はじめての部落問題 の商品レビュー
ためになった。穢多…
ためになった。穢多、非人の変遷についてあまり書かれていなかったので他の書も読む必要はある。分かりやすい文章で、まさに「はじめての部落問題」。
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※このレビューにはネタバレを含みます
違い幻想、血の共同体、不当な範疇化 「人を差別するとはどういうことか」が気にかかり、部落問題に興味が出てきたため購入した。ほかのマイノリティ差別とは違って、「同質の中の差別」が部落差別であるという点に問題の根深さを感じた。7つの要素が絡んで差別は起こるが、その中でも「違い幻想」が部落差別特有のものである。 そうした差別意識をなくすためには、血縁的系譜概念を拭う必要があると筆者は考えている。「部落民」という概念がなくなることと、部落差別がなくなることは同義であるとする。 部落差別をしているようでは人としてだめだと思う。差別って品がないわ、というスタンスでいつもいたい。差別とか意地悪とかモラルに反することが心に浮かんだときには自分の掲げる「品格」で対処したい。
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第四章以降の「”差別”論」が印象的。「世間」をベースにした同質同化のニッポンにおける排除と忌避の暴力。これらマイノリティ問題以外でも危惧される「他者と出逢うことの不足、他者への無関心、他者への無理解と想像力なき偏見」は現代的な課題なんだろうか。しかし部落問題における差別は全くもっ...
第四章以降の「”差別”論」が印象的。「世間」をベースにした同質同化のニッポンにおける排除と忌避の暴力。これらマイノリティ問題以外でも危惧される「他者と出逢うことの不足、他者への無関心、他者への無理解と想像力なき偏見」は現代的な課題なんだろうか。しかし部落問題における差別は全くもってその言い分が理解できない。家とか血筋とか、時代錯誤甚だしい。
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わかりやすい! 部落問題、だけでなく今のこの社会でやっていくのに必要な心構えのようなものも伝わってくる。
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ちょっと話が重い。大事なことを話されているのはわかるのですが、こちらも気分がどんどんさがっていきます。結局この人 何が言いたいのか 意見がいまいち伝わってきません。
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部落差別問題の入門書的一冊。最近、もっぱら部落史のややディープな本に触れているせいもあり、かなり喰い足りない。 差別が以前に比べて厳しく無くなってきた事や同和教育の必要性・評価について触れた点は面白く、差別そのものだけでなく部落≒哀れな存在の意識を変えるべきという考え方にも共感...
部落差別問題の入門書的一冊。最近、もっぱら部落史のややディープな本に触れているせいもあり、かなり喰い足りない。 差別が以前に比べて厳しく無くなってきた事や同和教育の必要性・評価について触れた点は面白く、差別そのものだけでなく部落≒哀れな存在の意識を変えるべきという考え方にも共感します。が、部落や部落民の定義に触れる章では様々な資料を照らしつつ進めていますが、「この本はココが違う」「これはここが曖昧だ」とつつく割に自信が導いた新定義は凡庸かつ曖昧という出来。 価値観の多様性を求めながら、岡本公三の父が「息子を極刑にしてほしい」と語った件を引き合いにして「我が子に極刑を望む親がいるだろうか」と断じるなど、自分よがりな記述が目につきます(個人的な考えですが、我が子が24人も殺せば私は極刑を望みます)。 また、近世(またはそれ以前)における部落民に関する記述があまりにも少なく、「ヒニンよりもエタの方が割合的に多かった」と書く割にヒニンとエタの違いには触れないなど、わかりにくい点も気になりました。 あくまで入り口用、部落差別問題に興味がある人はここで意見を固めずにさらに奥へオススメください。
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(推薦者コメント) 「部落」(集落という意味ではない)は普段生活している上では全く意識に上らない存在だ。自分が部落出身であるかどうかということも基本的には意識されないことだろう。だがその存在は結婚や就職という場になると突然目の前に現れる。部落問題とは何なのか、同和教育に問題はない...
