笑わない数学者 の商品レビュー
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S&Mシリーズ3作目。 前作を読んだのが1年以上前だったので覚えているか不安だったけど、意外と思い出せたな。 ミステリのトリックとしては単純で、正直途中から気付いてはいた。 けれど「定義するものが存在する」という言葉にテーマ性をもたせる構造が良かったかな。鏡、天動説/地動説、内と外…。そして天王寺博士の正体。 我らが奈須きのこをして「作家界屈指のポエマー」と言わしめる森センセーだけど、個人的にはむしろ数学的に簡素な作風のイメージなんだよな。 いや、簡素とは少し違うか。どちらかというとモノクロで描かれたミニマリストの部屋みたいな。ある種の機能美的な美しさと言ってしまってもいいかもしれない。 ただ、そういった作風の中で見せる直喩/隠喩が際立って色を持ったりする。「神経はくしゃくしゃの銀紙のように苛ついていた」とか、急にスゲー例え出してくるじゃん…。 まぁこんな感想は見たい人が見たいように見ればよいとは思う。まさしく「定義するものが存在するものだ」ってやつだな(使い勝手が良すぎる)。
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S&Mシリーズ第3弾読みました。 事件とオリオン像を消すトリックと真相は、スケールが非常に大きく今回も凄かったです。 ラストの終わり方はどういう事だろうと考え悩みまして、ネットで考察を検索してます。
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今作はトリックと犯人が何となく途中でわかったので嬉しくなった。推理小説はそれが面白いのね。 3作目になり犀川先生と萌絵の2人の関係も徐々に進んでいるなあと思いつつ早く2人に会いたくなり、4作目を手に取るのであった…笑
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トリックは比較的当たりをつけられたし、シンプルだったんでやっぱり一作目の「すべてがFになる」と比べると物足りなく感じてしまう。 いつも通り犀川と萌絵の掛け合いは面白かった。 タイトルである「笑わない数学者」と結末の描写を考えるとそういう事と捉えて良いんですかね?
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めずらしくトリックも犯人もすぐにわかった。 久しぶりに謎がわかったときの爽快感を味わえた。 天才同士の会話のレベルが高くて読んでいて頭が良くなった気がするのが本シリーズに魅力だと思う。 ☆3.4
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トリックが解けたのでとても満足だがしかし、 終わり方にびっくりした。自分なりに解釈した結末とネットの方々の意見が一致したのでスッキリもした。でも結局、解は不定である。 そして数学者は笑わないのだ。
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S&Mシリーズ3作目! 個人的には今のところ2作目が1番好きです。 トリックは単純なのに、そこに乗っかる人間模様はとても複雑で面白かったです。 私的には天王寺博士は片山基生だと思って途中から読んでいたので、私の定義では片山基生という事になりますね。
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この作品は数学が一つの軸になっているのもあり前二作とはまた違った展開だった。 特に、最後の不定の場面では実に数学チックでありまた、理系チックでもあった。
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シリーズ3作目 まず目次見て、文字量にびっくりして笑った。 トリックについては、こういうことかな~?となんとなく想像できたけど、 犯人や詳しい部分まで考える暇もないほど、スイスイ読み進めることができた。 読んでる途中で挫折しちゃったり、ということがよくある私だけど、このシリー...
シリーズ3作目 まず目次見て、文字量にびっくりして笑った。 トリックについては、こういうことかな~?となんとなく想像できたけど、 犯人や詳しい部分まで考える暇もないほど、スイスイ読み進めることができた。 読んでる途中で挫折しちゃったり、ということがよくある私だけど、このシリーズはどんどん読んでしまう。ほんとにおもしろいなー。 世界観も、登場人物のやり取りも、読後の余韻も、なんだか心地いい。 犀川先生が周りも見えなくなるほど自分の世界に入って、謎がとける場面が毎回ドキドキして好き。
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自分は文系で数学のことは全く分からないのだが、登場人物の台詞や文章の中に含まれる数学的な表現の数々が芸術的でとても美しいものに見えた。物語の展開とテンポが良かったので、ページ数が多い本なのにサクサク読み進めることができ、一つの章を読み終えるたびに続きが気になってあっという間に読了...
自分は文系で数学のことは全く分からないのだが、登場人物の台詞や文章の中に含まれる数学的な表現の数々が芸術的でとても美しいものに見えた。物語の展開とテンポが良かったので、ページ数が多い本なのにサクサク読み進めることができ、一つの章を読み終えるたびに続きが気になってあっという間に読了してしまった。犯人はわりと早い段階で予想がついてしまったのだが、終盤の怒涛の展開には驚いた。トリックもなるほど…という感じ。登場人物の相関図がややこしくて何度も冒頭のページを確認しながら読み進めた。張り巡らされていた数々の伏線も最後にはほぼ全て回収されたのでスッキリ。メインの二人がとても魅力的なので続編も是非読んでみたい。
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