サロメの乳母の話 の商品レビュー
知人からすすめられて塩野さん初読(のはず)。おもしろいです!ジェンダー思想、ウーマンリブ世代バリバリ!!コレを読むと、歴史なんて男が都合よく語ってきたものから作られてるんじゃ?と思わずにはいられなかった。
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200頁と少しの薄い文庫本に十二編収録。 おもしろかったのは表題作「サロメの乳母の話」(賢く冷徹な姫君としてのサロメ)、好きだったのは「聖フランチェスコの母」(鳥に説法したことで有名な聖人の愛すべき息子としての顔)、考えさせられたのは「キリストの弟」(家族からしてみたらイエス...
200頁と少しの薄い文庫本に十二編収録。 おもしろかったのは表題作「サロメの乳母の話」(賢く冷徹な姫君としてのサロメ)、好きだったのは「聖フランチェスコの母」(鳥に説法したことで有名な聖人の愛すべき息子としての顔)、考えさせられたのは「キリストの弟」(家族からしてみたらイエスさまって確かに冷たい)。 他は全体的によくも悪くも軽すぎて、余韻が少ないものばかりだったという印象です。決してつまらなくはないのだけれど、塩野七生は歴史書と歴史小説のあいだにあるようないつもの作風の方が好き。 最後に十二編(うち二編は続きもの)の収録作品をメモしておきます。 「貞女の言い分」(オデュッセウスの妻ペネロペ) 「サロメの乳母の話」 「ダンテの妻の嘆き」 「聖フランチェスコの母」 「ユダの母親」(語り手はイスカリオテのユダの学校の先生) 「カリグラ帝の馬」 「大王の奴隷の話」(アレクサンドロス大王) 「師から見たブルータス」 「キリストの弟」 「ネロ皇帝の双子の兄」 「饗宴・地獄篇 第一夜」(クレオパトラ、ビザンツ帝国皇后テオドラ、スパルタ王妃ヘレナ、ソクラテスの妻クサンチッペ、マリー・アントワネット、江青) 「饗宴・地獄篇 第二夜」(江青以外上に同じ)
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イタリアといえば、の塩野七生さん。 夏にイタリア旅行を計画していたため、ここはイタリアについて勉強せねば!と手にとりました。 英雄カエサルを殺したブルータス、イエスをユダヤ人に売った裏切り者ユダ、預言者ヨハネの首を所望した王女サロメ、など 世界史にはめっぽう弱い私でも知っている...
イタリアといえば、の塩野七生さん。 夏にイタリア旅行を計画していたため、ここはイタリアについて勉強せねば!と手にとりました。 英雄カエサルを殺したブルータス、イエスをユダヤ人に売った裏切り者ユダ、預言者ヨハネの首を所望した王女サロメ、など 世界史にはめっぽう弱い私でも知っている超有名人について、その周辺の人間が語る、という形の小説集。 さくっと読めて、初級編という感じ?他の塩野さんのどっしりとしたイタリア歴史本に入る前にちょうどよかったかも。 ちょっとゴシップっぽい視点も面白いし、世界史を勉強してる中高生にすすめたい。
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サロメの乳母が語るサロメの話。 なるほど、そういう見方をすれば、また違った人物像になるな・・と新たな発見。 カリグラ帝、ユダ、ブルータスなど十二編。
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歴史上の有名人の身近にいた人たちから語られる人間像。 「ユダの母親」は文字通りイスカリオエテのユダの母が語るユダ像。こんな母親だったらユダも可哀想に・・と思ってしまいました。また「キリストの弟」も興味深い話。 これまでと違った視点で楽しめる短編集です。さすが塩野さん!! ぜひ一読...
歴史上の有名人の身近にいた人たちから語られる人間像。 「ユダの母親」は文字通りイスカリオエテのユダの母が語るユダ像。こんな母親だったらユダも可哀想に・・と思ってしまいました。また「キリストの弟」も興味深い話。 これまでと違った視点で楽しめる短編集です。さすが塩野さん!! ぜひ一読下さい。
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面白かった。 歴史上有名な人物を、その人物の身近かつ自身は有名じゃない人の目線から語る、という形式が好きだから、よりおもしろい。 最後の饗宴・地獄篇も凄く面白かった。こういうメタなのも面白い。 第二夜までしかなかったけど第三夜以降はないのかなぁ
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ローマ人の物語の作者による、歴史人物考察・・・とでも言えばいいのでしょうか。能書きはともかく、面白い。誰もが知ってるサロメ、ではなく、その乳母がサロメを語る。あのイエス・キリスト、ではなくその弟がキリストを語る。なんて面白いんだ!世の中に知られている有名人の、知られざる一面が読め...
ローマ人の物語の作者による、歴史人物考察・・・とでも言えばいいのでしょうか。能書きはともかく、面白い。誰もが知ってるサロメ、ではなく、その乳母がサロメを語る。あのイエス・キリスト、ではなくその弟がキリストを語る。なんて面白いんだ!世の中に知られている有名人の、知られざる一面が読める本です。
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11月1日読了。古代ギリシアやローマ、キリストの時代のイスラエルなどに生きた伝説的人物たちについて、その妻や乳母、親などが語る手記といった体裁の短編小説集。描かれている女性たちの「現代的な」思考や、男たちの日常の単細胞ぶりには苦笑するが、いつの世も人間のすること・考えることはたい...
11月1日読了。古代ギリシアやローマ、キリストの時代のイスラエルなどに生きた伝説的人物たちについて、その妻や乳母、親などが語る手記といった体裁の短編小説集。描かれている女性たちの「現代的な」思考や、男たちの日常の単細胞ぶりには苦笑するが、いつの世も人間のすること・考えることはたいして変わらないものなのかもしれないな・・・。オデュッセウスの妻の、夫に対するさばさばとした態度などが面白い。
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なまなましい本だ。 やっぱ凄いよ塩野先生。仰々しい文章でもなんでもないのに、迫りくるあの高揚感。 うっかりサロメに共感しかけた自分に、ちょっとだけ危機感。
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恋に狂うサロメとかの方が面白いけど、この小説の賢くてヘロデにはできないことをやったお姫様ていうのもいいね
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