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サロメの乳母の話 の商品レビュー

3.5

35件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    15

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

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2015/10/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おもしろかった!英雄や偉人、になるわけではなく、その妻や召使はたは馬にもなり、その裏側の顔を描き出す。。。秀逸だったのは、題名にもなっているサロメの乳母の話。サロメと聞くと無邪気で残忍という勝手なイメージがあったんですが、この物語を読むとフィクションだとしても、あぁなるほどね!と思ってしまう。妄想が膨らむのはほんとに楽しい。。。 そして最後の饗宴・地獄篇。こと西洋の物語が大半の中で珍しく日本歴史が出てきて新鮮。そしてオチがね・・・。いや、最後まで楽しく読める1冊です。

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2015/09/15

歴史の「実はこうだった」的な話を脇役視点の話し言葉で綴ったもの。 非常に読みやすいし、本当に真相はこうだったのかもしれない。

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2015/06/30

オデュッセウスの妻、サロメの乳母、聖フランチェスコの母…歴史上の英雄・偉人たちの周辺人物が語る舞台の裏側。 ワイルドの『サロメ』を最近読んだのをきっかけに表題作に惹かれて。どの章も20ページ程で、原作を読んだ後に本作を読むとイメージが付きやすいです。 オデュッセウス編では、妻の...

オデュッセウスの妻、サロメの乳母、聖フランチェスコの母…歴史上の英雄・偉人たちの周辺人物が語る舞台の裏側。 ワイルドの『サロメ』を最近読んだのをきっかけに表題作に惹かれて。どの章も20ページ程で、原作を読んだ後に本作を読むとイメージが付きやすいです。 オデュッセウス編では、妻のぼやきにも似た語り口調は軽快で、あくの強すぎる原作の主役を思い起こせばこんな想いも抱えるだろうと想像できます。狂気が注目されがちなサロメも、乳母の目から見ると賢い女性像が浮かびます。また、舞の描写は見事でした。最後の「饗宴・地獄篇」は、まぁ著者の悪ノリみたいなものでしょうか(笑) イメージが固まりがちな名主役たちも、塩野七生さんの想像力にかかれば知られざる新鮮な一面が見えてきます。原作のスピンオフ的に、気軽に楽しめる1冊。

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2015/06/23

世界史は苦手だけど・・・ 歴史上の英雄を身近な人の立場から描くとこんなふうに見えるかも・・・というのがとても楽しい。 特に、女性の目線の作品は、いきいきとしていて、中でも表題作になってるサロメは、半分ぐらい塩野さんご自身なのかも・・・。

Posted byブクログ

2013/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

物語や歴史の主人公を少し違った視点から描いた短編小説。 例えばギリシャの英雄オデュッセウスを妻の視点から、サロメは乳母から、ダンテは妻、聖フランチェスコは母から…等。しかしこれ、完全にオリジナルの話を知っているという前提で描かれてます。そうでないと全然面白くないでしょうね。そういう意味で読み手を選ぶ小説ではあります。

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2013/11/12

有名な歴史的人物の周辺人物から見た歴史的な出来事についてのフィクションです。表題の作品が一番印象的で、サロメの王女としての矜持を感じました。 九州大学 ニックネーム:川島太一郎

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2013/09/23

古代史上、著名な10人を取り上げ、それらの身近にいた人が1人称の回想形式で語るという趣向。特に表題作「サロメの乳母の話」は、芥川の『地獄変』の語りの手法を思わせる。篇中では暖かい情愛にあふれた「聖フランチェスコの母」が一番好きだ。塩野七生さんといえば大長編というイメージだが、こん...

古代史上、著名な10人を取り上げ、それらの身近にいた人が1人称の回想形式で語るという趣向。特に表題作「サロメの乳母の話」は、芥川の『地獄変』の語りの手法を思わせる。篇中では暖かい情愛にあふれた「聖フランチェスコの母」が一番好きだ。塩野七生さんといえば大長編というイメージだが、こんな風な短篇も実に鮮やか。モロー画の表紙もいい。

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2012/07/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

西洋史とキリスト教に関する基礎レベルの知識は前提として必要になる短編集。一つの短編が20ページ足らずのものばかりなので、さくさく読めます。 いわゆる歴史上・宗教上の有名人たちの「周辺にいる人」の視点から、「実はこの人はこんなことを考えていた」「実はこの史実・宗教的逸話の陰には、こんな話があった」という切り口で、刺激的なエピソードが語られていきます。小説ではあるけど、ウソ臭さをあまり感じさせないので、もしかしたら本当にそうだったんじゃないの?と思わせるような作品もあったりします。 個人的には、イスカリオテのユダの母親が息子の死をテーマに本を出版、引く手あまたの人気者になってテレビ出演まで果たした、なんてぶっ飛んだ話になってしまっているのが、かなりツボでした。 塩野七生さんの作品はこれが初めてだったんですが、他の作品も読んでみたくなりました。続きものが多いみたいだけど、ハンニバル戦記あたりに手を出してみるかなー。

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2012/05/17

歴史上の有名人について、その人をごく身近で見ていた人の視線、という設定でお話が進められる。 今まで持っていた歴史観や、歴史上の人物へのイメージがこんなにも簡単に塗り替えられるとは、自分の想像力のなさに驚きます。 楽しく読める一冊です。

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2012/05/12

へー、こんなライトな小説も書くのか。息抜き感の漂う。イエスの弟の話は、私の前々から感じてたことを見事にお話にしてくれてました。

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