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珍妃の井戸 の商品レビュー

3.6

233件のお客様レビュー

  1. 5つ

    41

  2. 4つ

    72

  3. 3つ

    98

  4. 2つ

    15

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    2

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2010/01/16

「蒼穹の昴」を読んだら次はこれだと言うので早速読みました。 光皇帝載湉が心から愛した珍妃が殺害された。 イギリスのエドモンド・ソールズベリー伯爵(英国海軍の提督)、ドイツのヘルベルト・フォン ・シュミット男爵(ドイツ帝国の大佐)、ロシアのセルゲイ・ペトロヴィ...

「蒼穹の昴」を読んだら次はこれだと言うので早速読みました。 光皇帝載湉が心から愛した珍妃が殺害された。 イギリスのエドモンド・ソールズベリー伯爵(英国海軍の提督)、ドイツのヘルベルト・フォン ・シュミット男爵(ドイツ帝国の大佐)、ロシアのセルゲイ・ペトロヴィッチ公爵(露清銀行総裁)、そして松平田忠永子爵(東京帝国大学教授)による、犯人探しが始まった。 ニューヨークタイムズ駐在員のトーマス.E、バートンに始まり、元養殿出仕御前太監 蘭琴、袁世凱将軍、光緒皇帝側室 瑾妃、永和宮首領太監 劉蓮焦、廃太子 愛新覚羅溥儁とたどっていくが、それぞれの話は食い違う。 結局犯人は誰かもわからない。 一人ひとりの話はもっともらしく聞こえるのに、肝心な犯人は全員がいうことが違う。 日本の松平教授は、なかなかカッコイイ。 さすが侍日本。 大男のほかの3人よりはるかに頼もしい。 犯人はわからないまま、ソールズベリー提督は、光皇帝載湉に謁見を希望するために鎮国公載沢に会う。 そして、謁見との引き換えに光皇帝載湉の亡命を条件とされる。 4人は光皇帝載湉に会い、珍妃の最期を聞いてその結末に唖然とする。 今までの多くの証言はなんだったのかと思う大どんでん返し・・・ 珍妃の悲しい最期ではあったけれど、ワクワクドキドキしながら読み進みました。

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2009/10/04

珍妃殺害事件に関わる人々の証言と事件を調査する外国人四人の主観を通して物語が語られる。 犯人探しというミステリーに違いないが、清朝末期の中国と中国をとりまく列強諸国との関係なども語られることで、物語に重厚さを加えている。 光緒帝の証言シーンには思わず涙した。

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2011/09/17

「蒼穹の昴」の続編というか番外編という感じ。誰が珍妃を殺したのか?と聞き取り調査していくミステリー仕立てで、「吉原手引草」や洋物ならば「五匹の子豚」を思わせる構成だった。蒼穹の昴を楽しんだ人ならば、それぞれの人間の異なる見方、証言を興味深く読めるだろうが…評価は結構分かれそうだ。...

「蒼穹の昴」の続編というか番外編という感じ。誰が珍妃を殺したのか?と聞き取り調査していくミステリー仕立てで、「吉原手引草」や洋物ならば「五匹の子豚」を思わせる構成だった。蒼穹の昴を楽しんだ人ならば、それぞれの人間の異なる見方、証言を興味深く読めるだろうが…評価は結構分かれそうだ。ミステリー、歴史物何でも大好きな私にはとても面白く蒼穹の昴ではあまり詳しく語られなかった人たちの視点を凄惨な内容にもかかわらず楽しく読んでしまった。それにしても真実というものは立場や見方によってこれほど何通りもあるものだろうか…??

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2009/10/04

ミステリーから離れたくて読み始めたのに、結局珍妃殺しの犯人を探すお話でした…(笑) 蒼穹の昴が大好きだったから期待して読んだんだけど、あくまでオプション的なお話だったのかなと。 続編の中原の虹に期待。

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2009/10/04

まさかのどんでん返し。 珍妃の死の謎を追求する4人の外国人と読者、すべての人が 中国人の心の傷を知る結果となる。 浅田次郎を一作読むごとに、彼の才能のすごさを知ることになります。

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2009/10/30

『蒼穹の昴』に続く中国の宮廷小説。やっとこさ読み進めます。 ・あらすじ 列強諸国に蹂躙された清朝の北京。 その混乱の最中に、紫禁城で一人の妃が命を奪われた。 王朝の秩序を守るため、日英独露の高官たちが知った真実とは。 『蒼穹の昴』の続編と言いながら、全作の登場人物はエピソード...

