西日の町 の商品レビュー
ロクデナシの祖父が転がり込んできて、母と自分との三人暮らしに。恨みと愛情を同時に味わいながら静かに最後のときを迎える母と祖父。しんとした味わいのある話でした。盛り上がりはなかったけど。 我が父もかれこれ30年会ってない。このまま会わなくて良い気もするし、会っても今ならば許せるよう...
ロクデナシの祖父が転がり込んできて、母と自分との三人暮らしに。恨みと愛情を同時に味わいながら静かに最後のときを迎える母と祖父。しんとした味わいのある話でした。盛り上がりはなかったけど。 我が父もかれこれ30年会ってない。このまま会わなくて良い気もするし、会っても今ならば許せるような気がする。人間色々間違いもあるよなと思えるようになりました。
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著者の一貫したテーマ化と思われる子供と老人と死が子供の目を通して静かに描かれている。 親は子を守り、子は親を頼って生きていくという図式が、ある時期から混沌となり最後には逆転する。悲しいけれど見方によれば当然やってくるそんな運命をどのように受け止めるかはそれぞれの考え方とそれまでの...
著者の一貫したテーマ化と思われる子供と老人と死が子供の目を通して静かに描かれている。 親は子を守り、子は親を頼って生きていくという図式が、ある時期から混沌となり最後には逆転する。悲しいけれど見方によれば当然やってくるそんな運命をどのように受け止めるかはそれぞれの考え方とそれまでの人生の歩き方による。
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あの一年、 時間は安物の和風の壁に染み付いた、てこじいの汗だった。 黒く、ぼんやりとした輪郭を描いて、 それは今も僕の中にとどまっている。
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『夏の庭』は童話の様な綺麗さで、こちらは全体的に人間臭い。 てこじいに対する主人公の母親のわだかまり。アカガイを採ってきたてこじいの不器用な愛情。家族って難しいなぁ。
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西日の町での「てこじい」と母との思い出。大人になった僕が振り返る。 てこじいと母親のやり取りは決して愉快なことではないが、心にしんみりと来る。西日という言葉がピッタリくる。
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生徒に借りた。児童文学?? 情景豊かとはこのこと。 主人公の子供の頃を居酒屋とかで聞かせてもらってる感じ。 てこじいもきっと一生懸命生きたんだろうなぁ。
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斜陽の停滞した町。歩みを止めた時間のその終焉。息を潜めた子供時代。 終わってもなお続くもの、終わってやっと始まるもの。おしまいの時。 見届けたから歩き出せた。 舞台が北九州市のKで、Kを知ってると風景の空気が生々しく胸に突き刺さるけど、知らないとどう読めるのだろうか。
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人物描写、風景描写が上手い。うならせられる。色々書きたいが、ありきたりすぎる言葉だが、この作品は「文学」だと思う。 “てこじい”の強烈なキャラクター。芯のあるキャラクターだ。こゆい。 親子、老人と子ども。その両方の有り様と可能性を静かな文体で語りかけてくれる。
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薄明るい西日に照らされた 幻影のような思い出語り。 まだ敗戦国だということを 引きずっていた時代の男と その家族の話。 風来坊は 他人なら魅力的だけど 家族は大変だなあと。 死にむかっていくてこじい自身より 母幸子の 父親の死をうけいれるための 時間をもうすこしくれと...
薄明るい西日に照らされた 幻影のような思い出語り。 まだ敗戦国だということを 引きずっていた時代の男と その家族の話。 風来坊は 他人なら魅力的だけど 家族は大変だなあと。 死にむかっていくてこじい自身より 母幸子の 父親の死をうけいれるための 時間をもうすこしくれと 願うところ、 母がみせた 死をうけいれていく変化。 鮮やかでした。
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記憶の引き出しが突然開いて、ずっと忘れていた思い出がよみがえることがある。この本はそんな引き出しの鍵かもしれない。 引き出しの中には嬉しかったことや楽しかったことがあったり、それよりちょっとだけ多く、悲しかったことや辛かったことが入ってたりする。
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