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共生虫 の商品レビュー

3.2

72件のお客様レビュー

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2009/10/04

「引きこもり」や「おたく」に興味があるのですが、そんな私に勧められた本。 引きこもり青年が自分らしさ、意義を持つ生のすばらしさに目覚めた末に起こす行動は、肉親に対する暴力であったり、毒ガスを用いた殺人であったり。 よく青年・少年が何の前触れもなく人を殺すとかいうニュースを聞きます...

「引きこもり」や「おたく」に興味があるのですが、そんな私に勧められた本。 引きこもり青年が自分らしさ、意義を持つ生のすばらしさに目覚めた末に起こす行動は、肉親に対する暴力であったり、毒ガスを用いた殺人であったり。 よく青年・少年が何の前触れもなく人を殺すとかいうニュースを聞きますが、そんな彼らの心の内側をすごくリアルに描き出しています。(本当に彼らがこんな考え方をしていたかどうかは別としますが、ひどく納得させられるような文章なのです) 一般には「思い込み」といわれようが、それが彼らの正義なのだなぁとか感じさせられる本。

Posted byブクログ

2009/10/04

病んでいる時に読んだら余計に病んだw 暗いだけではなく、社会お歪み、人間の存在価値について考えさせてもらった。

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2009/10/04

うーん。ステロタイプ。村上龍の悪い癖が出まくっているのであまりお勧めできない。 基本的に村上龍という人は自助努力を信念にしている人なので、そうでない人はすべて病理に見えるんだろうなあ・・・ 氏に人間愛が無いわけではないのだが、悪意に満ちた本のように見える。

Posted byブクログ

2009/10/04

一人の引きこもりの青年が体内に共生虫を飼っている。絶滅をプログラミングされた種を終宿主とする共生虫は、絶滅必定の人類の、新しい希望とも言える。引きこもりの人々を題材に、偽の社会的希望に満ちた現代日本を描く。 ※賛否両論になりそうな話。後味の悪い感じが苦手な人にはおすすめせず。

Posted byブクログ

2009/10/04

村上龍という人は、現在の社会情勢を見て、数年後の未来の社会を予想できるprophetなのだろう。 だって、この物語が描かれたのは20世紀の最後の年。まだニートという言葉がない時代。 ニートな主人公が進む道は猟奇的な殺人事件。恐ろしい程に、今21世紀が5年も過ぎた年にニュースが報道...

村上龍という人は、現在の社会情勢を見て、数年後の未来の社会を予想できるprophetなのだろう。 だって、この物語が描かれたのは20世紀の最後の年。まだニートという言葉がない時代。 ニートな主人公が進む道は猟奇的な殺人事件。恐ろしい程に、今21世紀が5年も過ぎた年にニュースが報道する、そんなリアルな物語。 「愛と幻想のファシズム」然り「希望の国のエクソダス」然り。そんなムラカミリュウの作品にシンクロしてくる今の社会。

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2009/10/04

やっぱり村上龍の暴力描写は徹底していてすごい。さすが。 何かに夢中になり、集中している時の充実感。生きているという感覚。その素晴らしさを知っている人はどれだけいるのだろう。ただ、主人公の引きこもり青年ウエハラのような方向へ向かってゆくことが間違っているだけ。

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2009/10/04

「引きこもり」っていう言葉がフランスにないんだってことにはじめて気づきました。最後のハナダの手記が、なにが言いたいのかよくわかりません。でも、情報が溢れるようになって、ものの一点しか見なくなる。いつの間にか「当たり前」にプログラムされてしまっている、現代人に対するメッセージであり...

「引きこもり」っていう言葉がフランスにないんだってことにはじめて気づきました。最後のハナダの手記が、なにが言いたいのかよくわかりません。でも、情報が溢れるようになって、ものの一点しか見なくなる。いつの間にか「当たり前」にプログラムされてしまっている、現代人に対するメッセージであり、その「当たり前」に反抗する「引きこもり」を描写した作品なのかなぁ、と思いました。引きこもりとは一体なんであるのか、社会に問いかけているようにも見える。でも、描写がグロいのがちょっとなぁ。迫力あるけど。

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2009/10/04

面白かったです。でも、ちょっとなくてもいいかなってページがいくつかあるような感じがしました(特にハナダの手記あたり)。 微妙にウエハラにと共感できる部分もあったり、良くあるハッカーのだっさい文章もあったり(電話ボックスからPHSを使うのは普通ありえないので)、いろんな意味で「楽し...

面白かったです。でも、ちょっとなくてもいいかなってページがいくつかあるような感じがしました(特にハナダの手記あたり)。 微妙にウエハラにと共感できる部分もあったり、良くあるハッカーのだっさい文章もあったり(電話ボックスからPHSを使うのは普通ありえないので)、いろんな意味で「楽しく」読むことができました。

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2009/10/04

自分の体の中に共生虫が住んでいると思い込んだ男の話です。暴力シーンがあるので苦手な人にはお勧めしません。

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2009/10/04

2003/05/01俺もそうだが、多分、この著者も「引篭り」というものに対して理解することを放棄しているし、共感も覚えてはいないのではなかろうか。しかし、カウンターカルチャーの旗手としてのポーズは、それを真正面から露呈させることを拒み、やむなき選択として、この主人公は一種の怪物と...

2003/05/01俺もそうだが、多分、この著者も「引篭り」というものに対して理解することを放棄しているし、共感も覚えてはいないのではなかろうか。しかし、カウンターカルチャーの旗手としてのポーズは、それを真正面から露呈させることを拒み、やむなき選択として、この主人公は一種の怪物と化していく。怪物として育まれた彼は標的を求めてネットの世界に彷徨いこみ、敵を発見する。問題はここで、敵として選ばれたのが、これ又、一種のパラノイアとでも言うべき一群であり、ここで物語は閉じられてしまうのだ。最後に、主人公が見出した「希望」をもって、著者があとがきで言う「希望」なるものを読む者はいささかも感じ取れないだろう。しかし、時代と正対しようとする作者の真摯さと、現代の暗黒を描いて圧倒的とも言える描写力には多分に魅了された。

Posted byブクログ