海辺のカフカ(上) の商品レビュー
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中学生の頃に読んで全くわからなかった思い出があったのを再読。序盤はよく読めた気がするけど後半にかかって失速。 けれども、この時期に読んでいるというだけで、中々思いれ深いものになる気がする。
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異なる物語が後半で一つに繋がろうと期待される展開に。ギリシャ神話や哲学、古典文学など様々なものを引用しながらメタファーが重なりあいながら、物語や登場人物の心理の深みを感じられる作品。
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「純粋な現在とは、未来を喰っていく過去の捉えがたい進行である。実を言えば、あらゆる知覚とはすでに記憶なのだ。」 夢と現実、生と死の中間地点を事細かくリアルに描いた作品。村上春樹作品は1Q84以来だったけど相変わらず冗長な言い回し。でもこの冗長さが人間臭くて良い様な気もする。 大島さんの言葉選びが素敵だった。自身もしっかり意味を噛み砕いてから言葉を口にする様に心がけたい。
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村上春樹の小説を初期のものから順番に読んできた。 似たような世界観、似たような言葉遣い、似たようなモチーフによる既視感と安心感と共に、物語としての重さなり面白さが作品を重ねるごとに増しているように感じた。 ところでこの作品はフロイトのいうオイディプス=コンプレックスを物語の中...
村上春樹の小説を初期のものから順番に読んできた。 似たような世界観、似たような言葉遣い、似たようなモチーフによる既視感と安心感と共に、物語としての重さなり面白さが作品を重ねるごとに増しているように感じた。 ところでこの作品はフロイトのいうオイディプス=コンプレックスを物語の中核にすえているのかな? それともそれも一つの素材なりモチーフとして使用されているだけなのかな?
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ー自我の獲得ー 自我を形成していく少年と自我を失った中年の物語が交互に差し込まれながら、互いの実年齢から、中央値に向かって同じ到達地点に向っていく。 少年は自由を求めて、母親と姉、肉親の影を求めながら、父性より逃走を図り、ゆっくりと自我を育むことのできる安息の地を見出す。ト...
ー自我の獲得ー 自我を形成していく少年と自我を失った中年の物語が交互に差し込まれながら、互いの実年齢から、中央値に向かって同じ到達地点に向っていく。 少年は自由を求めて、母親と姉、肉親の影を求めながら、父性より逃走を図り、ゆっくりと自我を育むことのできる安息の地を見出す。トランスジェンダーという境遇、難病という境遇にありつつ、戯曲、寓話、哲学に精通する良きメンターもまた、世間一般の自我を喪失した人間であり、少年の成長に一役買って出る。 対して中年は、自我を喪失した状態に在って、“影を失った”人間として描かれる。猫と話せる。他は特にとりえもないが、少年の父親と思しき人物を殺害する数奇な運命に巻き込まれ少年のいる地へと足を向ける。 中学生のとき、夢中になって読んだ。 少年がかっこよくて、堪らなかった。学校では誰とも喋らず、しかし、授業は乾いたスポンジが水を吸い上げるように吸収し、部活には入らずジムに通って体を鍛え上げる。図書館に通い、書物をあさり、音楽を嗜む。 そんな現実離れした少年のストイックで閉鎖的な生活を喉から手が出るほど羨んだ。 反面。物語の込められた寓意性はほとんど理解していなかったと思う。何度読んでも不思議な感じがして、腑に落ちなくて、もう一度読み返してしまう。 お気に入りの曲の、なにが、どこが好きなのかを考えるのも野暮だと言わんばかりに、頭からリピートするように。 自我の獲得。それが今から思い返して、念頭に浮かぶテーマだ。今読めばまた、がらりと変わった世界に出会うのだろう。 再読のためにこの文章を残しておく。 2022.2.13
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どんな関係性があるのか分からない複数の時代も違うストーリーがどんどん展開していく上巻。 別々のストーリーが同時に進行していてもスッキリと整理して読み進めやすい。 そしてラスト付近で段々こんな関係性が…?と気付かされてきたところで上巻が終わる。 ページ数は多いがスピード感といい読み...
