共生虫 の商品レビュー
なんというか、この人は幼稚で狭い人間の視野を描く技術にものすごく長けていると思う。 久々に読み返した。
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私はフィクションはあまり好まないのであるが、ネット犯罪、引きこもりとキーワードがくれば放っておくわけにもいかない。立ち読みでたちまちハマり、買って一気に読破した。共生虫という得体の知れない虫とともに生きるウエハラ。実際にそういう虫がいるのかどうかは読んでからのお楽しみ。この小説のキモともなる毒ガス”イペリット”であるが、偶然にも最近日本の各地で旧日本軍が廃棄した毒ガス弾が相次いで発見されており、住民に健康被害が出ている。そういう事情もあってか、内容が非常にリアルであり、ストーリーが現実味を帯びてくる。引きこもっていたウエハラがインターネットをきっかけに一気に行動を開始し、やがて戦慄のラストを迎える。
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ちょっとビミョーな展開でもあったけど 物語の軸、設定は興味深いと思った。 ありもしないと腹をくくるのではなく もしわが身に降りかかったら・・と思わず新宿の構内で身震いした。
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救えねえ…。主人公をはじめ、殆どの登場人物が病みきってる。 しっかり書き込まれた話だと思うんだけど、終始嫌悪感がついてまわったせいで楽しめたかといわれたら微妙だ。 虫の描写自重(笑)とか、インターバイオの胡散臭さやりすぎじゃないか?とかもあるけど、何より主人公の弱者(?)に当たる...
救えねえ…。主人公をはじめ、殆どの登場人物が病みきってる。 しっかり書き込まれた話だと思うんだけど、終始嫌悪感がついてまわったせいで楽しめたかといわれたら微妙だ。 虫の描写自重(笑)とか、インターバイオの胡散臭さやりすぎじゃないか?とかもあるけど、何より主人公の弱者(?)に当たる性向がウザかった。オカンかわいそう過ぎるだろ…。 現代社会の病巣にスポットを当てた社会小説って感じだけど、どうなのかな。あとがきで作者が「希望」について語ってるけどなんかとってつけたような印象を受けた。 引篭もりとか精神疾患について書くより、もっと気軽な設定の方が個人的には好みだったなー。 好き嫌いではない一つの小説としての完成度は高いほうだと思うんだが、俺の評価は3に近い2で。
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リアルな世界を拒絶し続けた、引きこもり青年ウエハラ。インターネットによって情報を得ると、たちまちアクセントがヴァーチャルに傾く。共生虫を体内に宿した彼は、破壊と殺戮を許された特別な存在であると教えられ、そのとおりに信じ込む・・・ インターネットの匿名性に起因する諸問題が鏤められ...
リアルな世界を拒絶し続けた、引きこもり青年ウエハラ。インターネットによって情報を得ると、たちまちアクセントがヴァーチャルに傾く。共生虫を体内に宿した彼は、破壊と殺戮を許された特別な存在であると教えられ、そのとおりに信じ込む・・・ インターネットの匿名性に起因する諸問題が鏤められています。ベンヤミンもすべての人間が表現者になるなどとは予測できなかったでしょう。無責任な発言によって間接的に人格が、倫理が、道徳がゆがめられる。犯罪が誘発される。責任の所在がはっきりしない点は、集団によるいじめやリンチに似ていると思いました。
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フォントの変化ではなく、地の文でメールだったり文献だったりを表現できると思うのですが、何故? 純文学とは言い難い、文学とは言い難い村上作品、これが何故谷崎賞なのですか? もう謎
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図書館で借りました 実は今まで村上龍氏の本は読んだことがないのです。五分後の世界(は、たしか村上龍でしたよね?)は中途挫折しましたし。 読んでいて、無夜個人のタブーワーズぎりぎりがありましたけれど(苦笑)それは作者に罪が無いのと、ぎりぎりだったんで飲み込めました。(それが何かは内緒。コンプレックスに由縁するから) この話は「露骨にオタク体型の引きこもりウエハラ青年が人をぶっ殺すまでの記録」ですね。単純に言うと。 毒ガスを見つけて、どこぞに撒こうかとか、誰かにプレゼントしようかと考えながら、ウエハラが雑踏に消えていって終了。 彼に殺人や自殺をそそのかす連中がいて、最初の時点で「こいつら、絶対ウエハラを騙そうとしている」とわかりました。だって、「共生虫を持つ者は殺人・殺戮と自殺の権利を神から委ねられている」なんて無責任な言葉をネット上で発言する人間を信用できませんよ、樓主は。そしたら案の定、嫌な人たちで、ラストでウエハラ君に毒殺されました。すっきりしました。こいつらが生き延びていたらとてもとても嫌ですもの。自分で手を汚さない奴らのことが樓主は大嫌いなんです。 共生虫というタイトルはウエハラが寄生されたと信じている、死んだ老人から出てきた細い虫が由来。それに正しい道を導かれていると思っているのです。 ウエハラは四人を殺して、一人(兄)に大怪我をさせているけれど、殺してしまうことより、母親を殴ったり蹴ったりすることの方がむかつきましたね。死にかけの父親をバッドで殴り殺すのは別になんにも思いませんでした。(感覚がおかしい?)
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引きこもり青年がある日部屋を出た……外の世界で彼は何を思い、何をするのか……最後まで物語に引き付けられました。
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この小説は、映像として頭に打ち込んでくる感じがする。 村上龍の作品の中でもかなりオススメの本ですな。
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静かなる恐怖感が背筋を伝ってゆくのが分かる。 インターバイオか、現実にありそうな話だ。 リアル感があって非常に怖い。 グロテスクが苦手な方にはオススメできない… 表紙に惹かれて買った(いわばジャケ買い)のだが、カバーデザイン〈鈴木成一デザイン室〉だったのを発見した。 なるほど。
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