中村屋のボース の商品レビュー
2009年初読書はこの本。おお面白い! 中村屋にインドカリーを伝えたと言うインド独立の闘士ラース・ビハーリー・ボースの伝記でございます! インド独立の大義の下、兵士を煽動して反乱をたくらみ英国総督を目論んだ挙げ句指名手配の身となった結果日本に亡命したものの、英国に身柄を引き渡そ...
2009年初読書はこの本。おお面白い! 中村屋にインドカリーを伝えたと言うインド独立の闘士ラース・ビハーリー・ボースの伝記でございます! インド独立の大義の下、兵士を煽動して反乱をたくらみ英国総督を目論んだ挙げ句指名手配の身となった結果日本に亡命したものの、英国に身柄を引き渡そうとする日本政府に目をつけられたボース。しかし、玄洋社の頭山満や黒龍会の大山周明と言った近代日本の黎明に燦然と名を残す大物アジア主義者たちの庇護を得て、当時一介のパン屋であった中村屋に身を隠すのであった! ・・・ええいったいどこの冒険小説ですか? いっそ大河ドラマの主人公にしたらものすごく面白いんじゃないかと言う。 プラグマティストが昂じるあまりの後年の立ち居振る舞いも含めて、大変素晴らしゅうございました・・・・! のっけから本年のプラチナ本。まあ数年前の刊行ではあるんですが☆ 読んで損無し!
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『インドの時代』と同じ著者による本。色んな世界が、運命の糸でつながっていることを感じる一冊。巧みな構成は、そこらへんの小説家よりも数段上!
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日本に亡命し、インド独立運動のオピニオン・リーダーとして活動したラース・ビハーリー・ボースの伝記です。 「中村屋のボース」というのは、彼が新宿の洋菓子店『中村屋』に匿われ、その恩返しとして本場のインドカリーを伝えたことから付いた呼称です。 日本で最初に本格的インドカリーを広め...
日本に亡命し、インド独立運動のオピニオン・リーダーとして活動したラース・ビハーリー・ボースの伝記です。 「中村屋のボース」というのは、彼が新宿の洋菓子店『中村屋』に匿われ、その恩返しとして本場のインドカリーを伝えたことから付いた呼称です。 日本で最初に本格的インドカリーを広めた「中村屋のインドカリー」ですが、その裏には近代日印関係の壮大なドラマが秘められていました。 日露戦争で勝利し、国際社会での地位を高めつつあった日本へのアジア解放の期待。 その一方で、朝鮮・中国を侵略し、英国と同じような帝国主義路線を突き進む日本への失望。 やがてインド独立のため、日本の侵略路線を擁護せざるを得なくなり、不本意ながら同胞たちから日本の傀儡視されたボースの苦悩が描かれています。 ・・・正直この本を知るまで、ラース・ビハーリー・ボースという人物の存在をまったく知りませんでした(汗 インド独立運動の指導者で「ボース」という名であれば、「チャンドラ・ボース」を知ってただけです。 ついでに、新宿の中村屋も、単にそういう洋菓子店があるということだけしか知らず、普段新宿を通る時にもまったく意識してなかったので、まさかそのお店で本格的インドカリーを食べられるとも思ってませんでした。 しかしこのラース・ビハーリー・ボースの存在を知ってから、ムチャクチャ食いたくなりましたねw ニン、トン♪
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インド独立運動に一生をささげたボースの生涯を描いたもの。新宿のお菓子屋である中村屋にどうしてカレーもあるのか、という問から始まっているものの、それはほんのエピソードで(しかし、中村屋の娘は父の正義感に感じてかボースに嫁ぎそして夭折する。彼女の心の中がどうであったかはほとんど描かれ...
インド独立運動に一生をささげたボースの生涯を描いたもの。新宿のお菓子屋である中村屋にどうしてカレーもあるのか、という問から始まっているものの、それはほんのエピソードで(しかし、中村屋の娘は父の正義感に感じてかボースに嫁ぎそして夭折する。彼女の心の中がどうであったかはほとんど描かれていないのは不満)、中心は、ボースがいかにアジア主義を掲げる日本に期待し、そして失望していくかを描くことにある。大東亜共栄圏をいかに声高に唱えようと、その本質が欧米にかわる日本による支配の実現にあることはインド革命家の目にもあきらかであった。それにしても、ボースの娘に多くの資料を提供され、本書を完成させるまでのいきさつがほとんど書かれていないのは少々もの足りない。
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新宿中村屋のインドカリーの源は、日本に亡命してきたインド独立運動の闘志だったとはつゆ知らず。大正期の知識階級の亜細亜主義の潮流を知るにも好適の一冊。今やアジアで一番元気なインドとの交流の歴史にもっと光を当てて良い時期に来ているのでは?
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やはり、警察の目を盗んで中村屋に逃げ込む所が一番手に汗握った。ボースだけでなく、中国から日本に逃れてきた「革命家」の多くも、最後には日本側に取り込まれる運命を辿った。是非は兎も角、もう一度中村屋の「インドカリー」を食べに行こう
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