功名が辻 新装版(四) の商品レビュー
山内一豊はついに一国一城の主となります。槍一本で立身出世を重ねた彼は、常に妻、千代の助言を受け入れてきました。でも・・・彼の器に一国は大きすぎたのかもしれません。夫婦の夢が叶ったのに、何だか切ない気持ちになるのはなぜなんだろう・・・。読後は色々と考えさせられます。
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山内一豊とその奥方千代が一国一城の主を目指し、ついには国持ち大名(土佐24万石)を得る話。主人公である千代の賢妻ぶりもさることながら、3代の武将(信長、秀吉、家康)に仕え、生き抜いた一豊の忠義一本道も凄いと思う。
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一豊の挙動により、どちら側につくかを迷っていた諸大名の態度が、家康陣営に就くことで一致する。この貢献を家康が大と見、一豊は土佐24万石を得ることができ、千代との約束を果たすこととなる。しかし、もともと、大名の素質にかけている一豊は、武力によって土佐の残党を制圧し、土佐の民の信頼を...
一豊の挙動により、どちら側につくかを迷っていた諸大名の態度が、家康陣営に就くことで一致する。この貢献を家康が大と見、一豊は土佐24万石を得ることができ、千代との約束を果たすこととなる。しかし、もともと、大名の素質にかけている一豊は、武力によって土佐の残党を制圧し、土佐の民の信頼を失うこととなる。地位を得ると、自分自身を失うという典型が現れている。千代の助言はおおむね正しいと言うべきか。
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一豊が一国を手に入れてから、人が少し変わったのが興味深かったところ。結局は一豊が亡くなり、千代が亡くなるところで終わっていた。 あの馬の話は信憑性が薄いということが意外。
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伊右衛門はもはや残りの春秋の多くもない生涯であるが、この最後の世の変動を機会に一国のあるじになりおおせてみたいと思っていた。(おれは太守、千代は太守夫人)という、まるで子供っぽい夢ではあったが男の生涯など、思ってみればその子供っぽい夢がかれを駆けさせる原動力になっているのではある...
伊右衛門はもはや残りの春秋の多くもない生涯であるが、この最後の世の変動を機会に一国のあるじになりおおせてみたいと思っていた。(おれは太守、千代は太守夫人)という、まるで子供っぽい夢ではあったが男の生涯など、思ってみればその子供っぽい夢がかれを駆けさせる原動力になっているのではあるまいか。(p.86) (ひととは強欲なものだ)と、千代はぼんやり考えた。一代できずいた身代は一代かぎりでほろぼせばよいのに、晩年になればいよいよそれを永世にのこそうという気持ちが強く動くようであった。特に大名家業というのはそうであった。家が滅べば、家臣は禄をうしなって路頭に迷う。この家業に関するかぎり家をつづかさねば、伊右衛門の創業は成功したといえないのである。(p.300)
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大戦に勝利して、再開を果たした一豊、千代夫妻には土佐24万石という予想以上の恩賞が与えられます。 しかし、その結果肥大化した2人が作り上げた山内家は肥大化し、千代の手か離れたものとなってしまいす。 種崎浜の悲劇は悲しみが尾を引く最後ですが、千代の夢の終わりを感じさせる、この小説に...
大戦に勝利して、再開を果たした一豊、千代夫妻には土佐24万石という予想以上の恩賞が与えられます。 しかし、その結果肥大化した2人が作り上げた山内家は肥大化し、千代の手か離れたものとなってしまいす。 種崎浜の悲劇は悲しみが尾を引く最後ですが、千代の夢の終わりを感じさせる、この小説にふさわしい終わり方だったと思います。 それだけにあとがきがない方が、私はよかったと思います。
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なんか忙しくて今ごろ読了。読んでる期間は長かったけれど話はあっというまに過ぎていき、 いつのまにか家来が亡くなってたりしました(びっくりした)でもおもしろかった。千代可愛い
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苦労を繰り返した末に勝ち取った土佐一国の地位。一豊と千代はついに山内家を小さな家から大きな家へ完成させました。
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遂に一豊が土佐20万石を賜る。しかし、土佐の一領具足たちに手を焼く。 なぜ、一気に一国一城の主になれたのかはよくわかりました。この巻は一豊と千代、両方の良い面と悪い面が見れました。一豊が千代に相談もなく虐殺を行い、千代がショックを受けた場面は千代の思いが伝わってきました。夢が...
遂に一豊が土佐20万石を賜る。しかし、土佐の一領具足たちに手を焼く。 なぜ、一気に一国一城の主になれたのかはよくわかりました。この巻は一豊と千代、両方の良い面と悪い面が見れました。一豊が千代に相談もなく虐殺を行い、千代がショックを受けた場面は千代の思いが伝わってきました。夢が叶ったというのにラストはハッピーエンドではなく、この巻はどうもあまり好きにはなれませんでした。人間、能力に見合ったことをした方がいいのだなと思いました。また、理想と現実についても考えさせられました。
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「こまるなあ」 伊右衛門は髪の上の千代の手をそっとむこうへやった。 「これでも天下の国主さまだぞ。千代のもとにかえれば、なにやら子供あつかいにされるのでいやだ」 (P.213)
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