなか行けなかった時代。海外生活の経験談はさぞ刺激的に受け取られたのではなかろうか。エッセイの皮切になったというのもわかる。 しかし全体的に上流階級贔屓で、その他の労働階級や日本を見下しているところが多く、性差別もある。 例えば"自動車事故の結構な割合が若者だから免許の年齢制限を上げろ"とか "女は科学的知識を持ち合わせていないから女の目から観た世界観を書いてみたいものだ"とか "ビートルズファッションをしている低俗どもが街の品位を下げるのだ"とか。 Twitterならば毎日大炎上パーティの発言が目白押しなのだ。 現代にも通じる価値観も勿論あるし、文体は軽やかで読みやすい。時代を知る文献として価値があると思う。 伊丹十三のファンか、こいつ言ってラァ時代は変わったのだよと笑い飛ばせる人にはおすすめです。 あとなんといっても挿絵がいいですね。 ここまで書きましたが、旅の前に読むと背筋が改まる一冊です。お嬢さん放浪記と合わせて気持ち旅に向けたいときに。
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映画俳優、デザイナ-、映画監督として多彩ぶりを発揮した伊丹十三氏(1933-1997)の若き日のエッセイ集。いち映画ファンとして注目したのが『北京の55日』で共演したチャック(チャ-ルトン・ヘストン)やデヴィッド・ニーヴン、エヴァ・ガードナ-、ニコラス・レイ監督の回顧場面であり、...
映画俳優、デザイナ-、映画監督として多彩ぶりを発揮した伊丹十三氏(1933-1997)の若き日のエッセイ集。いち映画ファンとして注目したのが『北京の55日』で共演したチャック(チャ-ルトン・ヘストン)やデヴィッド・ニーヴン、エヴァ・ガードナ-、ニコラス・レイ監督の回顧場面であり、『ロード・ジム』では主演のピータ-・オトゥ-ルの律儀な役者魂を誉めちぎっているところ。語学堪能で若さほとばしる、軽快にして豪胆なエッセイの数々がギュウギュウ詰めにされている。いまは亡き伊丹さんの非凡な才能を偲びながら読む。
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独特の視点で綴られたエッセイ。 ユーモアたっぷりに皮肉っている文章が少し癖になる。 文章の節々にヨーロッパの街の香りが漂っていて心地よかった。
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著者が二十代の時に書かれた文章であるということに、驚き。貫禄がある。内容も、60年代に書かれたというのが驚き。ミシュランや、パスタ、英語の発音、お酒の話など、今では知っている人も多いのだろうけど、60年代時点では、最先端だったのだろう。
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