どんな関係性があるのか分からない複数の時代も違うストーリーがどんどん展開していく上巻。 別々のストーリーが同時に進行していてもスッキリと整理して読み進めやすい。 そしてラスト付近で段々こんな関係性が…?と気付かされてきたところで上巻が終わる。 ページ数は多いがスピード感といい読みやすさといいさすが村上春樹といった感じ。 マイペースで裏表がなくまっすぐな村上春樹の人間性がよく表れていると思う。
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あらすじ 「僕」田村カフカは東京都中野区野方に住む15歳の中学3年生である。父親にかけられた呪いから逃れるために家出を決心し、東京発の深夜バスを四国の高松で降りる。カフカは高松の私立図書館に通うようになるが、ある日目覚めると、自分が森の中で血だらけで倒れていた。カフカはその晩、深...
あらすじ 「僕」田村カフカは東京都中野区野方に住む15歳の中学3年生である。父親にかけられた呪いから逃れるために家出を決心し、東京発の深夜バスを四国の高松で降りる。カフカは高松の私立図書館に通うようになるが、ある日目覚めると、自分が森の中で血だらけで倒れていた。カフカはその晩、深夜バスで出会った姉のように思うさくらの家に一泊させてもらい、翌日から図書館で寝泊まりするようになる。そこでカフカは、なんとなく自分の母親なのではないかと思っていた館長の佐伯と関係を持つようになる。ナカタもまた野方に住む、知的障害のある老人であった。通称「猫殺し」の男を殺害し、東京を離れた。ナカタはトラック運転手の星野の力を借りて「入り口の石」を探しはじめた。その頃ちょうどカフカは、図書館の司書の大島から父親が自宅で殺されたニュースを知らされる。やがて警察の手がのび、カフカは大島が提供してくれた森の隠れ家に移る。一方、「入り口の石」を探すナカタは図書館にたどり着き、そこで佐伯に会う。そしてナカタが帰った後、佐伯は机に突っ伏すように死んでいた。 森の奥でカフカは、旧帝国陸軍の軍服を着た2人の兵隊と出会い、彼らに導かれて森を抜け川のある小さな町にたどり着く。そこで佐伯に会ったカフカは、彼女から元の世界に戻るように言われる。 マンションに隠れ住んでいたナカタは「入り口の石」を開いた後、客死し、ナカタを失った星野は黒猫の助言を受けナカタがやり残した「入り口の石」を閉じる仕事にとりかかった。 最終的にカフカは現実へ戻ることを決意し、岡山から新幹線に乗って東京への帰途につく。 感想 春樹さん作の中でも一二に好きな作品 やはり、お母さんだよね。
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村上さんの独特の文章。英訳したような美しい文章でした。それゆえにリアルな想像が掻き立てられた。だんだん2人の関係性が組み合わさっていくのが面白かった。下巻の展開が楽しみ。
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宇宙そのものが巨大なクロネコ宅急便なんだ ってめっちゃ好き そう考えるとどこにでも行けちゃう ハルキ作品の中でトップ3には入るストーリーだった
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今更ながら感半端ないですが、縁あって手に取りました。 恥ずかしながら事前知識一切なしの状態で読書スタート。 村上作品はそんな読んでないものの、なんだかんだ4作目くらいでしょうか。 ただ4作目にして初の長編小説。 好きな人は好き。でもとっつきづらい人が多いのもまた事実な村上作品。...
今更ながら感半端ないですが、縁あって手に取りました。 恥ずかしながら事前知識一切なしの状態で読書スタート。 村上作品はそんな読んでないものの、なんだかんだ4作目くらいでしょうか。 ただ4作目にして初の長編小説。 好きな人は好き。でもとっつきづらい人が多いのもまた事実な村上作品。 さてさて、どんな感じなのでしょうか。 あんまあらすじ書いても有名すぎて墓穴を掘るだけなんで、やめときます。 一人で四国に家出する主人公、戦時中に奇妙な能力を授かったナカタを軸に、二人を取り巻く様々な人の過去がその二人の物語に複雑に混じり合い始めていく。。。 下巻でそれが全てはっきりしていくのでしょう。 感想等はまた下巻を読んでからということで。
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