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半島を出よ(上) の商品レビュー

4.1

155件のお客様レビュー

  1. 5つ

    57

  2. 4つ

    49

  3. 3つ

    40

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2011/04/05

まったくすごい本である。 本書が世に出たのは2005年。その時点での近未来を描いた小説なのだが、ちょうど本書の舞台となるであろう現在の日本が置かれている政治的状況を考えると、著者の分析力・調査力の高さがうかがい知れる。 本書は北朝鮮からの侵略をテーマとして日本の諸問題に触れて...

まったくすごい本である。 本書が世に出たのは2005年。その時点での近未来を描いた小説なのだが、ちょうど本書の舞台となるであろう現在の日本が置かれている政治的状況を考えると、著者の分析力・調査力の高さがうかがい知れる。 本書は北朝鮮からの侵略をテーマとして日本の諸問題に触れているのだが、東日本大震災という未曾有の大災害に見舞われている2012年現在の日本が今、まさに直面する各方面からの危機管理の問題が、本書にもほぼ的確に示されているのである。そして、見逃せないのが日本国民の意識の問題への指摘である。「身体に魂が入っていない」「感情を共有することがわからない」など、登場人物を評する言葉は、現代日本人全体に多少なり当てはまることなのである。 物語としても非常に引き込まれるものがあり、文章のリズムがよいので、大作ではあるがまったく疲れない。傑作である。下巻の展開が楽しみだ。

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2011/03/28

2005年出版なのだが、作中の日付は2011年。 民主党への政権交代、他国の侵入にまともに対処できない政府、経済が衰退し、世界にばら撒ける金もなくなり発言力のなくなった日本。 まるで予言のように符号する諸々を読んでいると、フィクションだと分かっていても暗澹たる気持ちになる。この小...

2005年出版なのだが、作中の日付は2011年。 民主党への政権交代、他国の侵入にまともに対処できない政府、経済が衰退し、世界にばら撒ける金もなくなり発言力のなくなった日本。 まるで予言のように符号する諸々を読んでいると、フィクションだと分かっていても暗澹たる気持ちになる。この小説の中の日本、政府、日本国民と現実の私たちに何の違いがあるのか。 そういう意味で読むのがしんどい上巻。

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2011/02/11

この手の近未来モノは東西冷戦時代はかなりありましたけど 最近ないですよね 風呂敷はあまり広げすぎず なのでちょいと地味目の舞台装置ですが まずまず読み進めました 上巻の終わり方もけっこうよいと思います 下巻を読みたくなるので とりあえず下巻読みます どう決着なるか

Posted byブクログ

2011/01/20

北朝鮮からの侵略シミュレーション。 弱腰で何も決められないまま後手後手に回る日本政府と、平和ボケした日本国民が強調されていた。 なんだかとても・・・濃い! イシハラ軍団が活躍するであろう下巻が楽しみ

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2011/01/19

2005年に購入して以来、ずっと後回しになっていた・・・。 今になって読んでみると、小説の内容が今の日本の状況に当たらずといえども遠からずだったので驚きました。 【幻冬舎創立11周年記念特別書き下ろし作品】 ----------------------------------...

2005年に購入して以来、ずっと後回しになっていた・・・。 今になって読んでみると、小説の内容が今の日本の状況に当たらずといえども遠からずだったので驚きました。 【幻冬舎創立11周年記念特別書き下ろし作品】 --------------------------------------------------------------------------- 北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、 2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心 部を制圧した。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。 財政破綻し、国際的孤立を深める近未来の日本に起こった奇跡。

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2010/12/31

銀河丸で読んだ 世間の常識からすると決して楽しそうには見えない。だが、楽しいというのは仲間と大騒ぎしたり冗談を言い合ったりすることではなく、大切だと思える人とただ時間を過ごすことなのだ。

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2010/12/28

小説の舞台は、財政破綻し国際的孤立を深める2011年の日本。 北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲。経済的に疲弊し、国際社会で地位も凋落した無力な日本政府に為す術がなく、何ひとつ手を打てないまま福岡は制圧されてしまう...

小説の舞台は、財政破綻し国際的孤立を深める2011年の日本。 北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲。経済的に疲弊し、国際社会で地位も凋落した無力な日本政府に為す術がなく、何ひとつ手を打てないまま福岡は制圧されてしまう。2011年現在でも実際にこのようなことが起こるのではと、かなりリアルに感じられる小説。北朝鮮軍側、日本政府側など、登場人物によってそれぞれの視点、感じ方が細かく描いてあり、おもしろい。制圧された福岡はどうなるのか、日本はどうなるのか、下巻で結末を迎えるのが楽しみだ。

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2012/10/13

綿密な設定の本書。 諸外国の圧力、日本政府の不甲斐なさ… この本が書かれたころの「近未来」が現実に近づいてるようで、読んでてちょっと怖くなった。 上巻は、コレといった盛り上がりに欠ける気がするが、物語後半の攻防に期待。

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2010/08/31

膨大な資料が巻末にあるけれど、これをただ読むだけで何年かかるかわからない。基本的に村上龍は何となく好きではなかった。それは、作家としての彼より、メディアで見る焦げた悪いドラえもんみたいなルックスのせいであったのかもしれない。それはいいとして、この小説はすごい。北朝鮮の軍隊の福岡侵...

膨大な資料が巻末にあるけれど、これをただ読むだけで何年かかるかわからない。基本的に村上龍は何となく好きではなかった。それは、作家としての彼より、メディアで見る焦げた悪いドラえもんみたいなルックスのせいであったのかもしれない。それはいいとして、この小説はすごい。北朝鮮の軍隊の福岡侵略。作中のところどころで日本の民族性や、精神性、国民性(あるのならば)に警鐘をならす。その時々で自らを振り返り弛緩する。フィクションであるが、考えさせる物語小説のだいご味をいかんなく発揮している。

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2010/08/29

村上龍の本を読むのは2度目。 未来を予想させるような圧巻のストーリー展開。 もしかしたら将来こうなるのでは…と想像させ、真剣に読んでしまう。 下巻に続く。

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