『蒼穹の昴』に続く中国の宮廷小説。やっとこさ読み進めます。 ・あらすじ 列強諸国に蹂躙された清朝の北京。 その混乱の最中に、紫禁城で一人の妃が命を奪われた。 王朝の秩序を守るため、日英独露の高官たちが知った真実とは。 『蒼穹の昴』の続編と言いながら、全作の登場人物はエピソード程度にしか出てきません。 妃の死に立ち会った人物から順に話を聞いていくという構成になっていて、全員が事実を捻じ曲げて話しており、徐々に真実に近づいていきます。それぞれの立場や、時代背景がよく描かれていて楽しめました。やっぱり重厚な作品を書く説得力は凄いです。ちょっと本腰を入れて『中原の虹』へと進んで行く所存にござりまする。

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2009/10/04

蒼穹の昴の続編、とうたわれていますが、登場人物や時代がつながっているだけでトーンはまったく別物です。ただ、蒼穹の昴の登場人物が出てくるので楽しめます。こういうスピンオフものは本編にひきづられてダメになるものも多いですが、さすがは浅田次郎。まったく別物の作品として仕上げています。中...

蒼穹の昴の続編、とうたわれていますが、登場人物や時代がつながっているだけでトーンはまったく別物です。ただ、蒼穹の昴の登場人物が出てくるので楽しめます。こういうスピンオフものは本編にひきづられてダメになるものも多いですが、さすがは浅田次郎。まったく別物の作品として仕上げています。中原の虹までの時代の繋ぎとしてこういうのもありかな、と思いますね。ますます中原の虹を早く読みたくなってしまいました。笑

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2009/10/04

「蒼穹の昴」の続編。 義和団事件についての調査のために大英帝国から派遣された提督と、日・露・独の代表計4人が珍妃殺害の犯人を探す。  Aに聞けばBと言い、Bに聞けばCと言う。  しかしそこは読ませ上手浅田の本領発揮。  そうだったのか、アンタいい人ねと思わされてしまう。  意志を...

「蒼穹の昴」の続編。 義和団事件についての調査のために大英帝国から派遣された提督と、日・露・独の代表計4人が珍妃殺害の犯人を探す。  Aに聞けばBと言い、Bに聞けばCと言う。  しかしそこは読ませ上手浅田の本領発揮。  そうだったのか、アンタいい人ねと思わされてしまう。  意志を持った生き物のように動く歴史に、翻弄される人々の、当たり前の人間らしさに気づかされる。  「愛しています。愛しています。心から」  浅田作品に多く見られるセリフが、本作でも美しい。  2007/3/24読了。

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2009/10/07

清朝末期の事件である,珍妃殺害の犯人を追う小説。中国史の通説では西太后が指示して殺させたとなっているらしい。 真犯人は誰か,その時代を生きた様々な人物からインタビューのような形式で小説は進む。浅田次郎氏独特の一人しゃべりで展開する。 浅田ファンには申し訳ないが,私はこれが好きでは...

清朝末期の事件である,珍妃殺害の犯人を追う小説。中国史の通説では西太后が指示して殺させたとなっているらしい。 真犯人は誰か,その時代を生きた様々な人物からインタビューのような形式で小説は進む。浅田次郎氏独特の一人しゃべりで展開する。 浅田ファンには申し訳ないが,私はこれが好きではない。清朝時代の小説はあまり読んだことがないので,その時代背景を知れるかと思い手に取ってみた。 ただ,人物名等色々な箇所でピンインがでてきており,これは良い。できれば,宮城谷氏の小説ももっとピンインで記載いただければより勉強になるなと思った。 おそらく,中原の虹でもこの浅田スタイルが続くのであろうが,続編でもあり,このままで終わらせたくないので,今度はそれを買おう。

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2009/10/04

すごいなぁおもしろいなぁと思っているとあっという間である。浅田次郎の本は、いつも心して読む。あまりに簡単に‘もっていかれている’気がして悔しいからだ。「今度こそ、そう簡単にはいかないぞ」と。まぁ結局はそんな心意気ごと掻っ攫われるわけだけれども。 恋愛小説であり、ミステリーであり、...

すごいなぁおもしろいなぁと思っているとあっという間である。浅田次郎の本は、いつも心して読む。あまりに簡単に‘もっていかれている’気がして悔しいからだ。「今度こそ、そう簡単にはいかないぞ」と。まぁ結局はそんな心意気ごと掻っ攫われるわけだけれども。 恋愛小説であり、ミステリーであり、政治小説でもあり、そして何よりもまず上質なエンターテイメントである。すごいなぁおもしろいなぁ。小説ってのはこうでなきゃ。

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