(推薦者コメント) 「部落」(集落という意味ではない)は普段生活している上では全く意識に上らない存在だ。自分が部落出身であるかどうかということも基本的には意識されないことだろう。だがその存在は結婚や就職という場になると突然目の前に現れる。部落問題とは何なのか、同和教育に問題はないのか。部落問題を考える上での基本書
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著者自身が部落であることに気づき、それから部落について意識するようになって本書を書いた。 著者は部落のことを明治時代に特殊部落民と呼ばれた人々およびその子孫のことを言い、現在では現住所が部落にあるもの、生まれと育ち、または本籍が部落、または親がそれらの場合だというのだが、そもそも...
著者自身が部落であることに気づき、それから部落について意識するようになって本書を書いた。 著者は部落のことを明治時代に特殊部落民と呼ばれた人々およびその子孫のことを言い、現在では現住所が部落にあるもの、生まれと育ち、または本籍が部落、または親がそれらの場合だというのだが、そもそもの明治時代の特殊部落民についての説明がない。 加えて、筆者は部落のことを人々に知ってほしい、目を背けて欲しくないと述べているが、そもそもなぜ差別されているかの説明があまりにも希薄で、部落なんて差別は現在ないという意見の有効な反論になっていないと思われる。 というわけで本書は素人のちょっと一般人より詳しい人間が書いた駄本だという評価を免れ得ない。
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正直、いまだにあるのか、という感じでもあるけれど 当分はなんらかの形で残るんだろうねぇ。 いじめられっ子が社会的なシステムによって産出されたもののようだ。 「あの子と仲良くしたらダメだよ」 小学校くらいの話ならこんなものは、6年間ですむ。 社会的に指定されたいじめられっ子が部...
正直、いまだにあるのか、という感じでもあるけれど 当分はなんらかの形で残るんだろうねぇ。 いじめられっ子が社会的なシステムによって産出されたもののようだ。 「あの子と仲良くしたらダメだよ」 小学校くらいの話ならこんなものは、6年間ですむ。 社会的に指定されたいじめられっ子が部落であるなら なんたる低俗な社会だろうかと思われる。 子どもと違って社会は生産力を持ち、調整力を持っている。 その能力はこういったところに使われるべきなのだ。 (まぁ、マクロで断ずるのは簡単なんだけどね) あと、これは何かの解決策への道筋をつけようとする本ではない。 その点は非常に物足りないが、絶妙な一手が難しいんだろう。 ちなみに本籍と人物が結びついた「戸籍」などというものが あるのは日本といくつかのアジア諸国だけだそうです。 へぇー。
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部落問題は根が深い問題である。基本的に現在の若者から中年に至るまでの大多数の人間は、差別は良くないもの、そして自分自身は差別はしない。と認識しているであろう。 しかし、いざ結婚となる際に、伴侶が部落出身者であることで、あなた自身の両親や親族が反対した場合に、この問題が発生する。部...
部落問題は根が深い問題である。基本的に現在の若者から中年に至るまでの大多数の人間は、差別は良くないもの、そして自分自身は差別はしない。と認識しているであろう。 しかし、いざ結婚となる際に、伴侶が部落出身者であることで、あなた自身の両親や親族が反対した場合に、この問題が発生する。部落者と結婚するなら勘当するというぐらいに。 世間体や、家が汚れるという認識が存在し、それは自分自身の考えではなく、よそからどう見られるのか、自分たちの家が部落民として見做されることに対する恐怖から、拒絶する。 部落民は、特定の地域が出生である・生活しているものを指す傾向が強い。血の繋がりは殆ど無いことが研究で明らかになっている。昔の時代に住んでいた部落地域の人間と、現代に住んでいる人たちとでは血の繋がりが全くなく、総入れ替えされているとか。 それでも、「部落」と認識する理由は、そこに居住する人間が危険で、危ないものだというイメージが先行しているからであるという。 親戚としてそんな危ない人達を迎えることはできない。という偏見から差別意識が出てきている。
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