中世京都と祇園祭 の商品レビュー
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中世における祗園祭、祭を通して形作られた町衆の結束や町人の経済的成長、応仁の乱前後から現在に至るまで祭の形式がどのように変化していったのか。また牛頭天王信仰が本邦に入ってからどう受容され・変容していったのかなど、祗園祭にまつわる種々の考察が丁寧に述べられていて、最後まで興味深く読みました。「はじめに」の冒頭の著者の語り、「祗園祭ほど、華麗で豪壮な祭りはないと私は思う。(中略)その鉾まわしを見るとき、ジトジトとふりつづいた梅雨の邪気を、この世のマガマガしいものすべてを、はらってくれるように思うのだ」とあり祭りへの強い思い入れがうかがわれます。京というと雅ではんなり、といった印象を持たれがちに思われますが、京の町衆の歩んできた苦難の歴史は辺土者の想像をはるかに超えるものがあるのだなあと再認識しました。ただ、難しい専門用語こそ無いものの中世史や寺社縁起についての叙述にある程度慣れていないと、通読するのに時間がかかるかもしれません。
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